リアルジャパン(9.19.後楽園)電撃初参戦!柔術超人・関根“シュレック”秀樹 インタビュー!「憧れの人と組めるのは不思議な縁。どれだけできるか、今後のためにも今回が大事」
-
ポスト -
シェア - 送る
第5試合 セミファイナル タッグマッチ 30分1本勝負 船木誠勝(フリー)&関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)vsタカ・クノウ(フリー)&ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
開催迫る9・19リアルジャパンプロレス「ストロングスタイルプロレスVol.3」において、セミファイナルのタッグマッチに出場する関根“シュレック”秀樹。静岡県警という安定した職にありながら40代にして格闘家へ転身し、総合格闘技でONE世界王座に挑戦、柔術無差別級で日本一に就くなど、縦横無尽の活躍を見せ、昨年プロレスラーとしてデビューするとパワーとテクニックを融合した戦いで新人とは思えない存在感を放っている。大会4日前に行われたDEEP浜松大会でもTKO勝利し、勢いのままリアルジャパンへ参戦。そんなシュレックはいかなる歩みを経てプロレスラーとなったのか。9.19.リアルジャパン初参戦、憧れの存在、船木誠勝と結成するタッグへの思いとともに振り返ってもらった。
第5試合 セミファイナル タッグマッチ 30分1本勝負
船木誠勝(フリー)&関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)vsタカ・クノウ(フリー)&ロッキー川村(パンクラスイズム横浜)
■いじめがきっかけで柔道へ、大学時代プロレスに目覚める
関根“シュレック”秀樹(ボンサイブルテリア)
――シュレック選手は今回がリアルジャパン初参戦となりますので、経歴からお聞きしていきたいと思います。元は柔道をされていたそうですが、何歳でどのように始めたのですか?
シュレック「6歳からですね。自分が4歳のころ交通事故に遭って、足が千切れるぐらいになって何とか繋がったんですけど小学校低学年のころはふくらはぎの部分が結構腫れて足を引きずっていて、それでいじめにあったんです。そのいじめをやっつけるため柔道を始めたんです」
――プロレスも元々お好きだったんですか?
シュレック「子どもの頃は柔道の練習、親父が見る時代劇と重なってあまり見られていなくて、本格的にプロレスが好きになったのは大学時代です。柔道部の同級生にプロレス狂いがいて洗脳されたんです(笑)」
――デビューは昨年ですが、プロレスラーになりたい気持ちは早くからあったそうですね。
シュレック「当時キン肉マンが流行っていて、自分はキン肉マンを見て“超人になりたい”って強く思っていたんです。それでキン肉マンの母体がプロレスなので、“いつかリングで戦えたら”っていうのはずっと思っていました」
――それで先ほど話に出た友人の影響を大学時代に受けプロレスにのめり込んでいったと。
シュレック「遊びに行くと毎回ビデオや雑誌を見せられて、「1回行こうよ」っていうから会場へ行って、そこから毎回行っているうちにハマっちゃった感じです。当時は山梨だったので、車で行くにしろ何にしろきっと仲間がほしかったんだと思います。全日に新日、みちプロ、FMWにUインター、あと全女とかその週末やっている団体を観に行く感じで、もう週末ごとに行っていました」
――そんな中でUインターの入団テストを受けようと思ったこともあったそうですね。
シュレック「当時は高田延彦さん、Uインターがカッコよかったし大好きだったんです。それで大学4年の時Uインターへ行こうと思っていたんですけど、親に言ったら全く相手にされなくて警察を受けろと。それで警察に受かっていたんですけど、Uインターへ押し掛けて入れてもらおうと思っていたんです。でも、それがその年の12月、Uインターが活動停止になってしまって。それでもう希望も行き場所もなくなってしまって、仕方なく警察官になった感じだったんです」
■プロレス志望から警察へ
――本来は大学を卒業し新社会人として晴れがましい気持ちのはずが、全くそうではなかったと。
シュレック「そうですね、そのまま警察学校に入ったんですけどもう抜け殻というか。警察学校の時は全然やる気がなくて勉強もあまりしなかったので、よく赤点とかになっていました(苦笑)」
――そこからどのようにやる気が戻っていったのですか?
シュレック「平成9年に警察へ入ったんですけど、平成11年に機動隊へ異動してまた体を鍛え直して少しずつやる気になっていった感じです。機動隊は当時部下いじめ、後輩いじめがヒドかったんですけど、自分は大学柔道部での苦しさを思ったら全然キツくなかったし、その時の希望のなさに比べたら辞めるなんてことは思いませんでした。“今ここで負けたらあの時の練習が無駄になってしまう”と思って、そうやって頑張っていたら、最初は生意気だといじめられていたんですけど、機動隊でも認められて可愛がってもらえるようになりました」
――機動隊の後は刑事となり、通称「マル暴」と呼ばれる暴力団や外国人犯罪を扱う部署にもいらしたそうですね。
シュレック「その時の上司で刑事の人がいて話を聞いているうちに刑事をやってみたいなと思って刑事課に入り、マル暴の刑事になりました。結局警察には約20年いました」
■柔術との出会いで格闘家、プロレスラーに転身
――シュレック選手の所属は「ボンサイブルテリア」ですが、その母体であるボンサイ柔術にはその頃出会ったとお聞きしています。
シュレック「マル暴の刑事をやっている時に底意地の悪い課長がいて、外国人の組織犯罪の方へ異動させられたんです。当時浜松は日系ブラジル人の犯罪が多くて窃盗団みたいのがいたので、情報や捜査協力者を得るためにボンサイへ行ったんです。情報を取れればいいなということで行ったんですけど、行ってみたらすごくいい人たちばっかりで」
――それが巡り巡って後のシュレック選手を生むことになる訳ですから、人生分からないものですね。それで柔術を始めてみたらすっかりハマってしまった?
シュレック「そうですね、競技の面白さもそうなんですけど、ボンサイのソウザ兄弟がすごく可愛がってくれて。友達として本当に大事にしてくれて、警察ですさんだ自分の心が変わっていったんです」
――では強さや技術だけでなく、そういった人間的温かさに触れられたところが大きかったと。
シュレック「柔術にハマったのは半分はそれですよね。だから普通の道場だったらこうはならなかったかもしれないです。マルキーニョス(=10月のRIZINに出場するマルコス・ヨシオ・ソウザ)が圧倒的なテクニックと実力を持っていてそういうのに憧れた部分もあるし、ボンサイのファミリー感というか友達感、仲間感に自分の感性をすごい変えられた感じがあります。そもそもボンサイ自体が「うちが一番強い」とか決してそういうことを言わないんです。“大事なことはもっと別にある”と言うか、仲間とか家族、正しいことをするであったり、“強さだけじゃダメだよ”っていう道場なんです」
――よいお話です。そんなシュレック選手はプロレスデビューから1年2ヵ月と思えない存在感を発揮していますが、かつてのファンからやる側となってみていかがですか?
シュレック「それぞれ団体でカラーが違うので、その中で自分のキャラクターとスタイル、試合内容をどうやっていくのか、それを考えるのが面白いです。もう一方的に勝てばいい格闘技に対して、プロレスは相手のよさを引き出してそれを受け切って勝つというところがあって、体がボロボロになるんですけど、そこが面白くて誇らしくもあります。征矢学選手のダブルチョップを受けて大胸筋が肉離れになって、柔術の大会を欠場したこともあるんです(苦笑)。さすがGET WILD」
■憧れの選手たちが集うリアルジャパン
――今回初参戦となるリアルジャパンにはどんな印象を持っていますか?
シュレック「やはり、初代タイガーマスクの佐山さんには小学生の頃みんな夢中になりましたし、自分も当時あまりプロレスを見られない中でも見ていました。その後(総合格闘技)修斗を創始されたり武道に傾倒していくのもリアルタイムで見ていましたし、その方の団体ですから(今回の参戦は)非常に光栄です」
――初参戦ですが決して顔見せではなく、船木誠勝選手とのタッグでタカ・クノウ&ロッキー川村組との対戦という注目のカードが組まれました。
シュレック「船木さんと言えば同年代はみんな憧れましたよね。格闘技好きはみんな「ハイブリッド肉体改造法」を持っていましたし、ササミを食べたり夢中になっていました。ヒクソンvs船木戦は機動隊の訓練で東京に来ていて、家に戻ったら間に合わないから居酒屋で見たんです。憧れていただけに船木さんが負けてショックで、もうその後のことは全然覚えていません。自分はあれで絶望して、一度プロレスから離れたんです。それで高山さんにプロレスラーの凄みを見せられて、PRIDEで呼び戻してもらったんですけど。でも、今回はそんな人とタッグを組めるんですからなんか不思議です」
――人生の伏線をここにきてどんどん回収している感じですね。
シュレック「そうなんですよ、ほんと伏線の回収です。でも、かつては仇だった柔術を自分がやっていて、それでプロレスに入っていくっていうのがまた奇妙というか、不思議な縁ですよね」
――対戦相手のお二人についてもお願いします。
シュレック「ロッキーさんとは巌流島で1回やっているんですけど、あの時は自分も膝を手術したばかりで不完全燃焼だし判定だったので、またできるのは嬉しいです。タカ・クノウさんはグラップラーとしてもプロレスラーとしても尊敬していて、ただ今まで練習もしたことがないので、肌を合わせるのがすごく楽しみです」
――シュレック選手といえば、柔術の寝技だけでなく豪快なジャーマンスープレックスも目を奪われます。
シュレック「もともと初代タイガーマスクのジャーマンも好きでしたし、豊田真奈美さん、中野龍雄さん、山崎一夫さんといったジャーマン使いがすごく好きだったんです。それがゲイリー・オブライトを見て、“これだ!”ということで、学生時代はもう毎日ジャーマンの練習をしていました。いろんなジャーマンがありますけど、やっぱりオブライトがカッコいいので、自分のはオブライト式です。今回もチャンスがあったら出したいです」
――それでは初参戦の大会へ向け、意気込みをお願いします。
シュレック「やっぱりロッキーさんとは巌流島での遺恨がありますし、彼のボクシング対ブラジリアン柔術、タカさんとは柔道系のグラップリングと柔術系技術の対決を見てほしいです。船木さんにも認めて頂けるような戦いをしたいですし、今回メインに出る藤田さんにも憧れていたので、もし対決があれば嬉しいし面白そうです。そのためにも今回が大事ですし、ここでどれだけできるかだと思います」