エレカシ宮本浩次、赤い薔薇の花束とともに『宮本から君へ』初日にサプライズ登壇!池松壮亮も驚き「見えないと思うけど鳥肌が」
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左から、真利子哲也監督、宮本浩次、池松壮亮、蒼井優、一ノ瀬ワタル、新井英樹氏
9月28日(土)、東京・新宿バルト9にて映画『宮本から君へ』の公開記念舞台挨拶が行われ、主演の松壮亮、蒼井優、一ノ瀬ワタル、メガホンをとった真利子哲也監督、原作者の新井英樹氏が登壇した。
『宮本から君へ』は、新井英樹氏が熱血営業マン・宮本浩の七転八倒の記録を描いた漫画。1990年にモーニング(講談社)で連載をスタートし、1992年には第38回小学館漫画賞 青年一般部門を受賞。2009年には『定本 宮本から君へ』(全4巻)が太田出版より出版されている。2018年4月にはテレビ東京でドラマ版が放送され、第56回ギャラクシー賞テレビ部門・奨励賞を受賞。続く映画版では、池松壮亮が再び主演をつとめ、ヒロイン・中野靖子を蒼井優が演じる。そのほか、松山ケンイチ、柄本時生、星田英利、古舘寛治、井浦新、一ノ瀬ワタル、ピエール瀧、佐藤二朗らが出演している。
作品観賞後の熱気が会場にほとばしる中、大きな拍手で迎えられた池松は、「今日こうして大好きな人たちと並んで立てて、ここには来ていないけどこの映画に関わった人たちの思いを持って初日を迎えられたことを誇りに思います」と挨拶。蒼井も「こんなにご覧になった方の前になった方の前に立つのが照れくさいなと思う舞台挨拶は初めてです。映画化したいという話が出てから7年くらい経っていますが、こうして公開を迎えられて感慨深いです」と、笑顔で公開初日を迎えた気持ちを語った。
池松壮亮
また、イベントでは、『宮本から君へ』で初めて経験したことを語るコーナーも。「初めて週休6日で撮影したいと思った現場だった」と言う蒼井は、「基本的に馬車馬のように働いたほうがノリやすいというか、パンチドランカー的に撮影が進んだ方が好きなんですけど、今回は3日目で普段映画の撮影で使う体力や気力を使い切ってしまったような感覚があって。でもなんとかスタッフの方ともお互いを鼓舞しながら乗り越えました」と撮影時の過酷さを物語るエピソードを披露。
蒼井優
池松は、「こんなに一作品で『俺』って主語を使った作品はないです。このご時世、こんなに『俺』って言うの、宮本かローランドさんくらいですよね」と明かし、「俺か、俺以外か」の言葉で知られるホスト界の帝王・ローランドを引き合いに出して笑いを誘っていた。
また、宮本の宿敵・拓馬を演じた一ノ瀬は、「後先考えない増量をしました」とコメントし、2ヶ月で33kg体重を増やしたことを告白。そして、「この作品が終わった後の人生のことは考えてなかったですね」「普段の食事は1日でケーキ1ホール、生卵1日30個はマスト。そしてその間に野菜は食べないで、野菜を食べる余裕があるならとにかく糖分や脂質をとりなさいと言われました」と具体的な体づくりについても明かし、会場から賞賛の拍手を受けていた。
一ノ瀬ワタル
そしてここで、登壇者にもサプライズなゲストが登場。本作の主題歌「Do you remember?」を書き下ろした宮本浩次が、赤い薔薇の花束をもって現れたのだ。原作の新井氏が連載当時からエレファントカシマシの大ファンだったということで、本作の主人公の名前は「宮本浩」となったという。そんな宮本の登場に、会場のファンも歓喜。新井氏が「びっくりするくらい手に汗かいてて……握手をするのも遠慮してしまいたいくらいです」と言うと、池松も「とても驚いています、見えないと思うけど鳥肌が……この主題歌が映画のレベルをものすごくあげてくださったと思っていますし、感謝しかないんですけど、とても嬉しいです」とコメント。蒼井も「とっても嬉しいです。昨日買いました、『Do you remember?』」と、宮本に報告。まさかのサプライズゲスト登場に、登壇者一同驚きと喜びの表情を見せていた。
新井英樹氏(原作者)
また、宮本に主題歌を依頼した真利子監督が、「頭真っ白で、ただ思いを伝えました」と初対面を振り返ると、宮本も「真利子さんはなかなかシャイで、寡黙だけど熱いものを持っていて、『宮本から君へ』の映画化へのお話をうかがっていると全身からこの作品を最高のものにしたいという思いがみなぎっていたんですよね。だから監督と会ってすぐにメロディーが聞こえてきたし、池松さんと蒼井さんという明快な方向性もあったので、みんなの顔を思い浮かべながらこの曲を作りました」と主題歌誕生の裏話を明かした。
真利子哲也監督
最後に池松が「昨日時間があったのでドラマからの二年半を振り返っていました。当時の台本を久々に開いてみたら、もう池松壮亮の人生とか宮本浩の人生とかどうでもいい、と。突っ切った先に、振り向いた時に宮本が浮かび上がればいい、と。そうじゃないと宮本に敵わないと思っていたんだなと、混沌の中の光をつかもうとしていたんだろうなと思って。今日からは誰のものでもなくて見てくださったかたのものだと思います。煮るなり焼くなり、好きにしてもらっていいですが、新しい時代を強く生きていかなければ、ということを宮本なら言ってくれるじゃないかと信じています」と気持ちを語り、舞台挨拶の幕を閉じた。
『宮本から君へ』は公開中。