和田誠が83歳で死去、数々の舞台ポスター・宣伝美術で活躍
和田誠
グラフィックデザイナー、イラストレーターの和田誠が肺炎のため10月7日に死去した。83歳だった。
和田は1936年、大阪府生まれ。多摩美術大学を卒業後、ライトパブリシティに入社。独立後は「週刊文春」をはじめ、多くの雑誌・書籍の装丁や挿絵を手がけた。演劇界とも関わりが深く、1967年には天井桟敷 第2回公演「大山デブコの犯罪」にて寺山修司の詩に曲を付け、寺山制作のレコード「初恋地獄篇」の作曲を担当。こまつ座をはじめ、舞台ポスター、宣伝美術を数多く手がけてきた。
映画監督としても知られた和田は、1984年に映画「麻雀放浪記」を初監督。1988年の「快盗ルビイ」ではブルーリボン賞監督賞を獲得した。またエッセイストとしても活動し、三谷幸喜と映画について語った共著「これもまた別の話」ほかを出版している。
通夜・告別式は近親者のみですでに執り行われており、お別れの会については後日発表される予定。和田の妻である料理愛好家の平野レミは「47年間、私の料理を美味しい美味しいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね」とコメントした。
平野レミ コメント
1年ほど前から体調を崩し自宅で療養していました。7月より都内の病院に入院していましたが、肺炎を患い、最後は家族みんなに見守られながら、安らかにお別れをしました。肺炎を患ってからはご飯を食べられなかったので、和田さんが好きなご飯をたくさん作って、安らかな顔の横に置いてあげました。最後の料理を作っている時はすごく幸せで、「私にとっての一番の幸せは、和田さんにご飯を作ることだったんだ」とあらためて気付きました。47年間、私の料理を美味しい美味しいって食べてくれて、本当にありがとう。安らかにね。