DYGL、日本ツアー・ファイナル公演のオフィシャルレポート到着
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DYGL
JAPAN TOUR
2019.10.19 EX THEATER ROPPONGI
7月に待望の2ndフルアルバム「Songs of Innocence & Experience」を発表し、8月のフジロックで見せてくれた熱いパフォーマンスも記憶に新しいDYGL。9月のヨーロッパ公演と並行する形で行われてきた日本ツアーも、ついに10月19日(土)の六本木EX THEATERでファイナルを迎えた。
アルバムリリース時のインタビューではこれまでのバンドスタイルのみならず、サックスを取り入れるなど新たなアプローチにも挑んだことを明かしていた彼ら。今回の公演ではHiroto Taniguchiをサポートに迎え、より表情豊かな演奏を繰り広げてくれた。
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2ndアルバム発売に合わせたツアーではあるものの、彼らは冒頭から新旧問わずに楽曲をチョイス。「Hard To Love」から「Let It Sway」「Let's Get Into Your Car」の流れは、古くからのファンにとっては何とも熱い展開だ。初のアルバム「Say Goodbye to Memory Den」発表以前のライヴでは、比較的淡々とした様子で演奏していたDYGLだが、この日は爆音に乗せ、とにかくエモーショナルに動きまくる。長年の活動を経て、楽曲だけでなく彼らの佇まいも変化していったことを痛感させられた。
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Nobuki Akiyamaの「今の状況にも世の中にも満足してないけど、それでも声をあげたいと思ってるすべてのみなさんのために歌います!」という言葉が心強い「Bad Kicks」に入ると、すでに観客達のテンションもハイボルテージに。そんなフロアをクールダウンさせるように、中盤からは「Only You (An Empty Room)」「An Ordinary Love」とミドルナンバーが続く。「Behind the Sun」のような甘いチューンもいい緩和剤として作用し、Yotaro Kachi&Kohei Kamotoの柔らかなリズムセクションはたまらない心地よさに溢れていた。
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ほどよくオーディエンスをリラックスさせたところで、今度はキャッチーなメロをメインに据えた「A Paper Dream」「I've Got to Say It's True」へ。2枚のアルバム制作を通し、幅広いサウンドメイクがこなせるようになった彼らの真骨頂とも言えるブロックだ。そして「Waste of Time」「Nashville」でいよいよライヴも佳境へ。ここでAkiyamaは、日本だけでなく世界各地で引き起こされている差別や格差、隔離に触れ、今日言わなければ明日に持ち越されてしまう、その不安感を「Don't You Wanna Dance In This Heaven?」に込めたことを明かした。1年間で世界各地を巡る彼らだからこそ、やはり見えたもの、募る思いがあったのだろう。それでもAkiyamaは問題を提起するだけでなく、「みんながやりたいことができて、風通しのいい社会になってほしいと思います」と温かく語りかける。その真摯な姿勢に、自然と会場から拍手が飛び交った。
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インディー・ロックとサイケデリックの魅力を絶妙に組み合わせた「Don't You Wanna Dance In This Heaven?」で本編を終え、アンコールではどこかホッとした様子を見せたDYGL。MCではYosuke Shimonakaにトークが振られる珍しい場面もあり、彼は「よくあるMCやるのもどうかな、とは考えてたんですけど……ここまで来て、いろいろ感じるものはありますね。」としみじみ振り返る。さらに話題は結成当初の思い出話まで広がり、彼らの普段の姿が垣間見えるコーナーとなった。そこから長年ライヴハウスを沸かせてきた「All I Want」では、上半身裸となったShimonakaがギターをかき鳴らし、フロアはモッシュの嵐に。クールな側面だけでなく、ロックならではの熱いグルーヴを生み出すDYGLの懐の深さが示された終盤だった。
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このあとはアメリカツアー、アジアツアーを控えている彼らだが、11月5日には東京で追加公演を実施。過去にBeach Fossilsとの共演を果たした渋谷CLUB QUATTROが舞台となるだけあり、ファンの期待は相当に高まっているはずだ。すでにソールドアウトとなっているが、足を運ぶファンは来月を楽しみにしていて欲しい。
撮影=Yukitaka Amemiya
ツアー情報
<追加公演情報>
東京 11/5 (Tue) SHIBUYA CLUB QUATTRO SOLD OUT
『US TOUR』
『ASIA TOUR』