吉柳咲良インタビュー 今までとは違う役で新境地を目指す『デスノート THE MUSICAL』
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吉柳咲良
同名人気漫画を元に、2015年にミュージカル化された『デスノート THE MUSICAL』。全キャストを一新する今回、ヒロイン・弥海砂役に抜てきされたのは気鋭の女優・吉柳咲良だ。これまでミュージカル『ピーターパン』や、声優を務めたアニメ映画「天気の子」でフレッシュな少年役を演じ当たり役としてきた吉柳。「これまでとは違う役で大きな挑戦」と語る彼女が目指す弥海砂像とは?
ーー両親を強盗に殺された暗い過去を持ちながら、アイドルのミサミサとして活躍する弥海砂役を演じられます。今考えている人物像を教えてください。
今回、オール新キャストで何もかもが新しくなりそうです。「デスノート」は海外でも愛されている有名なお話ですし、先輩の唯月ふうかさんが演じてきた弥海砂役を演じられることがすごくうれしいです。私にとって大きな挑戦になりますが、先入観を持たずに稽古に挑めたらいいなと思っています。
海砂はすごく真っ直ぐな子なんです。悲しい過去や自身との葛藤を抱えていながらも、自分の気持ちにはとにかく真っ直ぐ。両親を殺した犯人を殺めてくれた(夜神)月に感謝していて、好きになって。月のことが好きだから自分の命を削っても守る。月と一緒にキラ二号として世界を変えて行こうとするわけですが、全ては月のためなんです。ここまで純粋に人を愛するって、一体どういうことなんだろうって考えさせられます。アイドルとしての海砂は明るくみんなを笑顔にするような存在ですが、明るさと闇深さの塩梅が難しいなと思います。
吉柳咲良
ーー今回どんなところが挑戦だと感じていますか?
今まで私が演じた役は、どこか自分に似ているところが多かったんです。私自身女の子らしいというよりはボーイッシュなタイプで、私服ではスカートも履かないくらい。その点、ピーターパンや「天気の子」で声優をした凪は男の子の役だったので自然と役に入りやすかったです。映画「初恋ロスタイム」(19年)では女の子の役でしたが、やっぱり私と似ている部分が多くて。だけど、海砂はすごく女の子らしくて普段の私とは正反対のタイプだから、今までよりも役を掴むのが難しいだろうなと思います。だからこそ色々な方向から海砂を見つめて、栗山さんとたくさんお話しして考えていきたいです。月に対する思いやレムとの関係など、深めていきたいです。
歌も大きな挑戦です。『ピーターパン』はとにかく明るい曲が多かったんですが、『デスノート THE MUSICAL』で海砂が歌う曲は、曲調も込められているメッセージも幅広いんです。今は歌唱指導の先生から「歌詞をセリフのように。歌だけど歌にならないでほしい」と言われていて。改めてミュージカルの難しさを実感しています。特に最後に歌う「命の価値」は色々な感情がギュッと詰まった曲。全てを出し切りたいです。
吉柳咲良
ーーこれからの稽古に向けて楽しみなことは?
台本をいただいたら、まずは何度も読もうと決めています。台本の中にヒントが隠されていると思うので。稽古ではセリフや行動にどんな思いが込められているのか考えて、栗山さんと相談していきたいです。自分が海砂だったら? と考えるには、元のキャラクターの芯になる部分を掴まないといけないと思うので、原作も読み直したいです。
ーー吉柳さんご自身は、『デスノート THE MUSICAL』をご覧になって海砂にどんな魅力を感じましたか?
2017年の再演前に行われたコンサートで初めて『デスノート THE MUSICAL』という作品に触れました。ふうかさんの演じる海砂がとにかくキラキラしていて、みんなに愛される可愛い海砂そのものだったんです。私がこれから研究したいのは、海砂のアイドルとしての“陽”の部分よりも、抱えているものの大きさや、執念や執着心などの“闇”の部分。その“闇”を深めるほど『デスノート』の物語の中で海砂の重要さが見えてくると思うし、海砂の死神・レムの気持ちも大きく動くんじゃないかなと思っています。
もちろんアイドルとしての海砂も大好きです。闇を抱えながらもキラキラ歌って踊って一人で舞台に立つ姿がかっこいいし、たくましいです。海砂にとって、心に闇を抱えた弥海砂と、アイドルのミサミサは別人格なんじゃないかなとも思います。その二面性を演じていけたら。初めて観た時に一番印象に残ったのは最後のシーンで、海砂が灰を落としている姿にゾクっとしました。海砂は記憶を消されたはずなのに……あの灰はレムなのかな……とか、色々考えてしまって。観劇後に正義とは? 悪とは? と考えて怖くなりましたし、不思議な感覚になりました。
吉柳咲良
ーー事務所の先輩であり、『ピーターパン』の先輩でもある唯月ふうかさんと、今回も同じ役を演じられますね。
そうですね。ふうかさんは、弥海砂という役はすごくエネルギーを使うと仰っていました。「大変だけど『デスノート THE MUSICAL』でしか味わえない緊張感があるから、『ピーターパン』とは全く違う新しい発見がたくさんあって楽しいと思うよ。頑張ってね!」と言っていただいて。今回、ふうかさんの海砂とはまた違う感じになるんじゃないかなと思っているんですけど、私なりに100%考え抜いて不思議な魅力のある海砂だなって思ってもらえたら嬉しいです。
ーー最後に読者にメッセージをお願いします。
「デスノート」は、世界中で愛されている有名なお話だと思います。ただ、その深い部分までを音楽と芝居を通して表現したミュージカルは劇場でしか観られないもの。ショーアップされた海砂のライブシーンでは実際にライブに行ったような感覚になったり、デスノートによって人が死んでいく様子からは恐怖を感じたり、色々な感情が一気に押し寄せてくるはず。人間味溢れる登場人物が多いので、きっと誰か一人は共感できるキャラクターがいるところも面白いです。月がやっていることは一種の連続殺人だけど、月自身にある正義感からやっていることで。本当の悪や正義ってなんだろうって一緒に考えていただける作品なんじゃないかなって思っています。
吉柳咲良
取材・文=永瀬夏海 撮影=山本 れお
公演情報
■公演日程:2020年1月20日(月)~2月9日(日)
※静岡、大阪、福岡公演あり
■会場:東京建物 Brillia HALL (豊島区立芸術文化劇場)
2月26日に発表された新型コロナウイルス感染症対策本部での首相の要請に従い、
感染拡大防止の観点から、以下の梅田芸術劇場主催公演を中止とすることを決定いたしました。
公演を心待ちにしてくださっていた皆さまには、多大なるご迷惑をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。
新型コロナウイルス感染症に対し、博多座では公演を続けるため衛生対策を重ねてまいりましたが、2月26日の政府見解を受け、感染拡大を防ぐため、苦渋の決断ではございましたが、公演を中止させていただきます。
公演を楽しみにお待ち頂いているお客様には、大変申し訳ございませんが、何卒ご理解賜りますようお願いします。
■料金:S席:13,500円 A席:9,000円 B席:6,000円(全席指定・税込)
※未就学児入場不可
※本公演の
★U-25:6,500円(※25歳以下対象・当日引換・要証明書)、B席:6,000円は、
12月21日(土)10:00~販売いたします。
■音楽:フランク・ワイルドホーン
■演出:栗山民也
■作詞:ジャック・マーフィー
■脚本:アイヴァン・メンチェル
■翻訳:徐賀世子
■訳詞:高橋亜子
■キャスト:
村井良大 甲斐翔真 髙橋颯
吉柳咲良 西田ひらり
パク・ヘナ 横田栄司 今井清隆
川口竜也 小原悠輝 金子大介 鎌田誠樹 上條駿 長尾哲平 廣瀬真平 藤田宏樹 本多釈人 松谷嵐 渡辺崇人
石丸椎菜 大内唯 コリ伽路 華花 浜平奈津美 妃白ゆあ 町屋美咲 湊陽奈 森莉那
■主催:日本テレビ ホリプロ
■後援:TOKYO FM WOWOW
■企画制作:ホリプロ
■作品HP:https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2020/
■公式SNSアカウント Twitter/Instagram:@dnmusical
放送情報
■放送日・時間・放送局:
2019年12月25日(水)24:00-24:30 BS日テレ
2020年1月3日(金)深夜 日本テレビ「東京暇人 デスノートTHE MUSICAL」スペシャル
2020年1月7日(火)27:29-27:59 日本テレビ
2020年1月11日(土)16:30-17:00 BS日テレ
夜神月役(Wキャスト)のオリジナルキャスト浦井健治×新キャスト甲斐翔真による対談
【第3回・第4回】※12月21日、28日放送予定
夜神月役(Wキャスト)のオリジナルキャスト柿澤勇人×新キャスト村井良大による対談
※第5回以降もスペシャル対談が放送予定
「JFN PARK」 URLはこちら
https://park.gsj.mobi/program/show/47789
『デスノート THE MUSICAL 楽屋ノート –特別編-』