本田礼生・加藤良輔・高橋駿一クロストーク~THE CONVOY SHOWが贈るクリスマスの物語『ONE!』再演へ
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左から 高橋駿一、本田礼生、加藤良輔
2019年12月14日(土)〜16日(月)にTBS赤坂ACTシアター(東京)、その後12月28日(土)~29日(日)に御園座(愛知)にてTHE CONVOY SHOW vol.38『ONE!』が上演される。『ONE!』は、テレビ番組を作る制作会社を舞台にした物語で、年末のクリスマス特別番組『カモーン!サンタ!!』に少女から一通の手紙が届くところから始まる。昨年2018年に初演され好評を博した本作に、THE CONVOY SHOW若手チームを牽引する本田礼生と加藤良輔が再び挑む。前作『星屑バンプ』(19年)でお披露目され、本作より本格的に参加する高橋駿一を交え、『ONE!』再演への意気込みを語り合った。
――『ONE!』の再演が決まって心境はいかがですか?
本田:僕と良輔さんは前回に引き続きの出演になります。2017年〜18年は、『asiapan』と『星屑バンプ』を交互に上演していて、去年の『ONE!』(18年)は久しぶりの新作だったので、すごく新鮮だったんです。その作品にまた出演できるというのは幸せなことですね。
加藤:『ONE!』(18年)の初演はそこまで公演数が多くなかったので、また上演できてうれしいです。クリスマス時期にクリスマスの物語をお届けできるのもうれしいですね。前回より少しでも成長した姿をお見せしたいなって思っています。
加藤良輔
高橋:僕は前回の『星屑バンプ』(19年)に少しだけ出させてもらったんですけど、本格的にTHE CONVOY SHOWに出演するのは今回が初めてで。実はTHE CONVOY SHOWのオーディションを受けるきっかけになったのが『ONE!』だったんです。昨年この作品を見て、この人たちと一緒にやってみたいっていう気持ちが強くなったので、今回自分が出演できて光栄に思っています。今はプレッシャーや不安が大きいんですけど……みなさんの背中を追いかけて少しでも新しい風を送れるように頑張りたいです。
本田:頼もしい!
――本田さんはTHE CONVOY SHOW若手チームの中ではもうベテランでは?
本田:いやいや、そんなことないです。THE CONVOY SHOWを何度か経験させてもらいましたが、そんな気持ちは全くないです。良輔さんも、高橋さんもキャリアはありますし先輩ですし。始まったらみんな同じスタートラインに立って、みんなで作っていくのがTHE CONVOY SHOWだと思いますし。
加藤:ねずみさんはよく「セッションしよう」って言ってくださるんですよ。先輩たちのお芝居はもちろん、日常の過ごし方や考え方まで見習いたいことばかりだけど、そんな方々が同じ目線に立ってくれることがすごくうれしくて、勉強になることが多いんです。「セッション」は気付きの瞬間がたくさんあります!
本田:良輔さんがおっしゃったように、THE CONVOY SHOWの素敵なところは、技術面で刺激を受けることだけではなくて。移動の時もみんなで一緒に食事をして、お話をたくさんする中で学ぶことが多いんです。携帯電話もSNSもない、
本田礼生
高橋:年齢の話ばかりするのもどうかな、とは思うんですけど、先輩方は僕らとは親子ほど年齢が離れているわけで。僕らが生まれる前から歩んできた歴史があるんですよね。その歴史ある団体に参加できることがうれしいです。僕も『星屑バンプ』の稽古場でねずみさんが「セッションしよう」っておっしゃっていたのがすごく印象に残っていて。これから稽古で厳しいことも言われると思うんですけど、とにかく楽しみです。
――改めて『ONE!』の魅力を教えてください。
本田:THE CONVOY SHOWってどの演目もテーマがしっかりとあるんです。『ONE!』のテーマを一言で言うと「理想のクリスマス」ですね。クリスマスらしいエンターテインメントって、実はそんなに見られる機会が多くないなと感じていて。この演目は最後「メリークリスマス!」って言って終わるくらいクリスマス一色なんですよ。ベテランと若手が一緒になって思いっきりクリスマスを叫んでいるのが、魅力なんじゃないかなって思います。
加藤:そうそう、みんなで一つになれるのがいいよね。ラグビーで「ワンチーム」という言葉が流行ってるけど、これもまさにそう。公演名も『ONE!』だし。
高橋:僕は前回お客さんとして観ていて、一つになるっていうテーマがスッと入ってきました。みなさんの一体感がすごくて、まさしく『ONE!』だなと。あと、THE CONVOY SHOWの、尋常じゃない熱量に驚きました。シリアスなシーンも笑える要素もあって、純粋にカッコよくて面白いと思ったんです。月並みな言葉なんですけど、最高のエンターテインメントです。
高橋駿一
――今回、高橋さんが本格的に参加されるのは初めてです。本田さんと加藤さんから、何かメッセージはありますか?
加藤:僕が入ったとき、もう礼生はいて。あの……僕は本当にやばかったよね。
本田:毎日ひどく落ち込んでいて、明日も芸能界にいてくださいね、って心配するくらいでした(笑)。
加藤:凹む、というレベルじゃなく落ち込んで。僕が初めて参加した『星屑バンプ』(18年)は再演だったので、事前に振付の動画をいただいていて。最初の稽古が思い出し稽古だったんですけど、頂いた動画を見ても、全く分からなかったんですよ。レベルが高すぎて、振付を見ても何が何だか分からなくて。訳が分からないまま稽古に行って、ねずみさんに「お前は一体何をしてきたんだ」って言われて。「すみません、動画は見たんですけど。ごめんなさい」しか言えなかった。
本田:良輔さんはお芝居が素晴らしいんです。THE CONVOYのみなさんが認めるくらい。ただ、あの時はねずみさんの言葉が良輔さんに刺さりすぎてしまって、肩を貸さないと歩けないくらいでした。今思い出すと笑えますけどね。
加藤:本当に。今は笑って話せるけど。稽古場でも朝から晩まで、礼生がつきっきりでいてくれて。
本田:いやいや、僕も最初はそんな感じでしたから。次の日も辞めずに来てくれてよかったですよ。
加藤:そうだね。
左から 高橋駿一、本田礼生、加藤良輔
本田:良輔さんも僕もずっとガムシャラにやってきましたよね。高橋さんは『星屑バンプ』の最後のナンバーで一緒にやっているので、そういう不安はないんじゃないかと思います。それよりも自分自身の心配をしないと!
加藤:本当に!(笑)
高橋:お二人とも優しいからこうやって言ってくれてますけど、僕もやばいと思うんですよね。振り付けの動画をいただいているので予習しないと……。みなさんジャズダンスもタップダンスもできるので、こっそり教えてもらおうかなと思っています。
――最後に、みなさんにとってTHE CONVOY SHOWとはどのようなものか教えてください。
本田:おこがましいかもしれませんが、一つのホームだと思っています。参加し始めたばかりの頃は「いやいや僕はまだ勉強させてもらっていて、引っ張り上げてもらっているだけなので……」と言っていたんですけど、最近はそれじゃ無責任だなって思うようになりました。ねずみさんも「今いるメンバーがTHE CONVOY SHOW」って仰ってくださっているので、僕も胸を張って頑張りますと言えるようになりたいと思っています。
加藤:常に目標ですね。僕は『asiapan』(17年)を観たのが、出たいと思ったきっかけで。入ってみたらレベルが高すぎて、全てにおいて自分を覆されてしまった。だから1ミリでも追いつきたいっていう気持ちで稽古場にいるんです。ずっと追いかけていたいと思えるカンパニーに出会えたことに今感謝しています。
高橋:理想の自分でしょうか。以前から自分に何が足りないんだろうってずっと考えていて、前回の『ONE!』を観た時にこれだって思ったんです。僕は舞台でダンスをやらせてもらうことが結構あったんですけど、子供の頃から習っていたわけでもないし、得意なジャンルがあるわけでもなくて。強いて言うならアクロバットは得意なんですけど。でもダンスの力が圧倒的に足りていないと思っていて。『ONE!』を観て、こんな風になりたいなって思ったんです。将来ここで同じようにステージに立てるようになったら、理想の自分に近づけるかもしれないって思ってオーディションを受けたので。理想の自分に近づける場所であると思っています。
左から 高橋駿一、本田礼生、加藤良輔
取材・文=永瀬夏海