アルディッティ弦楽四重奏団×小㞍健太 弦楽四重奏団とダンサーのコラボレーション公演が神奈川県立音楽堂で開催
-
ポスト -
シェア - 送る
(左から)アルディッティ弦楽四重奏団 小㞍健太 (C)青柳聡 (C)momoko japan
2019 年 11 月 30 日(土) 神奈川県立音楽堂において、音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ25『アルディッティ弦楽四重奏団×小㞍健太』が開催される。
アルディッティ弦楽四重奏団は、驚異的なテクニックで20世紀からの音楽を弾きこなすスーパー・カルテット。その強靭なパワーと音楽性にほれこんで、世界中の作曲家たちが彼らに新曲を献呈し、彼らはその初演を担ってきた。日本人作曲家とも親交が深く、今回は西村朗、細川俊夫という日本を代表する作曲家の作品(西村作品は今年 2 月に収録 CD をリリース。細川作品は今秋オープンした高崎芸術劇場の委嘱新作として本ツアーで世界初演)を披露している。
小㞍健太は、世界的ダンス・カンパニー、ネザーランド・ダンス・シアターで日本人男性初の入団を果たした。芸術監督だった振付家イリ・キリアンら世界のダンス界の巨匠が彼の才能を認め、多作の天才として知られるドイツ現代音楽の巨人、ウォルフガンク・リームの弦楽四重奏曲で2 曲に、振付け、生演奏とともに踊る。小㞍は今回の作品創作で、城崎国際アートセンターのアーティスト・イン・レジデンスとして、アルディッティ弦楽四重奏団とともにクリエーション。横浜と愛知だけで上演する貴重なプログラムとなる。
現代を代表する弦楽四重奏団とダンサーのコラボレーションによる生の舞台は、音響とモダニズム建築としての両面の美しさで知られ、今年リニューアルオープンして開館 65 周年を迎える神奈川県立音楽堂にふさわしい公演となりそうだ。
プログラム
西村朗:弦楽四重奏曲第 6 番〈朱雀〉
細川俊夫:パッサージュ(通り路〉弦楽四重奏のための(2019)(新作)
ウォルフガング・リーム:Gestue zu Vedova ~ヴェドヴァを讃えて *
ウォルフガング・リーム:弦楽四重奏曲第 3 番〈胸裡〉 *
*=小㞍健太(ダンス/振付)
アルディッティ弦楽四重奏団 Arditti Quartet
アルディッティ弦楽四重奏団 (C)青柳聡
1974 年にアーヴィン・アルディッティが創設し、活動を開始。1988 年に武満徹氏に招かれ初来日して以来、ほぼ定期的に来日ツアーを行なっている。2014年に創立 40 周年を迎え、現代作品そして 20 世紀初期の作品の深い解釈と卓抜した演奏は、世界各地に広く知られ、高い評価を確立している。この 40 余年の間に、数百もの弦楽四重奏曲がアルディッティ弦楽四重奏団のために作曲され、バートウィスル、ケージ、カーター、ディロン、ファーニホウ、グバイドゥーリナ、ハーヴェイ、細川、西村、カーゲル、クルターク、ラッヘンマンなどの作品を世界初演。日本人作曲家の作品も数多く録音・演奏。作曲家とともに作品の解釈を深めていく彼らの演奏を経て、それらの多くが今世紀の代表的なレパートリーとなっており、170 枚以上の CD をリリース。ベリオが亡くなる直前には、氏の弦楽四重奏曲を全曲録音したほか、1999 年にはエリオット・カーター作品集、2002 年にはハリソン・バートウィスルの CD でグラモフォン賞を受賞。1999 年にエルンスト・フォン・シーメンス賞など数々の賞を受賞。最近の日本での活動は、2012 年のケージ年では野村萬斎らと共演。結成 40 周年を迎えた 2014 年には、サントリーホールの「サマーフェスティバル 2014」ほか、水戸芸術館、「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル」に出演。2017 年来日ツアーでは西村朗作品世界初演、細川俊夫作品日本初演、白井剛(ダンス)との新作初演と各地で大成功を収め、NHK クラシック音楽館にて特集がオンエアされた。
小㞍健太(ダンサー/振付家)Kenta Kojiri, dancer/choreographer
小㞍健太 (C)momoko japan
1999 年ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロフェッショナル・スカラーシップ賞受賞後、モナコ公国モンテカルロバレエ団で研修生を経て 18 歳で入団。イリ・キリアンのスタイルに興味を持ち、ネザーランド・ダンス・シアター(NDT)に 2003 年より在籍し、キリアン、フォーサイス、エック、ナハリン、パイト、マクレゴー、エックマンなど世界的振付家の作品に出演。2010 年よりフリーランスとなり、『TOKI』(2011年、日中韓芸術祭 2013 招聘作品)、『TSURU』(2015年、アジアソサエティ&ヒューストンバレエ団共同制作)、『光のヴァイブレーション』(2016 年、NHK「クラシック倶楽部」収録)、『Study for Self/portrait』(2017 年、原美術館)などの創作活動をはじめ、サドラーズウェルズ劇場(イギリス)、キリアンプロダクション(オランダ)、スウェーデン王立バレエ団(スウェーデン)、新国立劇場(日本)、Noism(日本)、シルヴィ・ギエム「6000 Miles Away」世界ツアーなどに客演。またオペラやミュージカルの振付、フィギュアスケート日本代表選手の表現指導、昭和音楽大学非常勤講師、新国立劇場バレエ研修所講師など多岐にわたって活躍。近年は、渡辺レイ、湯浅永麻と Opto を主宰するほか、千葉市・ヒューストン市姉妹都市提携 45 周年記念バレエ公演の芸術監督および実行委員長、Dance Lab「ダンサー、言葉で踊る」のキュレーター、さいたまダンス・ラボラトリで講師/ナビゲーターを務める。