訃報 指揮者マリス・ヤンソンス氏 享年76

2019.12.2
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クラシック

マリス・ヤンソンス氏  ©Ackermann mah


世界最高峰の指揮者のひとり、マリス・ヤンソンス氏が、2019年12月1日にサンクトペテルブルグの自宅で死去したことを、バイエルン放送交響楽団が発表した。享年76。

指揮者アルヴィド・ヤンソンスの息子として生まれ、レニングラード音楽院で学んだ後、ハンス・スワロフスキー、ヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。1971年には、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団(現サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団)でムラヴィンスキーのアシスタントとなり、 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者(1979~2000年 )、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者(1992~1997年)、ピッツバーグ交響楽団の音楽監督(1997~2004年)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者(2004~2015)を歴任。

バイエルン放送交響楽団とは 、2003年の首席指揮者就任当初より厚い信頼関係で結ばれ、同楽団と合唱団を世界的最高の芸術水準をもつオーケストラへと導いた。また ベルリン・フィル、ウィーン・フィルとも定期的に共演し、ザルツブルグ音楽祭にも度々登場したほか、2016年のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートは3回目の出演となった。

日本には度々来日し、1986年にムラヴィンスキーの代役を務めたレニングラード・フィル ハーモニー交響楽団との公演で瞬く間に日本のクラシック・ファンの心を掴み、以後ヤンソンス氏が指揮台に立つたびに、その人間味溢れる演奏は聴衆の心を計り知れない充足感で満たしてきた。最後の日本公演は、2016年11月にバイエルン放送交響楽団とマーラー:交響曲第9番などを演奏、忘れがたい名演を残した。

心より、ご冥福をお祈りいたします。

(国内情報提供元:株式会社ジャパン・アーツ)