藤田俊太郎演出のミュージカル『VIOLET』、ロンドン公演を経て日本上陸 唯月ふうか、優河、白洲迅、吉原光夫ら全キャスト決定
(左から)唯月ふうか、優河、白洲迅、吉原光夫
梅田芸術劇場が、英国チャリングクロス劇場と共同で演劇作品を企画・制作・上演し、演出家と演出コンセプトはそのままに「英国キャスト版」と「日本キャスト版」を各国それぞれの劇場で上演する日英共同プロジェクト第一弾となった、ミュージカル『VIOLET』。
新進気鋭の演出家、藤田俊太郎が単身渡英し現地のキャスト・スタッフと作り上げたロンドン公演は、2019年1月から4月まで上演され、オフ・ウエストエンド・シアター・アワードで6部門にノミート。中でも日本人演出家の作品が栄誉ある「作品賞」候補に選ばれる快挙となった。そんな本作が、2020年4月に日本キャスト版として上演されることが決定した。
注目の日本版キャストは、主演のヴァイオレット役に、ミュージカル界で数々のヒロインを演じ確かな実力で注目を集めている唯月ふうかと、シンガーソングライターとしての活躍で抜群の歌唱力を誇り、俳優の石橋凌と原田美枝子を両親に持つサラブレッドの優河がミュージカル初挑戦。この可能性を秘めた二人がダブルキャストで、顔に大きな傷を負いながらも自らの人生を切り開く為バスの旅に出る主人公ヴァイオレットを演じる。
そして、ヴァイオレットが運命の出会いを果たす二人の男性、白人兵士モンティ役に、テレビドラマや映画でも幅広く活躍し存在感を発揮している白洲迅、黒人兵士フリック役には、演出家の藤田が厚い信頼を寄せる吉原光夫が物語の鍵を握る主要な役どころで登場。
ヴァイオレットの旅の目的となる、あらゆる傷を癒すという奇跡のテレビ伝道師役に原田優一、この旅で一番最初に出会いヴァイオレットの人生に大きな影響を与える南部出身で白人の老婦人役として島田歌穂が出演する。
日本に先駆けて上演されたロンドン公演では、演出プランを実現する為に、プロセニアムであったチャリングクロス劇場の大改修工事を行い、本公演の為に対面式舞台に作り替えをした。これにより、観客も一体となりヴァイオレットと共にバスの旅をする臨場感は公演を成功に導いた。ロンドン公演を経て、日本での上演方針を改めて検討した結果、ロンドンの対面式舞台と同様のステージを日本でも実現するという演出プランに決定。東京芸術劇場プレイハウスを舞台の四方を客席が囲むシアター・オン・ステージの形式をとり、上演する予定だ。
対面式舞台と両サイドのバルコニー席 チャリングクロス劇場より
また、当初、梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでの大阪公演を予定していたが、劇場の構造上、このシアター・オン・ステージの実現が不可能であることがわかったとのこと。演出プランを変更しての上演は、本企画の趣旨から考えても最適ではないと判断し、予定していた大阪公演は取りやめ、東京公演のみの上演となることになった。
個性豊かなキャスト陣が顔を揃え、藤田俊太郎がロンドンの経験を経て挑む日本版『VIOLET』。東京公演のみの上演となるが、どんな舞台になるのか期待が高まるばかりだ。
1964年、アメリカ南部の片田舎。幼い頃、父親による不慮の事故で顔に大きな傷を負ったヴァイオレットは、25歳の今まで人目を避けて暮らしていた。しかし今日、彼女は決意の表情でバス停にいる。あらゆる傷を癒す奇跡のテレビ伝道師に会う為に。西へ1500キロ、願いを胸に人生初の旅が始まる。
長距離バスの旅でヴァイオレットを待ち受けていたのは、様々な人と多様な価値観との出会いだった。ヴァイオレッ
トの顔を見た途端目を背ける人々。一番最初の出会いとなった南部出身で白人の老婦人。運命的な出会いを果たす白人兵士モンティと黒人兵士フリックの対象的な二人の男性。思いがけない正体を現したテレビ伝道師。追憶の中にあらわれる父親。これらの出会いによりヴァイオレットの中で何かが少しずつ変化しはじめる。
長い旅の先に彼女が辿り着いたのは―
公演情報
会場:東京芸術劇場プレイハウス
音楽:ジニーン・テソーリ(『ファン・ホーム』2015年トニー賞最優秀オリジナル楽曲賞)
脚本・歌詞:ブライアン・クロウリー
原作:ドリス・ベッツ『The Ugliest Pilgrim』
spi 横田龍儀 森山大輔 エリアンナ 谷口ゆうな 稲田ほのか/モリス・ソフィア(Wキャスト)
原田優一 島田歌穂
一般発売:2月1日(土)
企画・制作・主催:梅田芸術劇場