あいみょん 飛躍の2019年を終えネクストステージへ、初めての横浜アリーナ2days・2日目公演レポート
あいみょん 撮影=永峰拓也
AIMYON TOUR 2019-SIXTH SENSE STORY-
2019.12.18(WED)横浜アリーナ
12月18日水曜日、横浜アリーナであいみょんを観た。『AIMYON TOUR 2019-SIXTH SENSE STORY-』の、この日は22本目。彼女にとって初めての横浜アリーナ2Days公演の2日目で、追加公演を除けば名目上のツアーファイナル。はソールドアウト、若くキラキラした目でステージを見つめる男女で、ぎっしり埋まった客席が壮観だ。
あいみょん 撮影=永峰拓也
ステージ前に下ろされた幕がゆっくりと上がり、ミラーボールのまばゆい光があふれ出すと同時に、4人編成のバンドを従えたあいみょんが歌いだす、ドラマチックなオープニング。力強いバンド演奏に支えられ、アコースティックギターをかき鳴らして歌うあいみょん。サビの歌詞が飛んで「あー間違えちゃった!」と叫ぶあいみょん。「ふたりの世界」の、きわどい歌詞を観客全員に歌わせるあいみょん。その一挙手一投足に歓声と嬌声が沸く、客席の熱気が凄い。
あいみょん 撮影=永峰拓也
明るさいっぱいの序盤から、ぐっとダークに引き締まったセクションへ。ファンキーな演奏がかっこいい「愛を伝えたいだとか」など、陰影をつけた表現でぐいぐい観客を引き込んでゆく。「二人だけの国」では最小限のスポットライトを使うだけで、スクリーンに歌詞を映し出す演出が劇的にハマった。それにしても「ナンマイダ」って凄い歌詞だ。アコギをかき鳴らしてひたすらに歌う、ただそれだけで観客を引き付ける確かな吸引力。
あいみょん 撮影=永峰拓也
「今日はめちゃめちゃ楽しみにしてきました。喉がつぶれてもいいくらい、出し切ります。ついてきてくれたら嬉しいです」
この日初めてのMCは、みんなに語り掛けるように自然体で。ひっきりなしに飛び交う歓声を拾いながら、「“かわいい”、”かっこいい”は聞き取れます」とおどける。なんだろう、この親近感は。「ひかりもの」は、柔らかい暖色のライトに包まれて、優しく語るような歌を聞かせてくれた。昔懐かしい、字余りフォークソングの香りがする歌詞とメロディ。若い世代には特に新鮮に響くだろう。
あいみょん 撮影=永峰拓也
中盤には、あいみょん一人のアコースティックセクションが設けられた。暗い照明、鋭いピンスポット、激しい歌、優しい歌。ハーモニカホルダーをつけて歌った「tower of the sun」は、誰に馬鹿にされても夢を叶えようとする若い心の叫びの歌。ストレートな歌詞は、今のあいみょんが歌うからこそ説得力がある。
あいみょん 撮影=鈴木友莉
「あいみょんのライブ、こんな感じですけど、どうでしょうか」
2度目のMC、「まさか横浜アリーナに立てる日が来るとは」と、本音を語る。頼りになるバンドメンバーを紹介し、「仲いいんです」と胸を張る。ツアー中に台風の影響で8時間かけて電車で北海道に渡ったり、新潟へ向かう新幹線の中でキャリーバッグを取り違えられて大騒ぎになったり、エピソードを楽しそうに語る。なんだろう、この親近感は。18歳の時に作ったという「おっぱい」の、思春期の娘心を歌う歌詞も等身大そのもの。みんな、話を聞くように歌を聴いてる。
あいみょん 撮影=鈴木友莉
ライブの折り返しは、ガツン!とロックなセクションで派手ににぎやかに。「夢追いベンガル」は、二番からギターを外してハンドマイクを握り、ステージを走り抜けて右へ左で、客席のすぐそばまで迫るパフォーマンスにみんな大喜び。「貴方解剖純愛歌~死ね~」ではさらにスピードアップ、全員手拍子と掛け声で盛り上がる。そして誰もが聴きたかった「マリーゴールド」は、派手さよりもむしろさりげなく、じっくりと歌を聴かせることに徹する。センター、アリーナ、スタンドの全員が手を振るシーンが、とても美しく目に焼き付く。
あいみょん 撮影=永峰拓也
3度目のMCは、これまで以上に長く親密に。客席からの「一番好きな曲は?」という声には、「私の? 全部好きやわー」。「来年の目標は?」という声には、「粗大ゴミ出すこと!」。「足のサイズは?」「25.5!」って、そこまで答える? あいみょんのファンは面白い。
あいみょん 撮影=鈴木友莉
「今は音楽がめちゃめちゃ楽しい。みんなのおかげです。このツアーは感謝のツアーです。ありがとう」
一番新しい曲を――と言って歌ったのは、同名映画のタイトル曲「空の青さを知る人よ」。深く青いライトが広いアリーナを美しく染め上げると、ライブはいよいよクライマックスだ。「君はロックを聴かない」の、アリーナいっぱいのサビの大合唱を、マイクから離れてじっと聴き入るあいみょん。全ての灯りがともされ、明るい光の下での多幸感あふれる「GOOD NIGHT BABY」を、全力で歌いきる。終演の挨拶を済ませ、客席のぎりぎりまで乗り出して、“ヘタクソなピック投げ”に挑戦し、失敗して笑うあいみょん。みんなが笑う、幸せなエンディング。
あいみょん 撮影=鈴木友莉
去り際の最後のセリフは、「またここに帰ってこられるように頑張ります」だった。飛躍の2019年を終え、ネクストステージへ。2020年のあいみょんが何を目指すのか、今は楽しみしかない、
取材・文=宮本英夫
撮影=永峰拓也、鈴木友莉
あいみょん 撮影=鈴木友莉
リリース情報
AIMYON BUDOKAN -1995-