バーチャルシンガー・VTuber「AZKi」史上最大規模の4thワンマンライブをレポート
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2019年9月に古巣秋葉原エンタスでの最後のワンマンライブを行い、 11月に初のフルアルバム『without U』をリリース、 1年間で怒涛の展開を見せてきたのAZKiが2019年最後となる4thワンマンライブ『REPEAT THiS LiFE WiTH U』を、2019年12月29日(日)18:00より、池袋harevutaiで開催した。
秋葉原エンタスをホームグラウンドとし、 過去3回ワンマンライブを開催してきたAZKiが、 今回初の池袋harevutaiでワンマンライブを開催することになったのは、 彼女の成長の象徴でもあり、 新たな世界を開拓者(※AZKiのファンの愛称)へと提示する「開拓」への線上でもある。 今回は、 2020年へと繋がる新たな開拓地となった4thワンマンライブ『REPEAT THiS LiFE WiTH U』のレポートをお届けする。
開演すると池袋harevutaiの巨大スクリーンにAZKiのシルエットが姿を現す。 この深淵から姿を覗かせたようなOvetureから「コトノハ」でライブがスタート。 爽快なロックチューンが満員のharevutai内を轟かした。
これまでAZKiはAZKi WHiTE(ポップ、 バラード)、 AZKi BLaCK(ロック)という2つの顔を見せてきたが、 初のフルアルバム『without U』に収録された『コトノハ』はBLaCKに分類されるロックナンバーだ。 同じくアルバム収録曲『虹を駆け抜けて』、 AZKi BLaCKの人気ナンバー「ひかりのまち」を披露し、 「みんなで!!」「ひかりのまちへ!!!」の掛け合いが会場全体に鳴り響いた。
「秋葉原エンタスで生まれて育ったんですけども。 」最初のMCでAZKiから放たれた言葉は、 過去3回ワンマンライブを行った秋葉原エンタスへの思いだった。 エンタスで見る景色とharevutaiで見る景色の違いに感動しながら、 「今回AZKiのライブ初めてという人もたくさんいると思うんですが、 楽しんでもらいたいです!」と初参戦となった開拓者に向けて、 少し緊張した様子で最初のMCが終了した。
ここからのステージングは、 AZKiの新たな一面が見えたと言っても過言ではないだろう。 『Reflection』は今までAZKiの楽曲にはなかったダンスナンバーで、 会場全体が一斉に飛び上がった。 続いて「Starry Regrets」でしっとりしたAZKiの感情のこもったバラード曲が急に始まり、 そのまま「Midnight Song」で再びゆったりとしたダンスミュージックがMVを背景に披露された。
コミケの話で盛り上がったMCの後には新曲「猫ならばいける」が披露された。 1st Pioneer
続いてはAZKiの親友ときのそらのオリジナル楽曲である「フレーフレーLOVE」、 ホロライブ全体曲「Shiny Smily Story」を披露した。 ただでさえ楽曲の弾数の多いAZKiだが、 ここで「フレーフレーLOVE」は絶対予想できないサプライズだった。 2020年1月24日に開催されるホロライブ全体ライブ「hololive 1st Fes. 『ノンストップ・ストーリー』」に向けた思いもあるのだろうが、 個人的にはAZKiの“アイドルっぽさ”という新たな一面をこのワンマンライブで垣間見えたことに意味を感じた。続いてはまたまた新曲「Eternity Bright」を披露。 重低音が鳴り響き、 また新たなAZKiを見ることができた。 この日どれだけ開拓していくのか、 ここまで振り幅のあるライブができるバーチャルシンガーはAZKiぐらいだろう。 持ち前の楽曲のバリエーション、 それに留まらず新たなジャンルに挑戦していく柔軟性と対応力はさすがだ。
MCでAZKiが「AZKiって存在は一体なんだ?」という疑問を投げかけた。 バーチャル世界の魂という概念について、 AZKiはこれまでずっと考えてきた印象がある。 AZKiの良さは、 良いことも悪いことも全てを受け止めようとする姿勢だろう。 楽観的であり、 悲観的なのだ。 WHiTE、 BLaCKのルーツがまさにこれで、 いい意味で常に光と闇に囚われている。
常にリアル世界の我々と同じ視点で魂について考えられるAZKiだからこその楽曲「光」「世界は巡り、 やがて君のものになる」「いのち Acoustic ver」が連続で披露された。 ライブではBLaCKのようなロックナンバーが盛り上がるのは確かだが、 こういうソウルフルなナンバーがAZKiのライブの真骨頂だろう。 伝えていくのではなく訴えかけるパフォーマンスこそがまさにAZKiのライブなのだ。
ここからは「のんびりと、 」「リアルメランコリー」とポップチューンが展開された。 ハッピーな雰囲気に覆われた会場に、 AZKiの可愛らしく優しい歌声が鳴り響く。 SNS文化に対するアンチテーゼのような「リアルメランコリー」は、 可愛いらしさだけではないメッセージ性が強く込められた楽曲、 ここで1st衣装を身にまとったAZKiの登場に会場は歓声をあげる。
「まだまだ声上げていけますか?」からの「自己アレルギー」「嘘嘘嘘嘘」「Fake.Fake.Fake」とアッパーチューンが畳み掛ける。 「ラストスパートです!」のAZKiの言葉通り、 終演に向けたラストスパートの展開に、 会場には大きな声援が飛び交った。
アンコール前の最後は「一緒にライブを作ってくれてありがとうございました」と、 開拓者と共に作り上げたライブだと語り「from A to Z」「ちいさな心が決めたこと」を披露。 最後らしくAZKiと開拓者とのシンガロングがharevutaiに鳴り響いた。 ここまで20曲を歌い上げたAZKiに疲れは感じない。 アンコールを残しAZKiの2019年最後のラストスパートが始まろうとしていた。
アンコール1発目は「without U」を披露。 レペゼンエンタスで披露し、 アルバムの命題にもなった本楽曲。 「わからないから歌うんだよ!」と感情のこもった叫びが鳴り響いた。 続いて披露した「フロンティアローカス」では会場全体で手拍子が鳴り響き、 AZKiも手を大きく振ってシンクロしていたのが印象的だった。
この日最後のMCでは、 「開拓者のみんなに手紙を書いてきたんで読みます。 」と2019年まで共に歩んできた開拓者へ向けた手紙が読まれた。 これまでの活動を振り返りながら、 一緒に盛り上げて、 一緒に時間を過ごしてきた開拓者への感謝の気持ちを言葉に詰まらせながら思いを綴り、 最後にサプライズでマネージャーであるツラニミズ氏への手紙も読まれた。
AZKiの活動はAZKiを中心とし、 ツラニミズ氏、 そして開拓者によるトライアングルな関係が特徴的だろう。 「こんなに開拓者のみんながついてきてくれています。 それにたくさんのエンジニアやスタッフさん、 みんなもたくさんいます。 これって本当にすごいことじゃないですか?」そう泣きながら手紙を読むAZKi。 これまでの怒涛の活動に、 すごいことが当たり前になっているが、 秋葉原エンタスから始まったAZKiのストーリーは今や400人を超える開拓者が池袋harevutaiを埋め尽くしている。 改めて自分を見つめ直して周りに感謝を伝えるAZKiの言葉に心を打たれた。
「AZKiはこの曲から始まりました。 」最後に歌われたのはもちろん初のオリジナル楽曲である「Creating world」だ。 サビを会場全体で歌い上げる光景は、 この日何度も見られたエモーショナルな光景を凌駕していた。
この日はVJのScreenSaver、 osirasekita両名が大画面に映し出したエフェクトが最高のライブを演出していた。 同じような演出は一切なく、 曲ごとにイメージ通りの演出がパフォーマンスを彩っていた。 最高のチームを提げて2019年の最後に間違いなく最高を更新したAZKi。 2020年には一体どんな世界を開拓してくれるのだろうか。 どんな楽曲で、 どんなライブで開拓者を導いてくれるのか。 同日にはOFFiCiAL HP、 FANBOX『FRONTLiNE』開設、 そして3月・5月の開拓地(※ライブ開催)も明らかになり、 2020年もAZKiから目が離せない。
取材・文・編集/森山ド・ロ ( https://twitter.com/doro0157 )
写真/ayo kajino ( https://twitter.com/ayokajino )
公演データ(公演は終了)
■場所:池袋harevutai / 東京都豊島区東池袋1-19 東京建物 Brillia HALL 1F
■公式サイト:https://toppamedia.com/news-2019-9-azki-repeat-this-life-with-u-without-u-information/
■セットリスト:
1.Overture
2.コトノハ
3.虹を駆け抜けて
4.ひかりのまち
5.Reflection
6.Starry Regrets
7.Midnight Song
8.猫ならばいける
9.フレーフレーLOVE
10.Shiny Smily Story
11.Eternity Bright
12.光
13.世界は巡り、 やがて君のものになる
14.いのち Acoustic ver
15.のんびりと、
16.リアルメランコリー
17.自己アレルギー
18.嘘嘘嘘嘘
19.Fake.Fake.Fake
20.from A to Z
21.ちいさな心が決めたこと
EN1.without U
EN2.フロンティアローカス
EN3.Creating world