【『RIZIN.21』見所コラム 前篇】朝倉未来、年末から連続出場!メキシコの刺客を迎え撃つ!
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RIZIN、2020年の戦い始めとなる第1弾大会が2月22日(土)、浜松アリーナ大会に決定した(「RIZIN.21」)。2015年末の旗揚げ以来、新年第1戦は春となるのが通常であったが、今年は一足早い幕開けとなる。
去る1月24日、会見で一挙12試合が発表となったが、よもやのスペシャルワンマッチが含まれていた。大晦日に続く朝倉未来の連続出場である。
<スペシャルワンマッチ>
▼RIZIN MMAルール : 5分 3R(68.0kg)※肘あり
朝倉未来 vs. ダニエル・サラス
■“路上の伝説”朝倉未来
少年時代に相撲と極真空手を経験した未来は、中学・高校時代は一転喧嘩に明け暮れる日々を送り、数多くの逸話を残す。しかし格闘家を志し、地元・豊橋で禅道会に入門。現在も見せる卓越した分析力を活かし、動画でUFCの試合を研究するなどして弟の海とともに瞬く間に腕を上げていく。
デビューは今回と同じ浜松で行われた2012年のDEEP CAGE IMPACT。ここで1R53秒でのKO勝利を飾ると、翌13年からはTHE OUTSIDERへ参戦し、65-70㎏級、60-65㎏級と2階級のベルトを獲得する。
17年3月には韓国ROAD FCに出場し、ボクシング元WBOアジア太平洋ライト級王者オ・ドゥソクを打撃で上回ってTKO勝ち、そして18年4月に日本のDEEPで判定勝利と、格闘家として着実にステップアップを果たしていく。
■RIZIN参戦から無傷の6連勝
そして18年8月から遂にRIZIN参戦を開始。地元・愛知の名古屋大会でSRC(戦極)・修斗・TKO(カナダ)と3団体で王者になった日沖発と対戦する。戦前は不利を予想された未来であったが、この実力者を左ハイで倒して初回TKO勝ち。
続いて9月にカザフスタンのカルシャガ・ダウトベック、年末には元修斗王者のリオン武と連破し3連勝でRIZINデビューイヤーを乗り切ったが、これはブレイクを果たす19年の序奏に過ぎなかった。
昨年の第1戦(4月)では、RIZIN中量級のエースを期待された矢地祐介をKOし無敗であったルイス・グスタボに判定勝ち。グスタボに初黒星を与えた。
そして7月には戦前から激しくやり取りを繰り広げた矢地との決戦に臨み、体格面で不利があったが終了間際にダウンを奪って判定勝ち。翌月には弟・海がRIZIN王者の堀口恭司をノックアウトし、いよいよ朝倉兄弟はRIZINの中心選手となってくる。
年末には米ベラトールとの対抗戦に大将として出場しジョン・マカパと対戦。「もらったのは1発だけ」とマカパの強打を空転させ、テイクダウンも重い腰を発揮してグラウンドへ持ち込ませず、“完封”というべき判定勝利を果たした。これでRIZINデビューから1年4ヵ月、連勝は6となり、未来は18年に続き19年も無敗で戦いを終えた。
■2020年4試合出場宣言
またリングだけでなく昨年5月にYouTubeを開始するとヒット動画を次々と量産し、格闘技界を超えた注目YouTuberに。2020年2月はじめの時点ですでにチャンネル登録者数は80万人を突破しており、開設1年以内の登録者数100万人を目指しているが達成はほぼ確実と見られている。
自身の行動原理を「自由になるため」と語り、すでに格闘技にとどまらない成功を納めている未来は今年は年間2試合の計画と語っており、次戦はしばらく見られないと思われていたが、自らの言葉を覆して浜松大会の出場を決意。1月24日の会見では「僕も格闘技人生あとどれくらい続くか分からないので、今年は勝負の年じゃないですけど、4試合ぐらいやって、強い奴ともガンガンやって証明していきたいので、今年は格闘技に懸けるような1年にしようかなと思います」と、“本業”である格闘技に力を強めると表明した。
■“メキシコの刺客”ダニエル・サラス来襲
そんな未来の相手ダニエル・サラスはメキシコ出身の31歳で、「El Cazador(スペイン語で「ハンター」)」の異名を持つファイター。打撃主体で左右に構えをスイッチし、戦績は23戦16勝6敗1分。絶頂期には12連勝を飾り、その勝利も5つのKO/TKO勝ちにオール一本と決定力を見せている。身長は178㎝と177㎝の未来とほぼ同等で、フェザー級が適正の未来より1階級上のライト級で戦っている。
メキシコから参戦のサラスは「対戦相手はRIZINのポスターボーイだが自分の真の相手は自分自身だと思っている。与えられたチャンスを絶対にモノにして、メキシコ人ファイターと日本のパイプを確固たるものにしたいと思っている」と、メキシコとRIZINに新たな道を切り開くべくやる気を見せる。
そして「勝負の運は常に神の導きによるものなので必ず勝つとは言わないが、アサクラは私の執念とメキシコ人のファイティングスピリッツを痛感することになるだろう」と不気味な予告を寄せている。
これに対し未来は「対戦相手の試合を1~2分見て、いい選手だなと思いました。浜松は地元(豊橋)に近くて、普段東京とかだと遠くて来られないような地元のファンに 会場で緊張感と迫力を実際に体感してもらいたくて出ることにしました。相手は誰にせよ、盛り上げる試合をして僕が勝とうと思います」とコメント。メインと見られる一戦でRIZIN7連勝を約束した。
大晦日の地上波放送では未来の試合が瞬間最高視聴率を獲得。YouTubeの登録者数も100万人目前と“路上の伝説”をさらに発展させている未来だが、サラスを一蹴し今年の好スタートを切ることができるか期待が集まる。