すとぷり　大きな困難に負けず、大舞台への挑戦も発表した初の“無観客ライブ”をレポート

すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねる
2020.3.21　東京・Zepp DiverCity

インターネットでの動画配信を軸に、音源制作、ライブと幅広く快進撃を続ける6人組エンターテインメントユニットのすとぷり。本来なら、3月21日に満員の愛知・ナゴヤドームで『すとろべりーめもりー Vol.Next!!』を開催するはずだったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から公演延期に。しかし、そこで諦めないのがすとぷりだ。常にリスナーのことを第一に考えて活動を続ける彼らは、3月21日に東京・Zepp DiverCityにて自身初のYouTube無観客生配信ライブ『すとろべりーめもりー in すとぷりちゃんねる』を敢行した。

ステージ脇からだろうか、メンバー全員による元気な気合い入れの声が聴こえてくるという、無観客ライブならではの現象から間もなく、ドラマティックなオープニング映像に続き、「Next Stage!!」からライブはスタート。1月にリリースした2ndフルアルバム『すとろべりーねくすとっ！』に収録の、るぅとが作曲に参加、ななもり。が作詞した、“新時代の挑戦者”としての決意を込めた力強いナンバーだ。頼れるリーダー・ななもり。、最強エンターテイナー・ジェル、王道イケボなさとみ、さわやかボイスなころん、あざとかわいい莉犬、キューティーアーティスト・るぅとと、紗幕の向こうで順繰り歌をつないでいけば、スマホやパソコン画面の向こうにいるリスナーも絶対に高まってしまう。＜Are you ready? ＞という呼びかけからの「GO GO CRAZY」は、一転して挑発的なダンスチューン。そのコントラストも、すとぷりらしさだ。

MCでは、ナゴヤドームで使う予定だった大きなスクリーンにリスナーが書き込むコメントが絶え間なく流れていく様子を目の当たりにして、興奮気味な6人。また、「こういう機会がなかったら生配信ライブはやっていなかったかもしれないし……ある意味運命だったのかも」「うっかり顔が映っちゃったり、豪快にズッコケちゃったりしても（笑）、そういうところも含めみんなと楽しんでいきたい！」と言うななもり。はじめ、メンバーはあくまでポジティブだ。ナゴヤドームのキャパシティを遙かに超える24万人（！）もがこのライブを視聴していたことを考えても、人間万事塞翁が馬、である。
幻想的な「Aqua Kiss」に続いての「僕らだけのシャングリラ」では紗幕が落とされ、艶っぽい歌声を響かせながら展開目まぐるしいフォーメーションダンスでも魅せる6人。

さらに楽しませてくれるのは、グループ内コラボだ。口説きテクニックを公開するものの普段恋をし慣れていないために大苦戦（笑）のななもり。とジェルによる“面白組”は、厳しい修行を重ねる忍びの者の恋を描く和風な「忍恋」ではストイックさを、「非リアドリーム妄想中！」ではわちゃわちゃ感を、「存在SHOW明」ではかっこよさをにじませて、さすがの振り幅を見せたり。“彼女がいたらやってみたいこと”を実践したら濃密なハグをし合うことになったさとみところんによる“ゲーム組”は、2人が不埒な男子になりきって歌う「遊獣浮男ボーイ」、ゲーマーならではのナンバー「Code-暗号解読-」「でこぼこげーむぱーてぃー」で沸かせたり。“愛してるよゲーム”で「愛してるよ」「好き」とささやき合い胸キュン合戦を繰り広げることになったるぅとと莉犬による“かわいい組”は、青春感満載な「行け！僕らのスクールフロント！」で手つなぎジャンプをしたり、「溶解ウォッチ」で息の合ったダンスをしたり、「すとろべりーごーらんどっ」で駆け回ったり、とにかく仲よし！ 3組それぞれに、鮮やかな色彩を放っていく。

リスナーだけでなく、無観客ライブを支えてくれているバンドメンバー、スタッフへも感謝して、再び6人で歌う「ストロベリー☆プラネット！」へ。『すとろべりーねくすとっ！』に収録の、インパクトある振付が映える、コール＆レスポンスが容易に想像できる病みつきポップナンバーは、オーディエンスの前で生披露するときにはとんでもない爆発力を発揮しそうだ。

そして、画面の前のリスナーもきっと声を重ねたであろう、愛にあふれた「大好きになればいいんじゃない？」を歌い終わったところで、メンバーそれぞれにあふれる想いを言葉にしていった。

さとみ「こうしてライブをする自分たちを生放送で観てもらうっていうのは初めての挑戦でしたけど、みなさんに楽しんでもらえているようで、本当に嬉しいです。もともと、3月21日はナゴヤドーム公演を行おうとしていた日で、アルバム『すとろべりーねくすとっ！』の収録曲を全部披露する勢いで準備をしていたし、みんなも楽しみにしてくれていたことを知っていたから、公演延期が決まったときは本当にやるせない気持ちでいっぱいだったけど……今日、こうして無観客生放送ライブをお届けすることができて、これまで僕たちのライブに足を運べないような人たちにも観てもらうことができて、結果的にすごく心に残る1日になりました。また絶対に、みんなの目を見て「ありがとう」って伝えられる機会を作るから、そのときはぜひ、会いに来てください。今、画面の前にいる人たちに出会えて、僕は本当に幸せです。どうもありがとう！」

ころん「自粛ムードの中でみんなが哀しんでいる中、なにかできないかなと思っていろいろ考え抜いた結果の無観客生放送ライブ。みんなからたくさんの反応を生でもらうことができて、めちゃめちゃ楽しかったし、感激しました。ありがとうございます。すとぷりっていいな、ころんっていいな、って思ってもらえたら、その人と僕はもう友だち。これを機にすとぷりを好きになってくれた君たち、本当にありがとう。もっともっとすとぷりを好きになってください。すとぷりは、とてもとてもいいグループです。これからも君たちのためにがむしゃらに頑張るので、応援よろしくお願いします！」

るぅと「ナゴヤドーム公演が延期になってしまったのは悔しいし、やるせないけど、リスナーのみなさんを楽しませたい！という一心で、初めて挑む無観客ライブに向けての準備をしてきました。みんなの哀しい気持ちを塗り替えられるくらいの楽しさを届けられたのなら、本当に嬉しいです。僕らのこれからの活動を楽しみにしてくれているみんなの声、存在は僕たちの支えになっています。僕たちすとぷりはみんなに喜んでもらえることを第一に考えて、動画投稿だったり、普段の生放送だったり、ライブだったり、はたまた新しい挑戦だったり。なんでも全力で頑張っていくので、これからもそばで観ていてください」

莉犬「すごくいろんな気持ちがあって……やっぱり、会いたかったなとは思います。でも、こうしてみんながたくさんコメントしてくれて、楽しんでくれて、温かい気持ちになったし……まだまだこれからもいろんなことに挑戦していきたい！と思えるライブになりました。ささやかなことに悩んで、傷ついたりもするごく普通の人間である俺たちが、こうしてたくさんの方たちに見守られてライブができるのは、間違いなく応援してくださっているリスナーさんたちのおかげ。特別じゃない俺たちに特別なステージを与えてくれて、本当にありがとう。みんなの声は、俺たちの頑張る原動力になっています。また、いつかのライブでは顔を見て「ありがとう」と言わせてください」

ジェル「どうしたらみんなが楽しんでくれるかを考えてナゴヤドームの準備をしてきたからこそ、公演延期はすごく悔しかったし、そのことでリスナーのみんなを哀しませてしまったことが本当につらかった。でも、どうやったら俺たちは負けないでいられるんだろうってずっと考えて……無観客生放送ライブをやろうってメンバーで決断したとき、すげぇなこのグループ！って思ったし、自分の夢とすとぷりの夢が同じなんだっていうことも再確認できたんだよね。自分としてもすとぷりとしても、みんなを幸せにしたいし、苦しみが100あるなら98にでも99にでも減らしたいし、俺たちの存在が誰かの生きがいになるならそうでありたい。俺たちの想いを受け取ってくれたみんなには、これからまたいろんな挑戦をしてお返しをしていきます。最高のリスナーと最高のすとぷりなら、どこまでも行けると思う！」

ななもり。「ナゴヤドーム公演は、俺たちにとってとても大事なライブでした。去年の9月22日・23日にメットライフドームで開催した『すとろべりーめもりーvol.10』では、“いつも声を上げて応援してくれる君が家族や友だちや恋人に胸を張って「好き」と言えるグループになる”という目標を完全に達成することはできませんでしたが、実はナゴヤドーム公演のは完売していたんです。でも、公演延期をしなきゃいけないことになって、頭が真っ白になって……その中でも、どうやったらリスナーのみなさんが哀しい気持ちにならないかを考えたいろいろな企画の中のひとつが、この無観客生放送ライブでした。いい感じに顔が見えないようにライブができているのはいろんなスタッフさんのおかげだし、かっこよく歌えているのはバンドメンバーさんのおかげ。結成当時は数十人の前でライブをしていた僕らが、こうして何十万人ものリスナーさんに観ていただけるようになって、こんな幸せなことはありません。俺たちは、みんなが胸を張って「好き！」と言えるグループになりたい。すとぷりに関わってくれる人、すとぷりを好きでいてくれる人、すとぷりを知ってくれた人を幸せにしたい。このライブが終わったら、また次の挑戦に向けて頑張っていくし、頑張れるのはいつも声を上げて応援してくれるみんなのおかげです。本当にありがとう、これからもすとぷりをよろしくお願いします！」

その上で、「ナゴヤドーム公演の最後にお知らせしようと思っていたことがあります」とななもり。が切り出し、今夏に初の東京ドームワンマン公演を行うことを発表。結成4周年を迎える2020年、リスナーに支えられながら大きな挑戦をすると決めた彼らの顔はとても凜々しかった。

6人で寄り添って歌声を重ね、電車ごっこのようにぴったりと連なったりもしながら笑顔を見せた「おかえりらぶっ」。6人で肩を組み、「大好きだよ」「ありがとう」とリスナーへの愛と感謝を届けながら歌った「すとろべりーぷりんすふぉーえばー」。同じ場所にいなくなって、メンバーとリスナーの心はしっかりとつながっている。大きな困難にも、突然の理不尽にも負けず、いついかなるときもリスナーのために頑張り続ける6人の王子たちは、これからも奇跡を起こしていくだろう。

文＝杉江優花　撮影=林 晋介、東 美樹