GW!三密を避けるべき今こそ観たい、不要不急の集まりで酷い目に遭う映画4選 #野水映画“俺たちスーパーウォッチメン”第七十六回
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Netflix映画『ザ・ベビーシッター』独占配信中
TVアニメ『デート・ア・ライブ DATE A LIVE』シリーズや、『艦隊これくしょん -艦これ-』への出演で知られる声優・野水伊織。女優・歌手としても活躍中の才人だが、彼女の映画フリークとしての顔をご存じだろうか?『ロンドンゾンビ紀行』から『ムカデ人間』シリーズ、スマッシュヒットした『マッドマックス 怒りのデス・ロード』まで……野水は寝る間を惜しんで映画を鑑賞し、その本数は劇場・DVDあわせて年間200本にのぼるという。この企画は、映画に対する尋常ならざる情熱を持つ野水が、独自の観点で今オススメの作品を語るコーナーである。
Netflix映画『ザ・ベビーシッター』独占配信中
新型コロナウイルス感染拡大の影響で外出自粛が続く今日この頃。みなさん、「外に出たい」、「人と会いたい」といった欲求も増してきたのではないだろうか。いつもなら、旅行やアウトドアなども計画できたゴールデンウイークであれば、なおさら。それでも、三密(密集、密閉、密接)を避けるべき今、あえて言おう。「家にいるべきだ!」と。というわけで、今回は、Netflix配信中の作品から、自宅でも観ることが出来る“不要不急の集まりの恐ろしさがわかる映画”4作品をご紹介しよう。
『ゲーム・ナイト』(18)
仲良し大人グループで集まって推理ゲームをしていたら、誘拐事件に巻き込まれてしまった!本作は、外出をせずとも、「暇だから」と大勢で集まることの危険性を教えてくれるスリリングなサスペンス・コメディだ。
登場人物たちの会話に映画ネタや俳優ネタが散りばめられているので、映画好きならさらに楽しめるだろう。特に、デンゼル・ワシントンやエドワード・ノートンのいじられっぷりは必見。とはいえ、本筋は思った以上にしっかりサスペンスとして作られているので、二転三転する展開に最後まで気が抜けない。私もまんまと、クライマックスで「あー、このシーンのためにこのキャラはいたのか。騙されたな……」とウルウルしていたのだが、なんとさらにもう一段階騙されていた。テンポもよく、気構えせずに楽しめる作品なので軽いノリで観てみてほしい。エンドロールにもちょっと仕掛けがあるので、飛ばさずに観よう。
※Netflix配信は5月6日まで
『キャビン』(12)
『キャビン』 (C)2012 Lions Gate Entertainment Inc. ALL RIGHTS RESERVED.
バカンスに出掛けた大学生グループが、山奥の小屋で殺されてゆく、カップリング目的での集まりの危険性を教えてくれる作品はこちら。本作には、ホラー映画のお約束を逆手に取ったメタ展開が満載。“イチャついていると殺される”、“処女は最後まで生き残る”といったあるあるを、「こんな理由がありました!」という発想の転換を加えて見せる手法に、感嘆させられる。山小屋の佇まいや、道すがら立ち寄る寂れたガソリンスタンドなど、有名映画のオマージュも随所に散りばめられているので、見逃せない。
一番の見どころは、クライマックスのクリーチャー大集合シーンだ。有名キャラクターを模したクリチャーたちが入り乱れる様は、まるでパーティー!このシーンのために、何度も『キャビン』を観なおしてしまうくらいだ。中でも、私はバレリーナ・デンタータ(過剰歯のバレリーナ)がお気に入り。皆さんも一時停止しながら、お気に入りを見つけてみるのはいかがだろうか。
『ザ・ベビーシッター』(17)
Netflix映画『ザ・ベビーシッター』独占配信中
『チャーリーズ・エンジェル』(00)のマックG監督が手掛ける、ホラー版『ホーム・アローン』とも言えるコメディ。憧れのベビーシッターと一夜を過ごすこととなった少年は、彼女が悪魔崇拝の儀式を行うのを目撃してしまう。
ベビーシッター役のサマラ・ウィーヴィング、主人公のジュダ・ルイス、この二人がとにかく超絶可愛いので、それだけで眼福だ。ジュダ君観たさに出演作を漁って本作にたどり着いた私にとっては、彼のキュートな困り顔は見どころの一つ。そんな二人が急接近!と思わせておいて、血まみれの攻防戦になる本作。血が景気良くぶちまけられたり、巻き込まれる奴らも頭がぶっ飛んでピタゴラスイッチ死を遂げたりと、その派手さに笑わずにはいられない。外出自粛中の鬱憤が吹き飛ぶような、スカッとする作品だ。
家にこもっていたとしても、誰かを招き入れてしまうと危険に晒されるということが伝わるのではないだろうか。
『サプライズ』(11)
『サプライズ』 (C)2011 SNOOT ENTERTAINMENT, LLC
彼氏の親族が集まるパーティーに行ったら、動物マスクの殺人鬼たちに襲われた!今や帰省も危険。親族・家族同士でも、集まるのは避けるべきなのだ。
お面のキラーに襲われるスリラーは、『スクリーム』シリーズなどを機に、もはや鉄板。その中でもこの作品が秀逸なのは、“ヒロインが冷静かつ強い”というところ。性格がいいヒロインだけは助かる、という教訓じみたホラーのお約束などではなく、本作のヒロイン・エリンは、「さっきは相手がこう来たから、次はこうやって対応しよう」と、傾向と対策を瞬時に判断し、敵に立ち向かってゆく。彼女がなぜ強いのか。その理由は予想の斜め上を行くものなのだが、とにかく強い女の子に惹かれる人に、本作はオススメだ。彼女が家庭用ミキサーを思った以上にエキサイティングな使い方をしてくれるのはお見事。不謹慎にも「ちょっと楽しそう」と思ってしまう使い方をするので、ホラー映画の中でも忘れられないシーンの一つとなった。ありがちなスリラーかと思いきや、”舐めていたら強かった系ヒロイン”が魅力的な疾走感と血があふれる良作である。
いかがだろうか。大勢で集まるとこれだけの危険がついて回る。自宅で一人、巣ごもりするのが一番安全なのでは?……なんて、これはあくまで映画の中の“危険”のお話だが、今、外出を避けるべきなのは本当だ。今は大人しく配信中の映画を楽しんでこの時期を乗り越えよう。そしてまた、劇場の大スクリーンで映画を観て、みんなで飲みながら感想を交わせる日を待とう。
『ゲーム・ナイト』はNetflixほかで配信中※Netflixは5月6日まで。
『キャビン』はNetflixほかで配信中。
Netflix映画『ザ・ベビーシッター』独占配信中。
『サプライズ』はNetflixにて配信中。