福田転球・大堀こういち・長塚圭史・山内圭哉が結成した新ロイヤル大衆舎、毎日異なる作品を下北沢より生配信
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新ロイヤル大衆舎 (左から)山内圭哉、大堀こういち、福田転球、長塚圭史
2020年6月11日(木)〜18日(木)下北沢のザ・スズナリより、新ロイヤル大衆舎が『緊急事態軽演劇八夜』を生配信することを発表した。
新ロイヤル大衆舎は、2017年に、福田転球、大堀こういち、長塚圭史、山内圭哉の4名で「日本の演劇を明るく照らす」というキャッチフレーズを掲げ結成された。初演は北条秀司作『王将』三部作をわずか80席足らずの下北沢・楽園で上演し、大いに話題となった。その3年後となる本年、第二弾として常連と新たなゲストを迎えて、6月に車引きの松五郎の悲劇の物語『富島松五郎伝 〜無法松の一生〜』と岸田國士の連作『麺麭屋(ぱんや)文六の思案』/『遂に「知らん」文六』の三本立てを上演する予定だったが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い延期となった。
そこで、そのまま何にもやらないのはあまりにも暗過ぎるということで、本企画が実施されることとなった。
新ロイヤル大衆舎にとって初の動画配信となる本公演は、名作・珍作・異色作を毎日一本ずつライブ配信で紹介するというもの。「本演劇の手前の読み語り形式の軽演劇ではございますが、最大限、密を避けた状況でしかし濃密でお届けしたいと目論んでおります」とのこと。
バラエティに飛んだ本公演のラインナップ。第一夜~第七夜までとなり、最終日の第八夜は、七夜までの
■『緊急事態軽演劇八夜』ラインナップ
6/11(木)19時 第一夜 『盤嶽の一生』
原作:白井喬二/脚色:山中貞雄/潤色:長塚圭史
二十八歳の若さで中国にて戦病死を遂げた鬼才と謳われた映画監督・山中貞雄
正直者の浪人・盤嶽のおかしくも凛々しい生き様を描いた無声チャンバラ映画を新ロイヤル大衆舎風味でお届けする一夜(約75分)
6/12(金)19時 第二夜 『ワーニャ伯父さん』
作:A.チェーホフ/翻訳:神西清/潤色:福田転球
名作も紹介しましょうと
「じゃあ転球さんはチェーホフ担当で」「はいッ」
「現在の自粛生活は、まるでチェーホフの描くロシアの田舎風景のようだ」
そう遠くを見ながら語り合うロシア演劇に極めて疎い新ロイヤル大衆舎の面々
ワーニャ伯父さんを長塚圭史、男たちを虜にするエレーナを福田転球、都会から若い新妻を連れてきた大学教授セレブリャコーフを大堀こういち、医師のアーストロフとセレブリャコーフの娘・ソーニャを山内圭哉
一体どうなることやらドキドキのでも「短くするならやりたないッ」という福田転球の情念が詰まった感動の一夜
(約120分)
6/13(土)15時 第三夜『新作・おもてなし』
作:福田転球
「じゃあ転球さん、新作書いてください」「はいッ」
新ロイヤル大衆舎立ち上げは『王将』ではなく福田転球の新作を上演予定だった??
ここは瀬戸内海の小さな島
なんとニカラグアの重量挙げ選手が事前合宿のためやって来ることに!
歓迎式典のため日々繰り広げられる会議また会議
のんびりとした島がのんびりと熱狂に包まれていく!?
福田転球が描くオリンピックを夢見る一夜
(約75分)
6/14(日)15時 第四夜『怒涛』
作:森本薫
本来上演予定であった『富島松五郎伝』の作者であり
代表作『女の一生』は余りにも有名な森本薫が描く日本の細菌学の父・北里柴三郎
ジフテリア、ペストなどと立ち向かう北里とその家族と仲間たちの物語
コロナと戦う現在にやたらとタイムリーな本作
新ロイヤル大衆舎が文芸作品に真摯に挑む一夜
(約130分)
6/15(月)19時 第五夜『都会の風』
作:中村進(吉本新喜劇より)/潤色:山内圭哉
吉本新喜劇の黄金時代を支えた花紀京が座長を務めた1986年の名作
人気芸人のギャグとお約束満載の人情物語
そもそも舞台上の動きで魅せる新喜劇を、我らの語り手法で処理出来るものなのか
リモート稽古でもああでもないこうでもないと一番話し合いが尽きない
(ちなみに新ロイヤル大衆舎のリモート稽古は音声のみで執り行われる)
一発ギャグもないのに果たしてどうするつもりか新ロイヤル大衆舎
七夜中ひょっとすると最もスリルな一夜
(約70分)
6/16(火)19時 第六夜『夏の夜の夢』
作:W.シェイクスピア/翻訳:福田恆存/潤色:大堀こういち
言わずと知れたシェイクスピアの名作を発起人・大堀こういちの潤色でお送りします
「長えし、めんどくさいけど、ま、楽しかった」(大堀こういち談)
悪戯好きの妖精パック(福田転球)が巻き起こす一夜の恋の騒動
恋する若者たちの配役は、ハーミアを福田転球、ヘレナを大堀こういち、
ライサンダーを山内圭哉、デミトリアスを長塚圭史でお送りします
さあ今夜は一緒に世界に名だたる戯曲をカラフルに彩りましょう
(約85分)
6/17(水)19時 第七夜『純情一座』
原作:サトウハチロー/脚色:菊田一夫
通常通りの上演が危ぶまれた際、長塚が真っ先に持ち込んだコメディ
未曾有の事態に大打撃の演劇界に元気をくれるかもしれない
戦時下の潰れかけた劇団の再生を描いた涙と笑いのこれぞ軽演劇
そして新ロイヤル大衆舎の創始者・大堀こういちの真骨頂をお楽しみいただく一夜
(約90分)
6/18(木)17時 第八夜『宴会』※七夜までの購入者は無料で参加できます
こんな時だからこそご視聴してくださった皆さまと
七夜を振り返ってリモートで飲もうじゃないか
本当にただゆっくり飲みつつ、文明の利器を活用し、みなさまと歓談する一夜
(約180分)
公演(配信情報)
【出演】福田転球/大堀こういち/長塚圭史/山内圭哉
※zaiko(https://zaiko.io/)による生配信。(配信終了後 6月30日(火)までアーカイブ視聴可能)
※第八夜は第七夜までの購入者(各夜1回でも通し券でも可)なら無料で参加できます。
※上演時間は各回15分間の休憩を含む時間です。休憩中に出演者のトークがございます。
新ロイヤル大衆舎プロフィール
五月舎養成所卒業後、劇団健康(現・ナイロン100℃)に旗揚げより参加。
2000年、温水洋一と二人芝居「O.N.アベックホームラン」結成。
舞台を中心に映像、テレビなど様々な作品に出演。
ユニークで軽妙な存在が際立ち、貴重なバイプレイヤーとして活躍している。
細川徹のコントユニット「男子はだまってなさいよ!」にレギュラー出演。
出演作に『少女仮面』(演出 杉原邦生)『忘れてもらえないの歌』(演出 福原充則)『ロミオとジュリエット』(演出 宮藤官九郎)『十一ぴきのネコ』(演出 長塚圭史)、TV『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』(テレビ東京)など多数。
また、シンガーソングライター小象としても活動。
俳優業とはまた別の顔をもち、不定期にライブを行っている。
幼少期からアカデミー児童劇団で役者としてのキャリアをスタートさせる。
映画『瀬戸内少年野球団』(1984年)は子役時代の代表作。
1992年、中島らも主宰の笑殺軍団リリパットアーミーに入団し、中心メンバーの1人として活躍(1999年に退団)。
2002年、自身のプロデュースユニット「wat mayhem」を立ち上げる。「The Jizz Monks」「hate77」「人々」のバンドの一員でライブ活動も行っている。
2016年『HOPE~期待ゼロの新入社員~』で第5回コンフィデンスアワード・ドラマ賞 助演男優賞を受賞。
他に『あさが来た』『Heaven?~ご苦楽レストラン~』『知らなくていいコト』など。
1996年、「阿佐ヶ谷スパイダース」を旗上げ、作・演出・出演の三役を担う。
読売演劇大賞優秀演出家賞など受賞歴多数。
近年の舞台に『セールスマンの死』『イーハトーボの劇列車』『陸坊海尊』など。
出演作に『グーグーだって猫である』『サギデカ』『シン・ウルトラマン』TFM「yes!~明日への便り」(ナレーター)など積極的に活動。
2019年より神奈川芸術劇場芸術参与に就任。
大阪芸術大学舞台芸術学科ミュージカルコース卒業後、1993年に「転球劇場」を旗揚げし、構成・演出も担う。
独特の笑いのセンスとにじみ出る哀愁を持ち味に活躍中。
近年の主な出演作に、ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う』、『スカーレット』、舞台 ミュージカル『50Shades!~クリスチャン・グレイの歪んだ性癖~』、『美しく青く』、『髑髏城の七人 Season鳥』、『王将』など。歌喜劇『市場三郎』シリーズでは脚本も手掛ける。