渋谷La.mama再始動秘話【Vol.1 the knowlus】ーーコロナ禍、ライブハウスを陰で支えたバンドの想い

2020.6.15
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the knowlus

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コロナ禍、ライブハウスが苦境に立たされていることは誰もが知るところだ。そんな中、ライブハウスを支援するため多くのアーティストがとった行動から、両者の強い繋がりに気づき、心打たれた人は少なくなかっただろう。渋谷の老舗ライブハウス・La.mamaも例外ではない。親交の深いバンドに助けられ、数々の配信テストを重ね、ついに6月26日を皮切りに、無観客ライブの開催を発表するに至った。
この連載では、ライブハウスを支えたバンドの視点から、このような状況でも前向きに動き続けたLa.mamaの物語を三篇にわたり綴る。第一弾は2020年で結成10周年、6月26日に無観客ライブ『トーリズの夜明け』を開催するthe knowlus・川野(Vo/Gt)に話を訊いた。

――これまでライブはどのくらいの頻度で?

僕らはまさに「ライブバンド」という感じで、特にライブに重きを置いて活動してきました。少なくとも月に2本程度やっていて、全国ツアーも行っていましたね。リリースツアーの時などは月に10本以上各地でライブをする事もありましたし、スタジオでのリハーサルも毎週1~2回はやっていました。
ライブ、ライブ、ライブ、という感じで活動していた僕らは、そのライブが封じられて途方に暮れていたんですけど……そんな中、La.mamaから「ライブ配信をやってみよう」という話を頂いて、僕らも二つ返事でOKしました。メンバー間でも全く異論は出ませんでしたね。

――La.mamaはライブ配信の前から行っていた前向きな取り組みが印象的でした。

いち早くYouTubeの収益化の為に動いたり、配信機材を揃えたり、独自通販でグッズ販売をしたり、カレーのテイクアウト販売までしたりして、なんとかこの状況を乗り越えようとしていました。ライブハウス業界のなかでもかなり動きが早かったと思います。

――the knowlusは、コロナ禍でLa.mamaの機材チェックのリハに付き合ったり、グッズの売上も寄付するなど親交の深さを感じますが、いつからの付き合いなのでしょうか。

一番歴史が長いのはベースのサイトウ君ですね。多分もう15年くらい。自分がLa.mamaに出始めたのは12年くらい前です。当時、the knowlusはまだ結成されてなくて、ドラムの千葉君とも出会っていませんでした。その後、自分と千葉君がthe knowlusを結成するわけなんですけど、当時はサイトウ君とは別々のバンドで活動していて、La.mamaで対バンとかしてましたね。お互い長いこと友達ではあったんですけど、10年間くらいなんやかんやあって、結局今一緒にやってます(笑)。

the knowlus『南十字星の駅で』渋谷La.mama極秘リハーサル.Ver Full

――それだけ長い時間が経つと様々な思い出があるかと思いますが、当時のLa.mamaはどういう場所でしたか?

僕らがLa.mamaに出演し始めた当時、La.mamaスタッフ陣も僕らも今よりもっと血気盛んで、よくライブ後に意見がぶつかったりしましたし、たくさん泣き笑いしましたね。特に、当時「渋谷La.mamaには鬼がいる」と噂されていたぐらいLa.mamaはバンドや音楽に対しての姿勢がストイックで、ライブの後に何回泣きながら道玄坂を下ったかわからないくらいです(笑)。
でも、そこまでバンドに踏み込んで意見を言ってくれたライブハウスは他に思い当たらないんです。それだけバンドに対して真摯に向き合ってくれていましたし、一番成長させてくれた場所でもあって。そもそもここに出演していなかったら、僕らは3人とも今まで音楽を続けられてなかったんじゃないかなと思います。

the knowlus・川野奏太(Vo/Gt)

――そんな場所で開催する今回の『トーリズの夜明け』ですが、無観客でライブをするということに後ろ向きなバンドもいる中、開催に至った心境とは?

無観客ライブに関して言えば、やはり本意ではないというのが正直なところです。それはライブをする全ての人がそう思っていると思う。でも、今僕らがどんなに駄々をこねたところで、以前のようにお客さんを入れてライブは出来ないわけです。それならば、少しでも可能性のある所に最大限チャレンジする。それしかないですね。

――チャレンジについては、具体的にはどういったことでしょうか。

撮影を想定したリハをしたり、音作りを考え直したり、たくさんみんなと意見を交わしてきました。それは絶対にバンドの未来につながる事だと思います。

――実際に開催を発表して、いかがでしたか。

普段地方でなかなか僕らのライブを観れないファンの方々とか、あまりライブハウスに来れない方々からも「ライブが観れて嬉しい」といったメッセージを貰うことがあり、僕らの方が嬉しかったです。

the knowlus - traveling infinity tour final (Live at La.mama 2017.11.26)

――時間と場所の制約が少ないことはより多くの人にライブを観てもらえる機会ですね! 最後に、La.mamaに伝えたいことをお話ください。

まずは、こういった状況のなか、僕らにライブする場所を用意してくれたことに心から感謝しています。その他にも、リハの場所を提供してくれたり、様々な提案をしてくれたりして本当にありがとうございました。僕らから言いたいのは、感謝と、この状況をなんとか乗り切ってまた笑ってライブしましょうってことです。ここでの思い出とか語りだしたら、3人ともこの記事内には収まりきらないと思います。La.mamaに出演した後は、いつもめちゃくちゃ話し込んじゃうので、終電は朝5時だと思ってました(笑)。何回、朝までホールで説教……じゃない、語り明かしたことか。そんな日々がまた戻ってくると信じてます。それまでみんな、命だいじにっ!!

the knowlus

配信情報

the knowlus 無観客ライブ『トーリズの夜明け』
6/26(金)@La.mama
20:00配信スタート(~7/3(金)23:59まで視聴可能)

イベント情報

『#あの日のラママ』キャンペーン
La.mamaの公式Twitter(@shibuya_lamama)をフォローの上、固定ツイートをリツイートして『#あの日のラママ』を付けて思い出をツイートした人の中から抽選で3名様に、 営業再開後に使えるカレーをプレゼント!
応募対象期間 : 6月10日から6月16日まで


▼La.mama 公式Twitter
 

ライブハウス情報

La.mama
1982年、渋谷にオープン。
音楽のライブに限らず、演劇やコントなど様々なイベントを行っており、ジャンルにこだわることのないライブスポット。
アマチュアの育成に力を入れており、厳しいオーディションを通過したアーティストは、アマチュアのレベルを抜けている。
これまでに多くのアーティストたちがここをホームグラウンドとし、プロとしてデビュー後、ビッグアーティストになったアーティストも少なくない。
自主レーベルによる音源のリリースや、外部でのイベントなども積極的に行っている。


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