演出家・西部守のプロデュース企画集団batsu-gumiが第一弾公演 『白バラの祈りThe White Rose』を上演
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2020年8月9日(日)~16日(日)中野テアトルBONBONにおいて、batsu-gumi vol.1 『白バラの祈りThe White Rose』が上演される。
劇団民藝所属の演出家・西部守が中心となり、✖(batsu)間違いに対して不寛容な現代に対しての違和感や刑罰に限らない、大きな意味での罪と罰をテーマに、さまざまなジャンルで活躍する俳優をキャスティングし、俳優、スタッフ、観客にとって新しい出会いを“紡ぐ場所”(tsumugi-ba)となることを目指すプロデュース企画集団batsu-gumiが始動。本公演はその第一弾となり、演出は西部が手掛ける。
出演者は、現在も白バラメンバーの勇気を称えてドイツの学校名として残っているゾフィー・ショル(妹)に、劇団民藝の八木橋里紗、ハンス・ショル(兄)に劇団俳優座の小泉将臣、さらにミュージカルで活躍中の岡野一平と藤岡義樹、文学座の若手武田知久。取り調べる警察署長に演劇集団円の中堅・山口眞司、ゲシュタポにはTV アニメ「A3!」シトロン役、「king OF PRISM」鷹梁ミナト役の声優として人気の五十嵐雅、2020 年胸きゅん争奪バトル「スポきゅん」メンバーとして活躍中の青木悠介。ストレートプレイの俳優だけでなく小劇場やミュージカル、声優など演技論の違うメンバーがそろった。
このたび演出を手掛ける西部からコメントが到着している。
演出:西部守 コメント
この戯曲は、第二次大戦終戦間際に処刑されてしまった、ミュンヘン大学学生たちによる反ナチグループ「白いバラ」の活動を描いた作品です。1991 年にサンディエゴ、カリフォルニアにて初演、後にブロードウェイ及び北米全土で上演されたこの戯曲は、日本では2007 年に劇団民藝にて初上演されました。
初演から19 年たった本作ですが、日本では「白いバラ」グループの認知度は高くありません。ナチス政権下の自由に発言が出来ず反対運動が見つかればすぐに処刑されてもおかしくない状況で、暴力に訴えることなくチラシや秘密集会などを重ね、言葉を通して思想を国内外に広く訴え、多くの賛同者を得た「白いバラ」の学生たちは実に魅力的で多くの若者にも共感出来る題材だと考えます。
第二次世界大戦終戦75 周年の今年、折しも世界中がコロナ禍に見舞われ、今の生活が揺らいで、平穏な日常生活の大切さを新たに考えさせられています。このタイミングで、本作を上演することにより、演者も観客も「白いバラ」の命を懸けた活動を通して、歴史上の出来事としてのみではない、自分の中にもある「小さな声」に気づく手助けになり、自由を脅かす圧力に対する勇気ある「抵抗」(正しい生き方)を考えるきっかけになればと考えています。
また、色々なジャンルで活躍する若い俳優たちが、互いに刺激しあうのも狙いの一つです。ストレートプレイの俳優だけでなく小劇場やミュージカル、声優など演技論の違うメンバーが揃うことにより議論を交わし、互いに認め合う空気から生きいきとした学生グループが生まれることを期待します。
1942 年 ドイツの大学生が国家反逆の罪で捕まった。
言葉による「反逆」である。5 名の学生が逮捕され、5 日後に処刑された。
ドイツ中に撒かれたビラには「白いバラ」と署名があった。
一人の女学生が好きな花の名前だった。
実在した非暴力 反ナチス抵抗運動グループ「白いバラ」、最後の5日間を警察署長モーアの視点で描きます。第二次世界大戦中のドイツ国内で暴力に訴えることなく言葉だけで「抵抗」した普通の大学生たちがいた。反逆罪で捕まれば死刑という状況下で彼らを突き動かした想いとは。命を懸けてド市民に訴えたものとは。