ヴォーカル・デュオSiriuS、デビューコンサートが盛況のうちに終了 オペラやミュージカル名曲の数々を披露
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SiriuSデビュー記念コンサート
2020年7月7日(火)、東京・サントリーホール ブルーローズにて開催されたヴォーカル・デュオ SiriuS(シリウス)のデビュー記念コンサート。盛況のうちに幕を閉じた本コンサートの、当日のオフィシャルレポートが到着した。
SiriuSは、テノールの大田翔とバリトンの田中俊太郎によるヴォーカル・デュオ。東京藝大出身というクラシック界のサラブレットであるふたりが、クラシックの枠を飛び越え、古今東西の名曲を歌いあげる新進のユニットだ。
SiriuS
本公演は、2020年2月19日(水)に発売となったデビューアルバム『MY FAVORITE THINGS』のリリースとデビューを記念し、元々4月18日(土)に行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期になっていた。
主催側は、安全面を考え再度の延期も想定していたが、SiriuSの歌声をファンの皆様に何とか届けたいという思いから、この状況下での出来る方法を検討。客席数を会場の50%以下に絞り間隔を確保しつつ、スタッフはフェイスシールドを着用するなど最大限の配慮を行いながら、ライブ配信も取り入れ全国のファンに視聴可能な環境で実施された。
開演の拍手の中、この日の為に用意されたネイビーのタキシードを着た二人が登場、待ちわびていたファンの歓声の中、まずはふたりの出自であるクラシック本流のオペラの実力を披露。ヴェルディの歌劇『ドン・カルロ』の二重唱「われらの胸に友情を」や、大田のソロによるプッチーニの名アリア「星は光りぬ」、田中ソロによるワーグナーの「夕星の歌」などをマイクを持たずに披露。身体という楽器を十全に活かした発声法で、ホール中を満たした。
SiriuSデビュー記念コンサート
SiriuSデビュー記念コンサート
その後、このコロナ禍の最中にコンサートが実施できたことへの感謝を述べ、坂本九の「上を向いて歩こう」を披露。
不安が続く世の中にあって、この名曲の歌詞はなによりのポジティヴなメッセージとして響く。最後は、圧巻のオペラメドレーが披露され、第1部は幕を閉じた。
SiriuSデビュー記念コンサート
2部は、デビューアルバム『MY FAVORITE THINGS』に収録されている「ビー・マイ・ラヴ」で幕を開けた。
この曲はSiriuSが結成された当初から歌唱している思い入れの強い楽曲であり、二人のハーモニーはことのほか有機的に絡み合い、観る者を魅了した。
SiriuSデビュー記念コンサート
「魅惑の宵」、「私のお気に入り」などデビューアルバム『MY FAVORITE THINGS』に収録されている楽曲が続いた後、現在医療従事者応援ソングとしても注目されている「一人きりじゃない(You'll Never Walk Alone)」を彼らのメッセージを込め歌唱。
SiriuSデビュー記念コンサート
また、今回SiriuSは振り付けにも挑戦。
「チキ・チキ・バン・バン」は事前にSNSなどで振り付け動画を公開しており、来場者と一緒に当日披露することを目標としていた。曲が始まると客席も一緒に手の動きを行い会場はこの日最高の一体感と暖かな空気に包まれた。続いて披露されたミュージカルの名ナンバー「雨に唄えば」では実際に傘を使ってダンスを披露するなど、クラシック発エンターテインメントを追求するSiriuSのこれからを示すマイルストーン的なステージングを見せつけてくれた。
SiriuSデビュー記念コンサート
最後は、「ア・ミリオン・ドリームズ」を重厚に歌い上げ、2部は終了。
会場の鳴りやまない拍手に応えアンコール。なんとゴダイゴの名曲「銀河鉄道999」を披露。会場からどよめきと大きな拍手が沸き起こる。
実は、SiriuSは自身のYouTubeライブで、自身のユニット名にちなみ、星にまつわる曲を募集した際に多数の楽曲がリクエストされ、その中からこの楽曲が選ばれた。二人ならではのオペラティックヴォイスに絶妙に合わせたアレンジが効いた「銀河鉄道999」は、もしかしたら彼らの新たな代表曲となるかもしれない親和性をみせており、新境地とも言えるだろう。
大きな拍手の中、最後の楽曲「天国への階段」へ。観客への感謝とコンサートを実施出来た喜びを噛みしめ、コンサートは幕を閉じた。
初のコンサートで圧巻の実力とパフォーマンスを魅せつけたSiriuSに今後も目が離せない。
SiriuSデビュー記念コンサート
公演情報
会場:東京 サントリーホール ブルーローズ
出演:SiriuS(大田翔・田中俊太郎)
ピアノ:石野真穂