福士蒼汰、宮野真守がそれぞれ主演で『浦島さん』『カチカチ山』を上演&ライブ配信 『神州無頼街』は2022年に延期が決定
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(上段左から)福士蒼汰、羽野晶紀、粟根まこと(下段左から)宮野真守、井上小百合
2020年10月4日(日)~17日(土)東京建物Brillia HALLにて、ヴィレッヂプロデュース2020 Series Another Style『浦島さん』『カチカチ山』を上演することが決定した。また、劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』は2022年に延期することも発表された。
株式会社ヴィレッヂの主軸である劇団☆新感線の公演は、このコロナ禍の煽りを受け、春と秋の公演が中止となった。だが、この状況下でも、何かできることは無いかとヴィレッヂは試行錯誤する中、今から25年ほど前にいのうえひでのりが演出し、若かりし劇団☆新感線の劇団員・橋本じゅんと山本カナコが演じた狸と兎の二人芝居『カチカチ山』からヒントを得て、密にならないキャスト、密にならないスタッフによる、「今ならでは」の二人・三人芝居への挑戦をすることを決断した。
演目は、太宰治の小説「お伽草紙」を原案にした「浦島太郎」ならぬ『浦島さん』と、かつての『カチカチ山』という今昔お伽ばなし、演出は劇団☆新感線のいのうえが手掛ける。そして、『浦島さん』の脚色は、圧倒的な筆力で二重三重の織物のような劇構造の中に真実を構築する倉持裕、『カチカチ山』の脚色は、人間の善悪を織り込んだ駆け引きめいた心の襞をかかせたら日本一の青木豪。この二人が才筆をふるい、最高の台本を創り上げる。
両演目の出演者は、惜しくも2020年に延期となったいのうえ歌舞伎『神州無頼街』でタッグを組む姿が待ち焦がれる福士蒼汰(浦島さん役)、宮野真守(狸役)が、本企画に改めて共鳴し、『浦島さん』『カチカチ山』で主演する。『髑髏城の七人』Season月<上弦の月><下弦の月>のダブルチームでそれぞれ主演を務めたが、今回はそれぞれの物語を背負い、劇場に降り立つ。
そして『浦島さん』の共演者は、『髑髏城の七人』Season月でも座組をともにした劇団☆新感線の羽野晶紀(乙姫役)、粟根まこと(亀役)。『カチカチ山』の共演者には、本多劇場の再開の旗艦ともなった無観客生配信公演で、初の一人芝居を堂々と演じ話題を呼んだ井上小百合(兎役)。これまで苦楽を共にしてきた劇団のベテランと、いのうえ演出に初参加の若手が華を添える。
さらに、本公演は劇場で、適度な距離は保ちつつ、すべての公演をライブ配信することも決定。ふたつの形でふたつの作品を劇場だけではなく、自宅でも観ることができる。なお、配信
演出:いのうえひでのり コメント
最近は、いろんなところで、いろんな演劇人が、探り探り、新しいコロナ時代の演劇のカタチを試みています。僕らも、新感線の通常公演は断念せざるを得ませんでしたが、コロナ時代に即した“よりミニマムでタイトなカタチでの上演を!”という事でこの太宰治の二作品をやることにしました。“月ドクロ”の際には僕の時間があまりなく、福士君と宮野君に対して僕的には不本意な稽古しか出来なかったというリベンジの意味もあり、今回は物理的な密は避けつつも濃密な中身の詰まった稽古、そして、舞台を作り上げたいと思います。と、言うわけで今まであまり見たことの無かった福士君・宮野君をお見せできる作品になると思います。
『浦島さん』 脚色:倉持裕 コメント
当面、通常の芝居作りは無理だと覚悟した頃、「少人数の短編を作る」というこのオファーを頂き、これは我慢や妥協をあんまりしていない企画だ、と感じてすぐに引き受けた。
しかも原作小説「浦島さん」(というか大本の昔話)には、このコロナ禍に符合する要素がいくつもあった。かつて日常を送っていた村、何もせず遊んで暮らせる竜宮城、様変わりした元の村……。さらに、作中の太宰 治の世間に対する批評は、今の社会にも十分通用するものだった。
しかし原作は本当に短くて、最低でも一時間の芝居にするために膨らませる作業はなかなか苦労した。
落語か漫才の様な、道具は座布団、スタンドマイクぐらいしか必要ないような台本になったが、そこはいのうえさんの演出だから、海底を大冒険するスペクタクルに仕上げて下さるに違いない。
こういう事態の真っただ中にご覧頂くことを意識して書いた芝居です。ご期待ください。
『浦島さん』 出演:福士蒼汰 コメント
この状況でなにか自分にできることはないかとずっと考えていたところに、今回のお話をいただきました。色んな葛藤がありましたが、スタッフの方々が様々な思いで作ってくださった機会なので、全力で挑もうと決心しました。まだまだ予断を許さない中ですが、皆様が明るい気持ちになるエンターテイメントにできたらと思っています。
宮野さんとの共演は2022年『神州無頼街』に持ち越しになりましたが、今回もまた、ある種「一つの月を二人で形作る」んだなぁと感慨深い気持ちです。お互い成功させて、2年後に向けて、さらに期待を膨らませたいと思います!
三人芝居は初めてなので、期待と不安が入り混じっていますが、濃い時間になると思うので待ち遠しいです。
さらに今回は配信もあるので、より多くの方々に届くことを祈っています! 皆様の心の栄養になるよう、精進したいと思います!
『カチカチ山』脚色:青木 豪 コメント
今回、コロナ禍で急遽の話なので、そう申し上げるのは気が引けるところがあるのですが、お話を頂けて単純に「嬉しかった」です。そもそも、いのうえさんに書かせて貰えるのが僕は一番励みになるし、久々だし。「いざ鎌倉」って命令が下った時の御家人は、こんな気分だったんだろう、と、とにかく発奮しました。
原作はとても短いので、引き伸ばすにはどういう仕掛けを組んだら良いか、が難しかったです。あと原作の狸は本当にブサイクで汚らしいので、宮野さんにそれはどうか、と改変したところは、苦労したけど楽しかった。
これまでいのうえさんとご一緒させて頂いた作品では、僕が「ちょっと本音を書いてしまって恥ずかしいな」と密かに思っているところの演出が予想とまるで違っていて、何度も救われた思いがしていました。今回も、そういう「予想外」を期待しております。
「安心して演れて、安心して見られるように、二人芝居にしたいんだ」と、いのうえさんからオーダー頂き、「距離」を一番念頭において書きました。演者も観客も肉体的には離れていても、気持ちだけは「濃厚接触」出来るようにしたつもりです。どうぞ劇場へお越しください。
『カチカチ山』出演:宮野真守 コメント
『神州無頼街』の延期が決定し、やはり僕も悔しい想いがありました。なので、僕らの想いを、何か届けられる方法がないか、どんな形になるかわからないけど、前に進める方法は無いかと思っていたので、今回の企画は、本当に嬉しかったです。
ただ、『神州~』での福士君とは本当に楽しみにしていた共演だったので、また共に舞台に立てないのは残念ですが、僕は「福士蒼汰」が大好きなので、今回も一緒に、想いを一つにしてお芝居を作っていける場所に居られることが、嬉しいし、ありがたいです。
今回の公演、実は、とても緊張しています(笑)。二人芝居と言う事は、出突っ張りって事ですし……。セリフ覚えられるかなぁ……(笑)。でも、この状況でも、みなさんにエンターテインメントを楽しんでもらうべく、気合入れて臨みますので、是非、楽しみにしていてください!