全国各地ライブハウスご意見番をつなぐ「ハコつなぎ」vol.６は寺田町Fireloop（大阪）

新型コロナウィルスによる自粛要請の影響で、全国のライブハウスがライブやイベントを行えず苦境に立たされている。SPICEでは、それぞれができる範囲の中で「エンタメの灯を絶やさない」という想いのもと、全国各地ライブハウスでコロナ禍と闘うご意見番たちをリレー形式で繋いでいきたいと思う。vol.６は寺田町Fireloopから代表の足立氏が登場。

ーーどんなライブハウスですか？

2001年9月に寺田町駅の高架下でオープンしてしばらく平和にやっていたんですが、2009年あたりからとつぜん音漏れ苦情が激しくなって、2010年に向かいのビルの地下へ逃げるように移転しました。２店舗経営として旧店舗も防音工事したんですが残念ながら苦情は止まらず、旧店舗をアコースティック専用の会場として2年ほどやっていました。最終的に高架の耐震工事のため追い出されて現店舗のみの営業になりましたが、気持ち的には非常にすっきりしています(笑)。

ノンジャンルとは言われますが、謎のロックイメージにより寄り付かないジャンルもまだまだ多数あると感じます。最近はやっとアイドルに許されて、少しずつ、しかし着実にノンジャンル感を広げています。たまに来るジャンルからは「とってもいいハコですね」と言われますが、なかなか定着には至らないですね！

楽しいことならなんでもやろうという、ある意味では節操の無いライブハウスです。クオリティへのこだわりは人一倍あり。しかし流行っているものを見ると裏をかきたくなる悪い癖があります。

ーーおすすめの地元バンドを教えてください！

BACHICO

染みる歌声、メロディ、グッとくる楽曲展開、万人にお勧めできます！一度聞いてみてほしい！

オオハシ

スリリングかつ確実な演奏力とこころにスッと入ってくる意外性がたまらない！世の音楽に飽きかけたら聞いてみよう！

BLAZE

何もかもが最高！大人も子供も笑顔になれるカッコイイ大人たち！「明日はブレイズだ！」と寝る前に楽しみになるバンド。
 

ーー今回のコロナの影響を受けて、どのような対策を練っていますか？ また、どのような取り組みを今後行っていく予定ですか？

今までのライブハウス像に囚われず、新しいエンターテイメントを探求し、広めていく場になりたいと考えています。コロナ対策のガイドラインを遵守したうえで、それを「今までを失うこと」とばかり捉えず、新しい遊びや文化づくりへのヒントにならないか常に考えています。

具体的にはライブ音源限定の24時間ラジオ配信、音源の販売、ライブ一発収録を編集したライブビューイングの販売、グッズの委託販売とそのプロモーション、新しい映像・音楽体験へのチャレンジなどです。

ーーいまの現状を踏まえて思うこと。

この状況が早く終わって元の世の中になることを願う気持ちとともに、想定外に長引いた場合や最悪あの頃に戻らない可能性も踏まえて、できる限りのことをやるべきだと考えています。運営費を融資でまかなっている状態ですので、早い期限付きです。

元より、早かれ遅かれライブハウスの「このままの文化」やビジネスモデルには終息が来るものと考えてはいましたが、今回、非常に大きな力に急かされているような気持ちで、のんびり構えてきた自分の不甲斐なさを顧みると共に、尻に火が付いた自分にいったい何ができるのかを試されていると捉えています。正直、楽しみにもしています。

ライブハウスというものをもう一度見つめなおし、それが文化としてもビジネスモデルとしても数十年変わらず生き続け盛り上がり続けてきたのはなぜなのか。その謎を解き明かし、遺伝子に直結する永久的な部分を見つけてそこを守り、陳腐化した部分は進化させる。そういった見極めが我々には必要だと思っています。

ーーそれでは最後に記事をみている皆さんへのメッセージと、次のハコへつないで頂けますでしょうか！