「野村義男のおなか(ま)いっぱい おかわりコラム」3杯目はオメコアの伝道師・赤飯(オメでたい頭でなにより)が登場
野村義男 / 赤飯(オメでたい頭でなにより)
ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり3杯目は、日本一オメでたくて汗だくで騒げる人情ラウドロックバンド「オメでたい頭でなにより」から赤飯(Vo)が登場。
野村:「野村義男のおなか(ま)いっぱいおかわりコラム。第三回目のゲストはオメでたい頭でなによりのボーカル赤飯さんということで、宜しくお願いします!
赤飯:ご無沙汰しております。宜しくお願いします!
野村:ということでございまして、会うのはどのくらいぶりですか? 髪切ったのも知らなかったし。
赤飯:一年経ってるか経ってないかくらいじゃないですかね。髪切ったのはここ数カ月ですけど。
野村:なんで髪切ったの? コロナのせい?
赤飯:これは完全にコロナのせいです!(笑) そもそも僕が髪の毛を伸ばしていたのって、ライブしている時にアクションが派手に見えるからだったんです。こう頭ふったときにビヨンってなるのが。
野村:間違いないね!
赤飯:それがライブをするのが難しい状況になって、今これ必要か?って考えたらそうじゃないとなりまして(笑) 。
野村:でも、ロン毛が好きだったファンの人たちはいっぱいいるわけでしょ? もし状況が落ち着いた場合はまた伸ばすの?
赤飯:いやぁ、ショートが楽なんですよこれが! 枕にも引っかからないし、シャンプーとか髪乾かすのも楽やし。今までなんでこんな素晴らしいもんに気づかんかっただろう?ってくらい。
野村:僕も実は、髪の毛が長い時期が20年くらいありまして。やっぱり髪を切ってから、歩いてても指を指されないし、日常生活が楽だなと(笑)。
赤飯:結局そういうことなんですよ(笑)。でも、基本的に結構好評なので、結果的には良かったです。
野村義男 / 赤飯(オメでたい頭でなにより)
野村:そういう変化もありつつ、ライブが出来なくなった期間は何をしていたんですか?
赤飯:ずっと家で弾き語りを録音してました。
野村:それはどういう流れでそうなったの?
赤飯:僕らのアルバム『オメでたい頭でなにより2』が4月末にリリースされまして、本来はその前後でプロモーションをするのが普通なのですが、この状況下で遠征が出来ないわけじゃないですか。なので、行けないなりに何かをしようという事で、日本全国47都道府県のラジオ局に向けて、プロモーションも兼ねてその土地出身のアーティストさんの曲をカバーして送りつけるというのをやってみたんですよ。
野村:たとえば誰をやったりしてるの?
赤飯:それこそ北海道やったら松山千春さんとか、青森だったら吉幾三さんとか。そういう感じで片っ端から47都道府県全部やって、ひとつの県の中でも複数の曲をやる時もあったので実際には47曲以上ですね。
野村:それをラジオ局に渡すってこと?
赤飯:そうです。プロモーションの時コメント流すじゃないですか、アーティストさんからコメントが届いてます!みたいなやつ。コメントに変化付けるのもしんどくなってきて、弾き語りにしてみたんです。
野村:いや余計にしんどいでしょ。
赤飯:そう! 余計にしんどかったんですよ!(笑) むっちゃ練習せなあかんし、曲は覚えなあかんしで。
野村:実際やってみてどうだった? 偏りとかも凄そうだよね。
赤飯:やっぱり、この土地はいっぱいいるぞっていうのありましたよ。県民性によってアーティストが生まれてるんじゃないかという分析みたいなものも読みましたし。
野村:勝手なイメージだと、スターが多いのは沖縄とか福岡、九州方面かな。
赤飯:福岡やばいです! あと北海道かな。意外と少ないのは東京だったりして、東京出身の友達のバンドの曲をやらせてもらったりしました。
野村:そういうのは良いよね。
赤飯(オメでたい頭でなにより)
赤飯:そうやってやることはあったし、今はこれに向けて走ってるんだ!という気持ちがあったのでメンタルを保てていたのですが、47都道府県走り抜けた後に無になった瞬間が訪れまして。
野村:はいはい。
赤飯:ここで結構きましたね、6月7月くらいかな。終わっちゃったけどどうしようって。その結果、ピアノを弾き始めました(笑)。
野村:え?
赤飯:88鍵のピアノを買って、久石譲さんの「Summer」を毎日練習してました。
野村:それは、どこかで公開したの?
赤飯:一応今やっている自分のレギュラーのラジオの後ろのBGM的に置いてみて、実はこれは俺が弾いてました、とドヤ顔で放送はしました(笑)。
野村:凄いよね。普通はそこに行かないもん。
赤飯:元々ギターの弾き語りはやってましたけど、ピアノの弾き語りをやってるアーティストがめっちゃくちゃかっこよく見えて。最近やと藤井風さんとか、リズムの取り方とかダイナミクスの付け方とか本当にかっこ良過ぎて、興味が湧いたんですよね。
野村:ピアノって打楽器だからね。
赤飯:そうなんですよ。もしかしたらギターよりもピアノのほうが自分向いてるんじゃないかなというのもあったし。それで毎日練習してくと、すごい自分の中で進歩がわかるんです。昨日できなかったここが出来るようになってるとか。1か月ちょっと毎日弾き続けた結果、ほぼノーミスで弾けるようになりました。
野村:天才じゃない?
赤飯:いやいや(笑)。あとは、作曲も少し鍵盤を使ってやれるようになったのもあり、改めて作曲の勉強もしています。
野村:あれだけ個性的で、他の人達が出来ないような事をやっているバンドなんだから、もういらないでしょ?
赤飯:いやいや全然です。なんかこうだんだんと欲が出てくるんです。
野村:赤飯はピアノやったり前に進んでるのは分かったんですが、他のメンバー達はなにしてたんですか?
赤飯:ぽにき(ぽにきんぐだむ)とか、めちゃくちゃ体を鍛えた上にボクシングを始めたりしてて。何か前に進んでる感覚が欲しいっていうのが、彼は体に向かったんでしょうね。
野村:他のメンバーは?
赤飯:あとは交友を広めるやつもいましたし、なにしてたかわかんないやつもいますけど(笑)。ぽにきみたいにSNSで逐一報告してたやつはどんどん情報入ってきてました。
野村:じゃあ、そういうところで言ったら会ってなくても不安はなかったわけだね。
赤飯:あとは定期的にリモートで会議はしてたので。配信ライブも3カ月連続であるわけですし、企画会議みたいなものも含めて。
野村:今回で配信ライブは3回目になりますけども、あのアイディアってメンバー間で出してるんだね。
赤飯:うちらが出してるものもありますし、ちゃんと作家さんに入ってもらって作っているのもあります。
野村:すごいすごい。
赤飯:そうなんですよ。結構うちのライブとか見てくださって気にかけてくださってた方がいらっしゃって、今回相談をさせてもらったんです。出していただいた案に対して、うちらが肉付けしてみたり、逆にこちらの案をまとめてもらったり。
野村:実は過去2回も見させてもらったんだけど、ちょっと芝居入ってるのもあって、新しい事をやとうとしているんだなとは思ったよ。
赤飯:えー、そうなんですか? わざわざありがとうございます!
野村:お客さんがいないライブはどうですか?
赤飯:いやぁ......。嘘ついてポジティブなこと言っててもしょうがないんで、最初は配信でやれるしってなっていたんですが、だんだん本物との熱量の違い気づいてきて、そこまでの可能性を感じられていない状況ではあります。
野村:最初の6月末の方は探ってるなぁって思ったんだよ。配信で何が出来るのかみたいな。
赤飯:だいぶ探りましたね。
野村:だけど、6月のイメージがある状態で7月のを見たら、今度全然違うネタできてやがる!みたいな(笑)。7月末の方の配信は真ん中以降くらいから、普通のライブにしか見えなくなっちゃって、素晴らしいなって思いましたね。
赤飯:ありがとうございます! それが聞けて良かったです。1回目の後すごく反省をして、もっとライブはライブできっちり見せられるようにとか、つなぎの部分とかも凄く試行錯誤した結果の2回目だったので。もちろん手ごたえも感じてはいたのですが。
野村:8月29日に3回目の配信がありますけど、今そのハードルを上げてみたって事で良いんだよね?
赤飯:鼻水でたわ(笑)。いやぁ、2回目は手応えがあったので3回目どうしようかって準備中です!
野村:みんな楽しみにしてるんじゃないですかね?
赤飯:奇しくもバンド結成4周年で、「オメでたい頭でなにより」って名前を公に発表したのが2016年の8月29日なんです。なので今回は4周年ならではのセトリとか色々考えてます。
野村義男
野村:4年間はどうでした?
赤飯:あっという間でしたね、ありがたいことに集客も増えていって、よっしゃこのツアーでと思ってた矢先のコロナの事態だったので、心は折れそうにはなりましたけど。散々ネガティブをポジティブに変えるって言ってるバンドなので、落ち込んでる場合じゃないぞと。これきっかけに見直せることもあるんじゃないかって、気持ちを引き締めているところですね。
野村:1番最初に「オメでたい頭でなにより」という名前になった時と、今は気持ちは違ったりする?
赤飯:本当にありきたりなんですけど、もう一度初心に帰るというのを味わってる感じです。
野村:曲を聴いてると、楽曲的にも技術的にもクオリティはどんどん上がっていってるじゃないですか?
赤飯:もちろんそうなんですよ。バンドマンシップみたいなところは、この4年で強くなってるし、仲間も増えましたし。でも、そういう所はありつつも、ファーストを作った時の初期衝動というのか、気持ちは取り戻したいっていうモードではありますね。
野村:ピアノもそうなのかな、きっと何かを変えたいんだよね。
赤飯:そう、変えたいですね。だからこの状況は、バンドがステップアップ出来るきっかけになったという風に解釈しています。
野村:いや、本当に前向きだな。さすがだね。
赤飯:実際はだいぶへこんでましたよ(笑)。
野村:いやいや大丈夫! 4月から一切仕事してない男が目の前にいるから(笑)。プラモデル作ってるだけ、インスタグラマー・プラモデラーですからね。
赤飯:あっははは!(笑) 皆さんノムさんのインスタ見てくださいね、すごいもの作ってますから!
野村:そろそろお時間ということなので、告知をお願いします。
赤飯:はい、8月29日にオメでたい頭でなにより3回目のライブ配信『4周年だヨ!全員集合! ~配信だけど 今 いくね くるね~ 其の参【Streaming+】』をやらせて頂きます。9月5日までアーカイブもご覧いただけるみたいなので、興味のわいた方は見てやってください!
野村:すばらしい。記念の日だしね、みんな一緒に見られたら良いよね。
赤飯:リアルタイムで見るとコメントも流れてきますので、ひとりでみてるわけじゃないぞっていう雰囲気も感じられると思うのでお待ちしております!
野村:それでは本日は配信バンド「オメでたい頭でなにより」の赤飯さんに来ていただきました。ありがとうございました!
赤飯:誰が配信バンドやねん、まだ3回目ですよ!(笑) ありがとうございました!
撮影=大橋祐希
野村義男 / 赤飯(オメでたい頭でなにより)
読者プレゼント
オメでたい頭でなにより 配信情報
公演日:2020年8月29日(土)20:00~
視聴期間:8月29日(土)20:00 ~9月5日(土)23:59まで
販売期間:9月5(土)22:00まで
視聴のみ:¥1,500 / 視聴+4周年記念Tシャツ付:¥5,000
野村義男 リリース情報
発売中
作曲:野村義男
Dr.:宮脇”JOE”知史 B.:岡本崇志 Key.:宮崎裕介 Ag.:三浦拓也 Ag.:徳岡慶也 Cho.:浅野ヨンエ Eg. E.Sitar.:野村義男
(2)「LOVE&PEACH」
作詞:石月努 / 作曲:野村義男
Vo.:石月努 Dr.:衛藤浩一 B.:寺沢功一 Key.:土橋安騎夫 Eg:野村義男
(3)「野良犬」
作詞・作曲:加賀八郎
Vo.:加賀八郎 Dr.:江口信夫 B.:富倉安生 Key.:小林信吾 Eg.:David Ralston Eg.:野村義男
(4)「ヤシの木の下で」
作詞・作曲:野村義男
Vo.:高木ブー Per.:小野かほり B.:斉藤光隆 Key.:浅倉大介 三線・囃子:Merry Cho.:桑田靖子 Ukulele:関口和之 Ukulele:野村義男
(5)「ねぎねぎフルフル」
作曲:野村義男
Voice:Dave Fromm B.:渡辺英樹 Dr.:ロジャー高橋 Eg.:野村義男
作詞:岡田愛美 / 作曲:野村義男
Vo.:宇都宮隆 Cho.:曾我泰久 Per.:立岡正樹 Ag.:野村義男
(7)「お家に帰ろう」
作詞:かまやつひろし / 作曲:野村義男
Vo.:かまやつ”ムッシュ”ひろし Dr.:五十嵐公太 B.:種子田健 Key.:友成好宏 Eg.:野村義男
(8)「Buffalo Drive」
作曲:野村義男
Dr.:村上”ポンタ”秀一 B.:満園庄太郎 Key.:K Vin.:越川歩 Eg.:渡辺香津美 Eg.:野村義男
(9)「星降る愛のTOKYO」
作詞・Ricky / 作曲:野村義男
Vo.:Ricky Vo.:田村直美 Dr.:浜崎大地 B.:和佐田達彦 Key.:nishi-ken Eg.:野村義男
(10)「IN THE LIGHT 〜盲爆のセンチネル」
作詞:出口雅之 / 作曲:野村義男
Vo.:出口雅之 Dr.:村石雅行 B.:エンリケ Eg.:野村義男
(11)「ありがとう」
作詞・作曲:野村義男
Vo.:野村義男 Dr.:近藤真彦 B.:You-na Eg.:Char Eg.:かえちゃん Ag.:武直亮 Ag.:大倉礼 Cho.:浅野ヨンエ・石川俊介・大倉礼・桑田靖子・世良公則・武直亮・田村直美・野村モータースの皆さん・長谷川浩二・長谷川雄太・浜崎大地・松林拓実・Ricky
(12)「レッツ・ラ・ゴォー!」
作詞:世良公則 / 作曲:野村義男
Vo.:世良公則 Vo.:金子マリ B.:石川俊介 Dr.:長谷川浩二 Key.:力石理江 Eg.:世良公則 Eg.:野村義男
ライナーノーツ / ジョー横溝