劇団アレン座第六回本公演『秘密基地』メインビジュアルが発表 ONLINE公演も決定
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2020年9月16日(水)~9月22日(火)花まる学習会王子小劇場で上演される、劇団アレン座の新作舞台『秘密基地』のメインビジュアルが発表された。
メインビジュアルは、秘密基地のような屋上で自由に過ごす出演者の姿が映し出され、今の東京の街が一望でき、文字通り、屋上丸ごと借りて作りあげた秘密基地と呼べるビジュアルとなっている。
また本公演では、新しい演劇リアルの模索を掲げ、ONLINE舞台を開催することが決定した。このONLINE公演は劇場で観客を迎えながらも、同時に自宅のインターネットでも生中継で視聴ができる方法で、新型コロナウイルスへのそれぞれのニーズ、考え方に対応している。
対象公演は、初日公演を除く9月18日(金)〜22日(火・祝)千秋楽までの全ての公演となり、コロナ禍中、都内に移動が難しい人や、
主宰・來河侑希コメント
現在、コロナ禍の中で浮き彫りになった、文化に対する軽視は、保証を持たないエンターテイメントに携わる人々を苦しめ、様々な企画への保証が十分にいきわたらないまま、多くの作品が中止ないしは延期という状態に追い込まれています。また、コロナに対する考え方、スタンスは、人それぞれで大きな考え方の差ができてしまい、人と人の気持ちが分断されているような状態になっているように思います。そういった現状に対し対応するために、ONLINEでの演劇の上演を行うこととしました。コロナに感染させない対策を現在のガイドラインを模索し発信はしておりますが、やはり公演に足を運ぶのに恐怖を感じ、行きたくても行けない人が存在するというのは至極当然の現状だと思います。だからこそ私たちは、その様々な懸念に対応した演劇の発信が必要なのでは?と考え、今回、実際に行う公演の同時配信を、初日以外の全日程で行うことを決定いたしました。
新しい日常において、過去と向き合い、今を考え、未来を展望し今をどう楽しめるかが課題になってくることが本作の根幹ですが、まさに制作面においてもこれを考え新しい演劇の道を模索したいと考えます。
「今こそ、過去の自分に誇れる自分でいるのかということを考え、役者を通してお客様自身も過去と向き合い、今を考え、未来を展望する。ウィズコロナ、アフターコロナに、自己を強く持ち、明るい未来を想像して進んでいって欲しいと思う。」という本作の演出家、鈴木茉美の言葉を受け、考えついた一つの答えは、今の時代を受け入れ制作面でも対応して進化していく。そして本当の意味でウィズコロナに対応した演劇様式を真剣に模索していきたいと考えます。
オンラインの
生で公演する舞台にはやはり叶わないかもしれませんが、映画やドラマとはまた一味違う、映像体験ができるのではないか?と思います。そしてまた、舞台を見ることはできるようになった時に、一緒に笑える日が来る未来を見据えて心を豊かにしていければ幸いです。この度のONLINE演劇は実験的な要素も多数出てきてしまうかもしれませんが、是非、新しい舞台様式の発信に注目をしていただきたいと思います。
そして共に進化させていきましょう。
作・演出・鈴木茉美コメント
コロナで自粛生活が続いた人々が向かう先は、今をどう楽しめるか。自炊してみたり、映画を見たり、ジョギングしてみたり、今できることをやっている。在宅ワークやリモート会議も増え、人々はバーチャルの世界でも充実を求めるだろうということは、「あつまれどうぶつの森」などのヒットで想像できること。
ただこの話で伝えたいのはそういうことではない。所詮バーチャルはバーチャルだし、現実は現実だ。
やりたいのは、では今の自分と向き合っているかということ。
人は結局一人の人間で、様々な失敗を繰り返しながら学び、育った環境や人間関係を通して自己分析を繰り返し年を重ねていく。今やるべきことは、ただ「今を楽しむ」ことではなく、「過去を振り返り、未来を作っていく力を養い、その上で今を楽しむこと」ではないだろうか。いやもちろんそれだけではないだろうけれど、私は必要なことの一つにこれをあげ、やりたいと思った。
「今あなたは、過去の自分に誇れる自分でいるのか」
昨今SNS上での誹謗中傷に人々は振り回され、またその気は無くとも加害者になっている。しかし、これさえわかれば明日からの生活は一変する。同じできことでも冷静に受け止め、自分の力でプラスの方向へ進ませることができるだろう。自分で自分を認めることができれば、他人の些細な言動に振り回されることはないと断言する。もちろん他人を受け入れないというわけではない。他人を受け入れ自分の考えを柔軟に変化させていく力がつくということだ。「あの頃は良かった」という言葉は、自分の身体的・精神的成長に対して平等ではない。「あの頃も良かった(今の方がいいけど)」そう思える人生の方がよっぽど楽しくはないか?
この芝居を通して、観客にそう思って欲しい。過去と向き合うこと。まずはそこから。この芝居では、役者を通して観客自身も過去と向き合い、今を考え、未来を展望する。アフターコロナに、自己を強く持ち、明るい未来を想像して進んでいって欲しいと思う。
教育学、心理学、宗教観についてこれまでの人生で深く学んできた私は、この作品を作るために今があるのではないかと思うほど、
携帯電話一つで世界とつながる現在、現実では冴えない大人たちも、ゲームの中では楽しい時間を永遠に過ごすことができる。
VRゲーム「秘密基地」の招待状をもらった彼らは、暇つぶしにとそのゲームにアクセスする。
そこは脱出ゲームにも似た一風変わった世界。 彼らの使命は「この世界に隠された社会の闇を探すこと。」 脳を支配され脱出不可能なそのゲームの中で、初対面の彼らはお互いに協力し、ゲームクリアを目指し現実世界へ帰ろうとするが……。
―これは自分の今と過去を繋ぐ物語 ―
公演情報
鈴木茉美