mahina、今多くのリスナーを魅了する歌声と世界観に迫るーー「私は、自分をすごく尊敬したいと思っているんです」
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mahina
2020年より本格始動し、2020年4月「Light Of The World」、5月「GRIMM」、7月「everyday」と3作連続で配信リリースし、その類まれなる繊細かつ力強いボーカルと、曲世界を明確に視覚化したミュージックビデオでリスナーを虜に。9月2日(水)にはニューシングル「羊」を配信し、9月5日(土)には、『FILM LIVE “A DAY”』と題した初の配信ライブを実施するなど、その制作意欲は留まることを知らない。しかし公式サイトなどには、mahinaについての詳細はほとんど記載されておらず、素顔を一切見せないビジュアルや、その異彩を放つミステリアスな雰囲気も含め一度触れたら引き込まれる魅力を持つアーティストとして話題を集めている。今回SPICEでは、インタビュアーにFM802 DJの深町絵里を迎え、そんな謎多きmahinaを紐解く対談を敢行。新曲「羊」や配信ライブに関してはもちろん、mahinaとは一体どういう存在なのか。どのようにして聴くものを魅了する作品を作り上げていくのかといった、パーソナルな部分から音楽的な背景まで、存分に語ってもらった。
mahina
●実は自分の消えてしまうような声がコンプレックスで●
よろしくお願いします。
ーーいきなりですけれど「mahinaとは」というところから聞かせていただこうと思います。資料ではシンガソングライターと書かれていたり、音楽プロジェクトという言い方をされているときもありますよね。
mahinaは、バンドメンバーやスタイリスト、サウンドプロデューサーなど関わってくださる全ての人を合わせてmahinaとしています。
ーー支えてくださる方が裏にたくさんいらっしゃって、チームみんなでmahinaを作り上げているという事ですね。mahinaというワードもとても素敵だなと思うのですが、由来は何なのでしょう?
mahinaは、ハワイ語で月の光ということなんですけど、直感で良いなと思ってシンプルに決めました。
ーーmahinaさんが音楽を始めたきっかけは何だったんでしょうか。
小さい時から気づくと歌歌っていたり、踊りだしたりするような子供だったので、音楽に触れることが当たり前で。アーティストになるということも、当時から当たり前のように思ってました。
ーー音楽をやるといっても、楽器をやったりいろんな形がありますが、やっぱりシンガーだったんですね?
小さい時から歌詞を特に気にしていましたし、言葉の選び方や言葉を音楽に乗せて歌うということ自体、すごく尊敬していたので、私もシンガーになりたいと思っていました。
ーー癒される声でもありつつ、勇気づけてくれる声が本当に素晴らしいなと思っているのですが、ご自身の歌声はどういうふうに思ってらっしゃいますか?
実は自分のちょっと「パン!」と鳴らしたら消えてしまうような声がコンプレックスで。でも最近になってチームの皆さんが生み出してくれる音楽に乗せることで、自分の声の魅力に気づくことも出来て好きになることが出来ましたね。
ーーmahinaさんの魅力を最大限に引き出す音と出会ったからこそ、好きになれたということですね。素敵です。
そうですね。皆さんのおかげです。
ーーちなみに憧れていたアーティストはいらっしゃいますか?
全部に影響を受けがちというか。聴く音楽も日本で流行ってる曲から、マイナーな曲、海外の曲も全部ランダムに「今月はこのプレイリストで聴いてみよう」というふうに聴いているので、この人がすごく好きみたいなのはないんです。
ーー特別好きなアーティストとか憧れとかは特にない?
はい。全部が一つのアーティストだったら良いのになと思うくらい全員の音楽が違うし、とても良いので、この人だけの音楽を聴いてみたいというよりは、いろんなアーティストのいろんな曲を全部聴いてみたいという感じです。
●私は、自分をすごく尊敬したいと思っている●
mahina
ーー本当に色んな所から吸収してきて今があるのですね。今回はこの機会にmahinaさんご自身のことについても聞きたいなと思っていて。ちょっと掘り下げてみたいなと思うんですが、趣味はございますか?
お酒が好きですね。仲の良い友達と飲んだり、一人で飲むのも両方同じくらい好きです。
ーーそうなんですね! じゃあこのステイホーム期間は充実してたんじゃないですか?
すごく充実しましたね(笑)。
ーーハハハ(笑)。ちなみにmahinaさん自身は自分のことをどういう人だと思いますか?
マイペースですね。あんまり人に惑わされないです。自分にストイックというか、自分は自分、人は人という気持ちでいます。私は、自分をすごく尊敬したいと思っているので。
ーーストイックなエピソードってなにかありますか?
聞く人によっては「それストイックか?」と思われそうですが、お仕事でこれすごく大変だなと思うことを、絶対に後回しにせず先に済ませたり。小さい時も宿題とか夏休みの初日に全部終わらせてから遊びに行くようなタイプでした。
ーー楽曲作りもスピーディーに行いそうですね。
そうですね。なるべく早く仕上げたいなと思っています。煮詰まることもありますが、「もっと粘ろう」よりも「だったら違う手段考えよう」みたいな感じで切り替えをうまくやっています。
mahina
ーーストイックという言葉が出てきたので、mahinaさんの歌声についてもお聞きしたいのですが、その魅力的な歌声を保つために日々やっていることとかありますか?
大したことはしていなくて。好きな食べ物を食べて、寝て。本当に自分の生活スタイルを崩さず、ストレスを溜めずに暮らすことですかね(笑)。
ーー自分の生活が自分らしく居られれば、それがアーティストとしてパフォーマンスにも繋がっていくということですね。
少し前までは他の誰かになりたいと思っていたのですが、今は自分のスタイルを変えずに、自分を極めることで生み出せるものがあるほうが素敵だなと思っています。
ーー先程、自分を尊敬したいと仰ってたのが素敵だなと思って。自分を尊敬するために、日々の生活を大事にしたり、自分の気持ちを大事にして暮らしてるということですよね。すごく素敵な考え方だと思います。それが大事なんだと気付けたのは、何かキッカケがあったんですか?
mahinaとして活動していくにあたって、周りで一緒にやってる方々の影響はかなり大きいと思います。愛情表現を恥ずかしがらずに伝えてくださる方達で、私のコンプレックスみたいなところも、「いいじゃん! そこも出していこう!」と言ってくださるんです。その影響もあって、自分を大事にしようと思えるようになりましたね。
ーーチームとしてのmahinaは本当にポジティブな方々が集まってますね。
そうですね、どこからその自信が湧いてくるんだろうというくらいポジティブ。何かあっても「まあ、できるよ」みたいな感じの人が多いです(笑)。
ーーとても良い環境のなかでやってらっしゃるんですね。そんなチームで制作している作品もとてもいい作品ばかりですが、曲のイメージはどういうところから湧いてくるんですか?
日常生活だったり自分が観た映画やドラマだったり。あとは人に会ってお話しを聞いてとか。様々な生活の中で経験したことを曲に取り入れたりしますね。
ーー気になったことがあったり感銘を受けたことが音楽に繋がっていると。日頃からメモとかされるのですか?
もうその場で、今すぐ曲を作りたいなと思ったら家に帰って作ります。
ーーじゃあ例えば誰かとお話して、食事したりして、「曲ができそう!」と思ったら帰っちゃうんですか?
はい、帰ります!
ーーえっ、帰るの?
できあがったら戻ります。
ーーえっ、戻るの!? おもしろいなぁ(笑)。 それを受け入れてくれる周りがいるという事ですね。
ただの変な人だと思われてるかも知れないですけど(笑)。
ーーなかなかのマイペースエピソードでした。そうやって生まれた楽曲ですが、今年に入ってから3作連続でリリースがありました。これがどれも素敵で、すごい世界観ですよね。この3曲はどういった経緯で生まれたのですか?
「Light Of The World」は、私の声を聴いて作家さんがイメージして書いてくださった曲なんです。<愛は誰も裁かないよ>という歌詞があるのですが、私自身が今まで自分の中で大切にしてきた言葉でもあったので、いつも感動しながら歌わせてもらっています。「GRIMM」は小さな男の子が社会というか、今の世の中に羽ばたいていくようなお話なんですけど、絵本を読み聞かせるストーリーのような感じで書きたくて。<悪魔がいるから 天使がいるの?>というフレーズもあったり、グリム童話とは違うんですが、童話風に作った歌で。「everyday」は、実は結構寝かせていた曲で。mahinaにとってはこれが全ての始まり、ここからスタートしたいという気持ちで書いた曲なんです。
ーー本当に、チームとしてのmahinaは、皆さん想いがすごくしっかり共有されてるんだろうなと思うんです。というのもミュージックビデオが素晴らしくて。今回、先に音だけ聴かせてもらった後に、映像を観たんですが、まさに曲の世界観を映像にしていて。こんなに音と映像がブレてない作品は、他にないんじゃないかって思うぐらい、どの作品もそれを感じました。
ありがとうございます。映像チームの皆さんもほんと素敵な人たちで。皆さんの世界観を観たり聞いたりして、私自身もいつも感動したり驚いたりします。素晴らしいミュージックビデオを作ってもらって嬉しいです!
ーースケールも大きいですよね。「everyday」のミュージックビデオの舞台、あれもすごい場所ですよね。氷の上に灯台があって。
私もびっくりしました。現実離れした場所というか、想像を超えるすごい綺麗な場所だったので。 撮影は寒くて過酷でしたが(笑)。
ーーそして、いよいよ9月2日(水)にニューシングル「羊」がリリースされます。この曲はどんな曲に仕上がりましたか?
「羊」は、社会的なルールや法則を羊の群れに例えているんですが、どうしても会いたい大切な人が現れたら、そのルールがあったとしても、ただ会いたいというシンプルな気持ち一つで逆らっていけるというメッセージを込めています。これってどういう歌だろうみたいに思う部分もあると思うんですけど、伝えたいことは意外とシンプルで、「難しいことはあるけど、大切な人にただ会いたい」という歌です。
ーー曲の展開もすごいドラマチックな曲ですよね。コーラスも世界を後押ししているし、すごい広がりのあるサウンドだなと思います。ミュージックビデオも曲の配信と同時に公開されるということで、ぜひ一緒に楽しんで頂きたいなと思います。
素敵な映像になっているので是非観てほしいですね。
●どこにもいないようなアーティストになれたら、新しいことに触れる機会も増える。それが楽しみなんです●
mahina
ーー9月5日(土)には初の配信ライブ『FILM LIVE “A DAY”』を配信されるということですが、こちらはどのような内容なんでしょうか?
タイトルの通り色んな場所で、一日中歌って、それを物語のように繋いでいるので、本当に映画を観ているように楽しんで頂ける作品になっていると思います。
ーーこれは既に撮影が終了してそれを配信するという形なんですよね。1日の流れを曲で表現するというのは面白い試みだと思うので、非常に楽しみです。
本当に一日の流れと共に撮影していて、全て終わった時に時計を見たら24時間経っていました。どんな作品になっているのか私も早く配信を観たいくらいです。
ーーまだ配信前なので、あまり話せないかと思うのですが、どんな所で、どんなふうに撮影したか、少しだけご紹介いただけるポイントはございますか?
mahinaのミュージックビデオのように自然の中での撮影が多いです。自然に囲まれた場所で、ちょっと現実離れしたような演出で撮影している曲もあります。衣装も曲のイメージや全体のイメージに合わせて何度も調整して考えました。曲や時間の移り変わりに合わせて、衣装も変わっていくのでそこも見てほしいですね。
ーー1日を演出するということは、光の演出も時間経過で変わっていく自然のものということですよね。本当にロマンティックな映像になりそう。
「夕日が沈んじゃうから早く撮ろう!」みたいなこともありましたね。その瞬間でしか撮れない映像になっていると思います。あと、曲や歌のアレンジも全部この日のために変えている曲もあるので、音源とは違う感じで楽しんでもらえると思います。
ーー本当に特別な配信になりますね! 最後にお聞きしたいのが、この先のmahinaについてなのですが、これからどういうビジョンを描いていますか?
私自身まだmahina初心者なんですが、日本を代表するアーティストになりたいと思っていますし、続けていくなかで「もっとこんなmahinaになりたい」というのを常に見つけていけるアーティストになれたらいいなと思っています。どこにもいないようなアーティストになれたら、何か新しいことに触れる機会も増えるでしょうし、それが楽しみなんです。そのなかでまたやりたい、なりたいものを見つけてやっていきたいなと思っています。
ーーありがとうございます。mahinaさんってどんな人だろうというところからお話させていただきましたが、ブレない自分軸を持ちつつ、まだまだ様々なところから吸収していくんだろうなと思いました。これからのmahinaに期待が高まりました。本日はありがとうございました!
mahina
取材=深町絵里 文=城本悠太
配信情報
視聴無料