K-1からRIZINへの“越境者”皇治 初陣で“神童”那須川天心戦が決定
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コロナ禍を越え、半年ぶりの2連戦を成功裡に終えたRIZIN。続いて2ヵ月連続の開催にして昨年大晦日以来となるさいたまスーパーアリーナ大会「Yogibo presents RIZIN.24」が発表となった。
8月26日、東京・目黒のホテル雅叙園で会見が行われ、大会の開催とともに第1弾カードとして那須川天心vs皇治のキックルール戦が明らかとなった。皇治は7月の会見でK-1との契約を解除してRIZINに参戦することを表明し、8月9日の「RIZIN.22 - STARTING OVER -」ではリングに上がって那須川に対戦を迫り事実上決定の流れとなっていたが、間を置くことなく早くもこの一戦が実現することとなる。
▼スペシャルワンマッチ
那須川天心(TARGET/Cygames)
vs
皇治(TEAM ONE)
デビューから40連勝無敗、今も進化する“神童”那須川
那須川は中学卒業後の2014年7月にデビューしてからプロ公式戦40連勝。実に6年に渡り無敗を誇り、トーナメント制覇を含み7つのタイトルを獲得している。
特に直近の2試合は圧巻で、昨年大晦日に“国内頂上対決”と見られた江幡塁との一戦に臨むも寄せつけずに初回KO勝利。またコロナ禍により今年は初戦が遅れたものの、7月の笠原友希戦もやはり1R KOで退けた。16戦15勝(7KO)1敗、那須川より若い19歳で長身・サウスポーと期待された笠原だったが、左フック・右フック・右フックと3度のダウンでマットに沈めた。
サウスポーから繰り出す左に“ライトニングレフト”の異名を持つ那須川だが、江幡戦・笠原戦とも右フックでダウンを奪取。左に加え右も倒せる武器として確立させつつあり、すでに“最強”レベルにありながらさらに進化しているあたり“神童恐るべし”と言わざるをえない。
関西からの“成り上がり”皇治
対する皇治は日本拳法の師範を父に持ち、自身も日本拳法と空手を経験。プロデビュー後は関西のリングを中心に活躍し、実力を増すとともに東京へも進出を始める。
そして2016年、新生K-1に出場を開始すると、卜部功也、大雅といった格上に挑発と舌戦を仕掛ける“皇治劇場”を展開。その存在が大きくクローズアップされることとなる。
注目こそ集めるものの、当初はこの格付けを覆すには至っていなかった皇治だが、エポックとなったのは18年3月の卜部弘嵩戦。戦前から闘志をむき出しにした弘嵩を打ち合いの末に延長戦判定で降して上位越えを果たすと、弘嵩の同門でK-1のエースである武尊を引き出すことに成功する。
両者の戦いは18年12月、新生K-1初の大阪大会で実現。事前の“皇治劇場”に怒りを爆発させたかの武尊は1Rと3Rにパンチでダウンを奪取。意地を見せた皇治は最後まで立ち続け打ち合いを繰り広げたが、武尊が本戦判定で退けた。
“新生K-1最大のお騒がせ男”とも言うべき皇治だが、19年はヤン・サイコ、大岩龍矢、川原誠也と3連勝。しかし「格闘技界を変えたい」とかねてより発言しており、遂に自ら行動を起こし、違約金を払ってK-1との契約を解除、RIZINへ戦場を移した。
皇治、不利予想に一矢報いるか
「RIZIN.22 - STARTING OVER -」(8月9日)で挨拶に立った皇治は那須川をリングに呼び込み、フロイド・メイウェザーのお面を手渡すなど早くも“皇治劇場”を展開。
「こんなボロボロの俺が、神童を泣かせようと思ってます。泣きそうになったらこれ(=メイウェザーのお面)かぶり」と先制ジャブを放ったが、那須川も「(対戦は)別にいいんですけど、“相手になるのかな”っていうのが正直あるので」と余裕を崩さず、「ボッコボコにしてやろうかと思います」とキラーな一面をのぞかせた。
8月26日の対戦発表会見で、皇治は「負け戦しにいく訳じゃない。全身全霊を懸けて奪うつもりです。不可能や言う奴はほざいとけって感じです。根性で行きますよ」と不利予想に対し牙を剥く。
対して那須川は「しっかり勝って格の違いを見せて、格闘技の根本というか原点をハッキリさせる試合にしようと思います」とコメント。那須川は江幡戦、笠原戦の前にも「差を見せたい」「格の違いをしっかり見せる」といった発言をしており、今回もそれを再現する構えだ。
大会はオンラインによるLIVE中継のほかフジテレビでの当日放送も決定。那須川vs皇治戦は生放送が予定されている。神童が問題なくプロ41勝目を飾るのか、あるいは皇治が一矢報いるのか。格闘技界を変えんと垣根を越えてきた、その行動の意味が測られる戦いとなる。