ピアニスト・反田恭平がウィーン・デビュー 楽友協会にて佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団と協演
反田恭平
2020年10月25日(現地時間)、ピアニスト・反田恭平が、佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団(Tonkünstler-Orchester)とオーストリア・ウィーン楽友協会でデビューを飾った。
今年4月以降、コロナ禍で多くの公演中止・延期が続き、現在でも会場のキャパシティを減らしての公演が行われている日本。その流れは世界でも同様で、ウィーン楽友協会もまた、現在収容人数を最大1,000名としている。今回のコンサートもディスタンスをとった形で行われたが、反田の演奏が終わると同時に暖かな拍手とブラボー、そしてスタンディングでウィーンのコンサートデビューは迎えられたという。
写真:YaromyrBabsky リハーサルより
この日のプログラムは、シベリウスの「フィンランディア」、「交響曲第7番」、そして転換後ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。舞台から降りてきた反田に、マエストロ佐渡は「本当によかった、よかった!!おめでとう!」と何度も何度も声を掛け、アンコールには、モーツァルト /ヴォロドス編「トルコ行進曲」をリクエスト。隣で聴くマエストロ、団員、客席全てを笑顔に、一体にしてコンサートを終えたという。終演後、反田は、「いい意味で、長かった!たっぷり味わいながら演奏できました。今、自分が出せる全て出しきった感じがしました。リハーサルではなかった団結感があったような気がします。そしてとても課題が見えました」と興奮冷めやらぬ様子で充実感をのぞかせるとともに、更なる飛躍を感じさせるコメントで振り返った。
写真:YaromyrBabsky リハーサルより
本公演は、11月4日(現地時間)にも行われ、現地ラジオ局「ORF Ö1 Radio」での放送も予定されている。また、今回の在墺中にはプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」の録音も佐渡&トンク菅のコンビで予定されており、このアルバムは自身のレーベル・NOVA Recordから2021年2月末にリリースされる予定だ。
コロナ禍においても、いち早く有料ライブ配信の実施、ブルグミュラーの録音・解説の配信、YouTubeでのVログ開始など、新たなことに積極的に挑戦してきた反田。10月23日には、自身が代表を務める株式会社NEXUSが、株式会社イープラスとパートナーとしてエージェント契約を締結したことを発表しており、今後の活動にも注目だ。