Bitter & Sweetインタビュー1年半ぶりとなる3rdシングル「だけど会いたい」はKiroroの玉城千春が作詞・作曲。レジェンドが書き下ろした切ないラブバラード

2020.11.12
インタビュー
音楽

Bitter & Sweet

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ピアノシンガーの田崎あさひとヴォーカリストの長谷川萌美で結成されて、7年になるBitter & Sweet(ビタースイート)。2人の歌声がメロディとハーモニーを行き来する美しいコーラスワークで、聴く者を魅了してきた。1年半ぶりとなる3rdシングル「だけど会いたい」はKiroroの玉城千春が作詞・作曲。レジェンドが書き下ろした切ないラブバラードで、2人は大人な新境地を開いた。

——3年前にメジャーデビューしたとき、田崎さんは願掛けで4年半アイス断ちをしていて「やっと食べられる」と話してましたが、今はアイスは食べ放題ですか?

田崎あさひ:そうですね。ライブが終わった後とか、2人で「ミニ打ち上げしよう!」って、コンビニでちょっとお高めのアイスを買って、食べたりしています(笑)。

——田崎さんはうどんの食べ歩きもしているとか。

田崎:やってます。有名なお店を調べて、1日で3軒回ったこともありました(笑)。うどんが大好きで、特に素うどんにセルフでねぎをたくさん入れるのが好きです。

長谷川萌美:麺が見えなくなるくらい入れてます(笑)。

田崎:しかも七味がまた好きで、一緒にバーッと入れちゃいます。

長谷川:あさひちゃんが食べた後は薬味がなくなります(笑)。

田崎:だから「先に要る分だけ取って」と言って、あとは全部もらっちゃう。お店の人に怒られないように、気持ち残しておきます(笑)。

——うどんに関して、何かこだわりもあるんですか?

田崎:私は長崎出身で、九州に多い柔らかめのうどんが好きでしたけど、関東の腰のあるうどんもおいしいと思い始めて、今はどっちもいけます(笑)。

——長谷川さんは日本酒を飲み歩くそうですね。

長谷川:よく日本酒バーに飲み比べに行ってます。地元の新潟に行く機会も多いので、県産のいろいろなお酒を飲んで楽しんでます。

——量もかなり行けるんですか?

長谷川:弱くはないみたいです。父親譲りの新潟県民の血が流れているのか、打ち上げとかでは周りの方が先に酔っていることが多いです(笑)。

田崎:萌美ちゃんは、たぶんフラフラしているんだろうな、というのはわかります。

長谷川:本当に!?

田崎:酔っても自我はしっかり持っているよね。

長谷川:私は酔ったらいけなくて、酔った人を助けないといけない気がするので。

——一方で、長谷川さんはどら焼きにも目がないとか。

長谷川:あんこは元から好きで、去年くらいからセブンイレブンで売っている生ホイップどら焼きが、めちゃくちゃおいしくて! 1曲できたら自分へのご褒美で1個食べるとか(笑)、一時期すごくやっていました。

——2人でごはんに行くこともあります?

長谷川:ほぼ毎日一緒にいるので、食事も一緒な感じです。

田崎:前に家族ぐるみで焼肉を食べに行きました。はせママとあさママも一緒に(笑)。

——2人に共通することというと?

田崎:何だろう? ロックが好き?

長谷川:2人ともロックを聴いて育ってきました。私はクイーン、あさひちゃんはRADWIMPSさんがずーっと好きで。

田崎:私は邦楽が多いですね。

長谷川:私は洋楽中心で、アヴリル・ラヴィーンとかテイラー・スウィフトとか、いろいろと。2人で話していると「このベースのリズムが面白いね」ってマネしたりします。

——でも、Biteer & Sweetでやっているのはロックでなくて。

田崎:ロックも好きですけどバラードも好きで、私たちの声が活かせるのは何よりハモリの掛け合いなので、そちらをメインに歌わせてもらっています。

Kiroroさんの「長い間」とかを弾き語りでカバーさせていただいたり、普通に小学生のときに「Best Friend」を歌ったりしてきた

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——そして、3rdシングル「だけど会いたい」がリリースされました。1年半ぶりになりますが、「今こんな曲を歌いたい」というイメージはあったんですか?

長谷川:前回の「遠いところへ行くのでしょう」がフォーク調で、ショッピングモールでのイベントで歌わせてもらうと、子どもからお年寄りまで、すごく乗ってくださったんですね。今回も「ゆったりしたテンポで、皆さんの心に寄り添うような曲を歌いたい」というのはありました。

田崎:世界的にこういう状況で、イベントで歌いに行くのが難しい中で、このタイミングでリリースさせていただけるのはビックリしましたし、それ以上に「また歌えるんだ」という嬉しさがありました。

長谷川:前回はタイトルに掛けて、日本各地を遠いところまでじっくり回らせていただいたんです。47都道府県の半分くらい行って、秘境と言われるような場所でも歌いましたけど、今回はできなくて。「だけど会いたい」というタイトルはピッタリだねと、話していました。

田崎:私たちは2月から8月までライブができなかったので、その分溜めてきた想いを、皆さんの心に届けられたらいいなと思います。

——曲をもらう前に、玉城千春さんに書いてもらうことは聴いていたんですか?

長谷川:それが全然聴いてなくて、曲をいただくのとほぼ同時に知ったんですけど、衝撃でした。私たちはKiroroさんの「長い間」とかを弾き語りでカバーさせていただいたり、普通に小学生のときに「Best Friend」を歌ったりしてきたので。

田崎:合唱してました。

長谷川:すごく尊敬している方に曲を書いていただいて、プレッシャーもありつつ、「大切に歌っていこう」という気持ちでレコーディングしました。

——楽曲に玉城さんらしさ、Kiroroっぽさは感じました?

田崎:柔らかいメロディなのにストレートな歌詞で心にズンと来たり、誰でも歌いたくなるようなところは、Kiroroさんっぽいと思いました。

長谷川:確かに、メロディがきれいだなと思うところは多いですね。あと、サビの最後にたたみかけてくるところも、Kiroroさんらしさを感じます。私たちもそこで盛り上げていくように歌いました。

——2人組で歌うのにハマるツボもありました?

長谷川:最初は1人ずつ、しっとりと歌い始めて、サビに向かってだんだんと、きれいなメロディを一緒になぞっていくようなハモリとか、合っていると思いました。

——歌ううえで難易度は高かったですか?

田崎:私たちは今まで、曲にニュアンスを付ける歌い方をしてきましたけど、今回はKiroroさんのようにストレートに歌うことを初めて意識しました。耳馴染みの良い歌詞がスッと聞こえてくるように。そこは自分の歌い方にクセがあった分、苦戦しました。

長谷川:ディレクションをしてくださった方が、Kiroroさんのディレクターもされていて、「玉城はこう歌っていたよ」というお話も聴きました。母音を押し出すような歌い方とか、歌詞がよく聞こえる技も教えていただきながら、丁寧に歌いました。

こういう歌詞でもわりと笑顔で歌っていた感じです

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——この歌詞の女性は失恋したのでしょうか? まだ別れる手前でしょうか?

長谷川:私はいろいろと考えすぎてしまったんですけど、聴いてくださる皆さんにそれぞれの想いを重ねてもらうために、世界観を作りすぎないようにしました。歌い方もストレートにしていますし、小説を朗読するように、あまり色を付けずに淡々と歌う方向で考えました。

——あえて歌詞の背景を掘り下げずに。

長谷川:もう想いが叶わないことはわかっていて、それを悲しいとか表現するのでなく、心の中に留めていて。消化することもできないまま抱えているけど、前を向いて行こう。苦しくて悲しくて寂しさもあるけど、強く生きていこう。そんなメッセージが皆さんの心に刺さるんじゃないかと思います。

田崎:すごくきれいなメロディだから、パッと聴くと「恋が叶った歌なのかな?」みたいに感じますけど、歌詞をよく聴くと「あれ?」という。そういうギャップも楽しんでいただきたくて、何も色を付けない歌い方をしました。

——本当にメロディは穏やかなのに、歌詞は激しいですよね。“全部焼き尽くしたい”とか。

長谷川:消えない炎がまだ胸の中にある感じですね。

田崎:私は“同じ痛いをあなたに分けてあげる”というフレーズがズシンと来ました。「私はこんなに好きで、こんなに痛みがあるのに、あなたにはきっと届いてないんだろうな」という諦めもありつつ、「だったらいっそ、この痛みを分けたい」と思っていると、私は解釈しました。すごく重いひと言ですね。

長谷川:私もそこは衝撃的でした。あとひとつ、最後のほうの“暗い海の底には白く輝いてるあたしの愛があるの”というところですね。壮大さも感じましたし、重みというか、きれいなんだけど深い感じが、よく表れていると思いました。

——“あたしの体半分 ストンと切りとられてしまったよ”というフレーズもありますが、そんな痛みはイメージできますか?

田崎:私はよく小説を読んでいて、失恋系が多いので、「登場人物のあの子もこういう気持ちだったのかな?」というのは、ちょっと思いました。

——どんな小説ですか?

田崎:それが私はネットで読んでいて、作品と出会ったときの衝撃を忘れたくないので、もう1回読むことはしないし、タイトルも作者の方もあえて見ないんです。だから、誰の何という作品かはわからなくて。

長谷川:その痛みはすごいんだろうなと思いつつ、恋愛に限らず、心に穴がぽっかり開いたような虚無感とかは、たぶん誰でも感じたことはあるので。そういうところを想像しながら歌いました。

——同時に、そんな激しい歌詞にも、さっき出たように感情は込めなかったわけですね。

田崎:そうすると、重くなってしまうかなと。だから、こういう歌詞でもわりと笑顔で歌っていた感じです。

長谷川:肩の力を抜いてました。

ファンの方も見たことのない表情を引き出してくれたと思います

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——MVでも、2人が草原で歌っているシーンは気持ち良さげでした。

田崎:その日は雨の予報で、私たちの真上だけ晴れていて、周りでは雷がゴロゴロ鳴っていたんです。雨も降っていたみたいで。

長谷川:「あの雨、来るんじゃない?」と話していたんですけど、風向きのせいなのか、全然こっちに来ないで、ずっと晴れていてくれました。

田崎:何か持ってましたね(笑)。でも、太陽に向かって歌ったりするとき、私が目を全然開けられなくて、何回も撮りました。

長谷川:「目を開けて」とずっと言われていたね。

田崎:「無理、無理」と言ってました(笑)。萌美ちゃんは目をガン開きできるのに、私だけダメで、ジャケット写真の撮影も苦戦しました。いい感じにしてもらいましたけど、ちょっと薄目をしています(笑)。

——1人ずつのシーンでは、田崎さんが自宅、長谷川さんが喫茶店にいました。何か設定があったんですか?

長谷川:私が旅のバッグを持って、先に集合場所に着いていて、あさひちゃんを待っているんです。あさひちゃんは支度をしていて、それぞれ悩みを抱えてますけど、その後にあの天気のいい草原で、想いを吹っ切るようなイメージで、太陽に手をかざしたりしながら歌っています。

——細かいことだと、長谷川さんは喫茶店で何を飲んでいたんですか?

長谷川:ブラックコーヒーです。「飲める?」と確認していただいて、普段から飲んでいるので「大丈夫です」と、ちょびちょび飲みながら撮影していました(笑)。

——田崎さんの実際の部屋も、ああいうふうにこぎれいな感じ?

田崎:うわーっ(笑)! あれくらい必要最低限のものしかなくて、きれいなのは理想ですけど、私の部屋はピアノもギターもあって楽器類が多くて……。

長谷川:布類が多くて、フカフカした部屋だよね?

田崎:クッションとかもあります。部屋が散らかっていると、精神的に病んでしまうので。出来上がったMVでは、萌美ちゃんのところはドラマチックな感じじゃないですか。「すごいな。きれいだな」と思って観てました

長谷川:本当に? 嬉しい。

田崎:「こんな表情をするんだ」と思いました。普段は笑顔でしゃべってますけど、ふとした瞬間のスンとした顔が、何か憂いている感じで魅力的でした。

長谷川:そこはすごく意識しました。普段の私は全然ああいう感じではないので(笑)。この曲が現場でずっと流れていて、ファンの方も見たことのない表情を引き出してくれたと思います。

——カップリングの「新芽」のほうも、失恋から立ち直って歩き出す歌ですね。

田崎:両方とも失恋ソングですけど、「新芽」はドラムが力強く入っていたり、打ち込みがあったり。

長谷川:情熱的だよね。

田崎:第一印象で、ミュージカルで流れてきそうな曲だと思いました。

長谷川:私は篠原涼子さんみたいなカッコイイ女優さんが出ているドラマのエンディングにかかっている感じがしました。キラキラした恋愛も出てくるストーリーに合いそうで、失恋ソングだけど華やかな色が見えるような、素敵な楽曲ですね。

——お2人の歌声も凛々しさを感じます。

長谷川:“私らしく生きていこう”という歌詞があって、強くなろうとしている女性の気持ちが現れていると思いました。サビの“ひらひらと”のところは女性らしさもありますけど、最後のほうは強めに、熱い声でワーッと歌っています。

田崎:体力を使いました。

長谷川:壮大でロングトーンもあるので。でも、すごく歌い甲斐がありました。

——この2曲のような、悲しみから立ち直るときや気持ちを切り替えたいときには、どんなことをしますか?

長谷川:夜中にサブスクでいろいろな曲を聴きます。お気に入りの楽曲をかけて、明日のことを考えたりもしますし、落ち込んだときはスピッツさんが多いかもしれません。

田崎:いいね。

長谷川:「空も飛べるはず」、「ロビンソン」、「死神の岬へ」、「青い車」……。それから、初期のアルバム『オーロラになれなかった人のために』とか。お風呂でかけるとエコーも効いて、いい感じになります。

——そういう曲を聴きながら、お風呂で涙を流していたり?

田崎:エモい(笑)。

長谷川:枕を濡らして……みたいな夜もあるんじゃないですか(笑)。

田崎:私はもっぱら友だちと会います。「こういうことがあって……」と話を聞いてもらったり、全然違うことを話したり。何気ない会話ができるのが、自分の癒しなので。めちゃめちゃオシャレなビュッフェをインスタとかで探して、「ここに行こう!」と誘ったりします。

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——やけ食いするわけではなくて?

田崎:ではなくて、小さいサイズでもオシャレで映えて、ちょっと値段が張っても気持ち的にリラックスできたらいいなと。

——そういうときは、素うどんではないわけですか(笑)?

田崎:素うどんもいいんですけど(笑)、「自分は女子なんだ」と再確認したくなるんです。だから、メイクやオシャレもして行きます。

——リリース的には間が空きましたが、その間に自作曲のストックも増えたのでは?

田崎:ライブでいろいろ歌ってきましたけど、ステイホーム期間で増えましたね。

長谷川:ステイホーム中は動画を2人で編集してアップする傍ら、曲を作っていて、あの時期だからこそ生まれた曲もあります。まだなかなか披露できませんけど、ライブをできるようになったら、発表していきたいです。

——最近作った曲の傾向はありますか?

長谷川:ステイホームが明けたら、あさひちゃんがすごく変わって、「ヘイ、ヨー」とか言うようになってました(笑)。

田崎:ヒップホップにめちゃくちゃハマったんです。気持ちを明るくしたいと思って、ちょっと聴いてみたら、すごく楽しくなって、家で慣れないダンスをしてみたり(笑)。とりあえず有名どころを聴いて、特にCreepy NutsさんとSKY-HIさんが刺さりました。

——それで、自分でもヒップホップの曲を作ろうと?

田崎:はい。自分で打ち込みをして「YO!」みたいな感じで歌って(笑)。インスタライブで何の予告もなく、「ステイホーム」というタイトルの曲を披露させてもらいました。

長谷川:私はシンプルになってきました。いろいろな音をガレージバンドとかに入れてみても、何かしっくりこなくて。逆に、今回書いてもらったKiroroさんとも通じるところで、ベーシックで丁寧に録ろうという方向にシフトしています。

——では、来年またライブができるようになったら、音楽活動はより充実しそうですね。

田崎:いろいろなところで、皆さんの前で歌えたら一番です。「だけど会いたい」をきっかけに、私たちの作った曲も聴いてみたいと思ってもらえたらいいいですね。

長谷川:皆さんに歌をどんどん届けに行って、お互い支え合いながら、日常にスッと入り込めるような曲になっていったらと思います。

——仕事関係以外にも、来年に向けて目論んでいることはありますか?

田崎:私は日本刀を見るのが大好きで、ステイホーム期間に“刀剣あさんぽ”というハッシュタグを作って、今まで刀剣めぐりをしてきて撮った日本刀の写真をSNSにアップしていたんです。それをきっかけに、あさひ刀剣さんという私の名前と同じお店がフォローしてくださって、「よかったら来てください」というリプもいただきました。

長谷川:どこにあるお店?

田崎:埼玉なので、ひと段落したら、行ってみたいと思っています。

長谷川:私はお仕事と繋がる部分もありますけど、イベントで行く地域の酒蔵の日本酒を飲んでみたいです(笑)。飲み比べをしていると、よく聞くのが、日本酒は甘い地域、さっぱりした地域とか、いろいろ傾向があると。私はまだ甘い地域での飲み比べしかしてないので、その他のところでも飲んでみたくて。お肉を食べながら日本酒を飲むという、幸せなこともしたいです(笑)。

——Bitter & Sweetは食関係に意欲的な感じですね(笑)。

田崎:そうかもしれません(笑)。

長谷川:常にお菓子がバッグに入っている2人です(笑)。

 

取材・文=斉藤貴志 Photo by 菊池貴裕

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