浅丘ルリ子、六角精児が登壇 朗読劇『ななしのルーシー』合同取材会が開催「この物語が持つメッセージは、いまの世の中の人々に届けるべき」

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2020.12.3
浅丘ルリ子、六角精児

浅丘ルリ子、六角精児

 

2021年3月5日(金)~7日(日)、東京・なかのZEROで上演される朗読劇『ななしのルーシー』合同取材会が行われ、浅丘ルリ子と六角精児が登壇した。

朗読劇『ななしのルーシー』は、リチャード・コネルによる短編小説『レピュテーション』を原作に、デマや嘘に惑わされやすい民衆の姿や、“世論”の脅威と脆さを描きながら、演出家・星田良子による独自のユーモアとサスペンスを加え喜劇に仕上げた作品。自身にあて書きされたという、不遇な過去を持つ元女優“ルシア“を演じる浅丘ルリ子は、そのキャラクターについて「私とはまったく似ていません(笑)」としながらも、「『ななしのルーシー』と同じ原作から生まれた『群衆』という映画を観たことがあります。ゲイリー・クーパーが演じる粗野な野球選手が大騒動に巻き込まれるという内容で、戦前に作られた白黒映画ですが、これが今観てもとても面白いのです。今回の台本はゲイリー・クーパーが演じていた役がルシアという女性に置き換えられています。繊細ですが強い反骨精神の持ち主で、高い知性を感じさせる役どころです。ですが、決して自分の信念を曲げないという性格にはおおいに共感しました。また、この物語が持つメッセージは、いまの世の中の人々にこそ届けるべきだと思っております」とコメント。

一方、ルシアを大騒動へと巻き込む新聞記者を演じる六角精児は、「(浅丘ルリ子の女優生活65周年を記念する作品での共演に)非常にめでたいことで、たいへんに光栄です。できる限りの力を注ぎ込み、しっかりと役割を果たそうと思っています」と述べ、「(この物語で起こる騒動は)僕の演じる新聞記者が書いたでたらめなフェイク・ニュースがきっかけなのですが、その記者は無理やり辻褄を合わせるためにルシアを人前に立たせてもっと騒動を大きくし、結果として自分が自分の嘘に巻き込まれてしまいます。台本を読んでいて、人間の心理とその流れは今も昔も変わらないんだなと思いました。この作品には、デマを信じた人たちの群衆心理が描かれています。(社会にまだ情報が少ない頃の話なので)デマを信じざるをえない悲しさも描かれているんですけれども、今の世の中だって何が正しくて何が間違っているのかわからないことが多いじゃないですか。少なくとも大多数が考えていることが、必ずしも正しいことではないと思うんです。僕も、このテーマは今やるべきなのではないかと。朗読劇は動きが制約されますが、だからこそセリフのちょっとした塩梅とか間合いが重要で、そこに朗読劇ならではの面白さがあります。浅丘さんはそこをさりげなくやられると思いますので、しっかりついていきたいと思っています」と語った。

今回の舞台は途中休憩を挟んだ二部制。この二部について浅丘は「本編は一時間ほどですが、せっかくですのでその後にトークショーを行おうと思っています。朗読劇には、蜷川(幸雄)さんのところにいらした妹尾正文さんも出演されますが、三人でいろんな話をしたり、六角さんはギターが弾けますから、みんなでたのしく歌を歌ったり…20分ぐらいですけれども、こまかい内容はいま考えています」と語り、過去の作品で浅丘と北海道を一緒に旅したことを思い出しながら六角は、「移動バスのなかで僕がギターを弾き、みんなでずっと合唱していました。まるで修学旅行みたいでしたよね。浅丘さんは早くデビューされたため、修学旅行へ一度も行ったことがないそうで、楽しそうにされていた姿が忘れられないです。今回、できればそれを再現したいなと。我々が楽しむということも、皆さんに楽しんでもらうためには重要なんです(笑)」と話した。

朗読劇『ななしのルーシー』は、12月3日(木)より先行販売開始、2021年1月16日(土)より一般発売が開始される。

公演情報

朗読劇『ななしのルーシー』
 
【出演】浅丘ルリ子 六角精児 妹尾正文
【脚色・演出】星田良子
【原作】リチャード・コネル(〝A Reputation〟 1922)
【制作】スペースポンド
【主催】サンライズプロモーション東京/MY Promotion
 
【公演日時】2021年3月5日(金)~7日(日) 開場:13:00/開演:14:00             ※全3ステージ
【会場】なかのZERO 大ホール(東京都中野区中野2-9-7)
【料金】7,500円(全席指定/税込)
【先行発売日】2020年12月3日(木)11:00~
【一般発売日】2021年1月16日(土)10:00~ 
【問い合わせ】サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
 
■あらすじ
読者のみなさん、我が社へ届いたこんな投書を紹介しよう。
『理不尽な社会への抗議として、わたしは大晦日の晩に庁舎の屋上から飛び降ります。
ななしのルーシーより』 
さて、みなさんはこれを読んで何を考える?      サンダース
 
今から約100年前の不景気に覆われたある大都市で公表された“ななしのルーシー”という匿名希望の女からの投書は、記者サンダース(六角精児)が、長年勤めていた新聞社から不況によるリストラを宣告されて激怒し、腹いせとして社会への不満をぶちまけたデッチ上げ記事だった。
 
サンダースは会社を去るも、記事は巷でセンセーションを巻き起こした。庁舎や新聞社にはルーシーへの助命嘆願を訴える電話が殺到。一方、新聞が売れたおかげで会社に呼び戻されたサンダースは、自分が書いた嘘の記事を発展させて更なる人気を得ようと画策。その結果、「架空の“ななしのルーシー”の身代わり(実体)が必要だ。」と思いつき、酒場で知り合った元女優のルシア(浅丘ルリ子)に白羽の矢を立てる――。
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