恒例の大晦日大会『RIZIN.26』 朝倉海vs.堀口恭司、遂に実現
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恒例の大晦日大会『RIZIN.26』が目前に迫ってきた。約15試合を予定する中、11月13日にいち早く決定したのが朝倉海vs堀口恭司のRIZINバンタム級タイトルマッチ。2020年を締めくくる大会のメインイベントとなる。
▼RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)※肘あり
朝倉海
vs
堀口恭司
海が大アップセットで堀口を撃破
両者の因縁は昨年8月にさかのぼる。堀口は2ヵ月前の6月、ニューヨーク・マジソンスクエアガーデンで米ベラトール王者のダリオン・コールドウェルを破り、RIZINとベラトールの日米二冠王を達成。残すはUFC王者との統一戦かと、バンタム級世界最強に手を掛けた状態で『RIZIN.18』(19年8月18日、ドルフィンズアリーナ=愛知県体育館)に凱旋を果たす。
ここでその相手に抜擢を受けたのが開催地・愛知出身の朝倉海。当時RIZINで4戦4勝ではあったが、まだ“将来有望な新鋭”といったポジションで、堀口戦は無謀なマッチメイクと見る向きも少なくなかった。
しかし的確に相手を見抜く分析力と作戦に長けた未来を兄に持ち、“絶対にビビらない”と抜群の勝負度胸を持つ海は堀口の飛び込みにカウンターを合わせる作戦で臨み、見事これを炸裂させ1R KO勝利。2019年最大の番狂わせを演出した。
敗戦をバネに強さを増した新王者・海
試合はベルトの懸からないスペシャルマッチとして行われており、即座にタイトルを懸けた再戦が大晦日に行われる運びとなった。しかし、すでに海との試合で不調をきたしていた堀口の膝が再戦を前に爆発(右膝前十字靭帯断裂と半月板損傷)。手術を余儀なくされた堀口は大晦日大会を欠場し王座を返上、空位となったベルトを海とマネル・ケイプが争う王座決定戦が行われることとなった(第2代王座決定戦)。
ここでケイプが2R TKO勝ち。RIZINバンタム級戦線はますます混沌に陥ったが、ケイプがUFC参戦を決めRIZINを離脱、王座が再び空位となってしまう。コロナ禍も重なり、半年ぶりの開催となった8月の『RIZIN.23』で第3代王座決定戦が行われ、ここで海は扇久保博正を初回TKO。ケイプに喫した敗北を無駄にすることなくバネにして強さを増し、8ヵ月遅れでベルトをものにした。
海は1ヵ月半のスパンで続く『RIZIN.24』(9月27日)にも出場し、ここでも昇侍を1R2分37秒でTKO。ここ5試合でケイプに敗れた試合以外はいずれも初回で相手を仕留めており、その殺傷力と精度をますます高めている。
堀口は復帰戦でダイレクトの再戦へ
対する堀口は昨年11月に膝の手術を行い、車いすや松葉杖での期間もあったが、今年に入りリハビリを開始。夏には格闘技のトレーニングも再開し、再起戦や前哨戦を挟むことなく、ダイレクトで海との再戦に臨む。
11月13日の会見に出席した海は「遂にこのカードが決まって僕自身すごい楽しみですけど、みなさんも待ち望んでくれていたカードだと思うので本当に嬉しいです。堀口選手は実績も凄いし、本当に日本の格闘技界を引っ張ってきた選手なので、一筋縄ではいかない相手だと思うんですけど、僕は堀口選手が怪我をしている間に4試合して、チャンピオンになって、前回戦った時よりさらに強くなっているのでもう一発ぶっ倒してやろうと思ってます」と勝利宣言。
堀口も練習拠点であるフロリダからオンラインで会見に参加し、「もう試合できるコンディションは作れています」と話し、「前回KOで負けたので、今回はやり返したい。しっかり怪我を克服して大晦日に勝利するので、楽しみにしていてください」」とファンにメッセージした。
1年4ヵ月におよぶ大河ドラマの結末は!?
昨年8月の対戦から1年4ヵ月、この間に海は4戦をこなし、期待のホープから堂々たる王者へ見事な成長を遂げた。下馬評で圧倒的に不利と見られた前回から一転、今回は海有利を推す声も多い。通常ブランク明けでは試合勘の衰えや違和感の見られる選手がほとんどだが、これまでそうした常識の枠に収まってこなかったのが堀口。自身の敗北で、心ならずも始めさせてしまったこの1年4ヵ月におよぶ大河ドラマにハッピーエンドをもたらすことはできるか。
RIZINが公開したタイトルマッチポスターのキャッチコピーは「最強の王者か、最強の挑戦者か」。勝つのはひとり、いずれかが敗者となる。