チック・コリア氏、2月9日に癌で死去、享年79歳
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チック・コリア氏 © Jordin Pinkus / Chick Corea Production
ジャズ界の巨星チック・コリア氏が、2021年2月9日にがんで死去していたことが公式HP、SNSで発表された。享年79歳だった。
1941年マサチューセッツ州生まれの偉大なピアニスト/キーボーディスト/コンポーザー/バンド・リーダーであるチック・コリア氏は、ダウン・ビート誌のジャズの殿堂入りを果たし、NEA(全米芸術基金)ジャズ・マスター受賞者であり、グラミー賞史上最もノミネートされたアーティストの一人であり、4つのラテン・グラミー賞に加え、グラミー賞では67回のノミネートと23回の受賞を果たしている。60年代後半から70年代初頭にマイルス・デイヴィスのジャンルを打ち破るようなバンドで演奏して以来、チック・コリア氏はそのキャリアの中で驚くほど多くの音楽的基盤に触れてきたアーティストだ。
20世紀が彼のキャリアの頂点だったといわれるが、21世紀になっても彼は積極的に多くの作品を録音し、世界中でライヴを行ってきた。アコースティック・ピアノやエレクトリック・キーボードを演奏したり、複数のバンドを率いたり、ソロで演奏したり、多くのミュージシャンとコラボレートしたりと、そのキャリアは決して止まることがなかった。それを裏付けるように、彼は2014年から2018年の間に3回、米国ダウン・ビート誌の読者投票でアーティスト・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。
「チック・コリアが亡くなったことは、音楽界にとってもコンコードにとっても記念碑的な損失です」とチーフ・レーベル・エグゼクティヴのトム・ウォーリーはコメントしている。「24年間、コンコードはチックの故郷であり、彼の芸術的な才能と人間としての存在感を誇りに思ってきました。様々な音楽スタイルや楽器のアンサンブルでレコーディングを行ってきたチックは、常にセンスと高度な技術に基づき、能力を発揮していました。50年以上にわたり、何世代にもわたる音楽家や音楽ファンは、彼の作曲、演奏、録音の両方にインスピレーションを受けてきました。コンコードは、チックとの長い関係を誇りに思っており、チックの輝かしい人生とキャリアを目の当たりにすることができました。世界にインパクトのある貢献をしてくれたことに永遠に感謝しています」とさらにコメントしている。
コンコードとの素晴らしいディスコグラフィーには、ギタリストのジョン・マクラフリンとの『ファイブ・ピース・バンド・ライヴ』、ニューヨークのブルーノートで行ったキャリア集大成ライヴを収録した『ザ・ミュージシャン(ライヴ・アット・ニューヨーク・ブルーノート)』、若手中心バンドのプロジェクト『ザ・ヴィジル』、ドラマーのスティーヴ・ガッドとの『チャイニーズ・バタフライ』のほか、『ザ・スパニッシュ・ハート・バンド』、『トリロジー2』などがあり、コリアの最新作は2020年8月28日にリリースされた『プレイズ』は、ソロ・パフォーマンス・ライヴを収録した魅惑的で親密なダブル・アルバムとなっている。
また、チック・コリア氏は2018年12月5日に日本先行でリリースされたアルバム『トリロジー2』と、その収録曲「オール・ブルース」で、第63回グラミー賞の最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム部門と最優秀即興ジャズ・ソロ部門にノミネートされており、日本時間3月15日(月)に授賞式が行われる予定だ。
チック・コリア氏の公式HPでは以下のメッセージが公開された。
公式SNSにて公開されたチック・コリア氏のメッセージ:
I want to thank all of those along my journey who have helped keep the music fires burning bright. It is my hope that those who have an inkling to play, write, perform or otherwise, do so. If not for yourself then for the rest of us. It’s not only that the world needs more artists, it’s also just a lot of fun.
And to my amazing musician friends who have been like family to me as long as I’ve known you: It has been a blessing and an honor learning from and playing with all of you. My mission has always been to bring the joy of creating anywhere I could, and to have done so with all the artists that I admire so dearly—this has been the richness of my life.
私の旅路において、音楽の火を明るく燃やし続けてくれた全ての人に感謝します。演奏したい、作曲したい、パフォーマンスしたいと思っている人は、そうしてほしいと願っています。自分のためではなくとも、他の人々のために。世界はより多くのアーティストを必要としているだけではなく、それは単にとても楽しいことなのだから。
そして、知っている限りの、私にとって家族のような存在だった素晴らしいミュージシャンの友人たちへ。皆さんから学び、皆さんと一緒に演奏できたことは幸せであり、名誉なことでした。私の使命は、どこにでも創作の喜びをもたらすこと、そして私が心から尊敬するアーティストたちと一緒にそれを実現すること、これが私の人生の豊かさでした。
作品情報
ユニバーサル ミュージック
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