三阪咲、『今日好き』テーマソング「僕でいいじゃん」インタビュー “男の子目線”な新曲の制作背景に迫る
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三阪咲
現役高校生シンガー・三阪咲が2月24日に新曲「僕でいいじゃん」をデジタルリリースした。同曲は、ABEMAの恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』のテーマソングとなっており、女の子目線の片想いを歌っている『今日、好きになりました。』主題歌「私を好きになってくれませんか」に対し、今回の「僕でいいじゃん」では男の子目線の恋心を歌っている。そんな新曲「僕でいいじゃん」ができるまで、そして昨年12月に開催した無観客配信ライブの振り返りなど、たっぷりと話を訊いた。
——『RAISE YOU UP!Live Streaming 2020 in Winter』と題し、2020年12月19日に無観客配信ライブを開催した三阪さん。コロナ禍で思うような活動ができない中でもその歌声、パフォーマンス、想いには揺るがない強さが宿っていて、ライブタイトルに相応しくすっかり力づけてもらえました。三阪さんとしては、どんな手応えがありましたか?
夏に開催した配信ライブのときとは違って完全なバンド編成ではなかったから、どうやって生バンドっぽいサウンドにするかをバンドメンバーさんたちと試行錯誤しつつ……いざステージに立ってみたらすごく楽しくて。でも、やっぱりお客さんの前に立ちたい気持ちが強いんだな、直接歌や想いを届けたるのが好きなんだなっていうことをあらためて感じたりもしました。
——「StaRting PoiNt」で歌うように、“僕ら”=三阪さんとファンにとって、ライブこそが“居場所”であるわけですものね。
そうですね、本当に。ファンのみなさんと一緒に歌ったり、<Tick tock, Tick tock>のところで一緒に指振りをしたり、そういう日が一日でも早くくるといいなと思いながら歌っていました。ライブ後にSNSでもらうメッセージからは、観てくれた人も同じ気持ちでいてくれたんだ、っていうことが感じられて。ちゃんと伝わっていたんだなって思えて嬉しかったです。
——ジャンルレスな楽曲が収められた2nd EP『After Rain』のナンバー含め、子どもと大人の狭間で変幻自在、豊かな表情で魅せてもらえるライブでもありました。
曲それぞれに違う雰囲気や表情を楽しんでもらえたらいいなと思っていたのでよかったです! ほとんどの曲の歌詞を自分で書かせていただいているんですけど、歌詞を書いたときの心情を思い出しながら歌ったりもするし、今の気持ちを重ねて歌ったりもするし、そのとき感じたままにパフォーマンスするし。同じ曲でも、ライブのたびに違った表現になるんです。
——そうやって曲が育っていくのも、ライブの醍醐味ですよね。さらに、サンタ帽&サンタポンチョ姿で歌ったカバー2曲は、ファンの方たちへの素敵なプレゼントとなったはずです。
“聴く”の“聴”っていう漢字に入っている、“耳”“目”“心”を私は大事にしていて。耳でも、目でも、心でも楽しんでもらうために、クリスマスっぽい衣装を着て、クリスマスにぴったりな曲をお届けしてみました!
——画面の前にいたファンの方も同じく、満ち足りた時間を過ごせていたことでしょう。では、ここからは2月24日にデジタルリリースされた新曲「僕でいいじゃん」の話を聞かせてください。「私を好きになってくれませんか」に引き続き、ABEMAの大人気恋愛リアリティーショー『今日、好きになりました。』テーマソングである「僕でいいじゃん」。「私を好きになってくれませんか」では女の子目線の片想いを歌っていましたが、「僕でいいじゃん」では男の子目線の恋心を歌っていますね。
そうなんです。『今日好き』は本当に好きで、いつも観ている番組で。「私を好きになってくれませんか」は女の子目線で歌詞を書きましたけど、「僕でいいじゃん」は男の子目線の歌詞を書いてみようかなと思ったんです。
——一途に想っているのに、好きな人の気持ちは自分に向いていない切なさ。『今日好き』を通して男心の機微を理解できているからこそのリアルがあるのだろうなと感じますが、難しさはなかったのでしょうか。
『今日好き』で恋して悩む男の子たちの姿はたくさん見ているんですけど、いざ歌詞を書こうと思うとやっぱり難しかったです。最初に書いた歌詞は、好きになってからの物語をもっと大きく広く書いていたんですね。でも、もっと的を絞って書くことになって、1日で仕上げて、次の日にレコーディングすることになって……(笑)。
——よく乗り切りましたね!
『今日好き』の男の子たちの姿を思い浮かべながら最初の歌詞を書いた時点では、自分的に完璧だ!と思ったんですけど……よりリアルで、より刺さる歌詞を書くために、いろいろな恋愛ソングのMVのコメント欄に書き込まれているエピソードも参考にしたりして。同時に配信ライブの準備もしながらだったので、なかなか大変でした(苦笑)。
——ここぞというときにとんでもない集中力を発揮できるのでしょうね。
たとえば勉強も、試験前は6時間完全集中できたりするんですよ。逆に言うと、追い込まれないとできないタイプだったりはするんですけど。今回は、心折れそうになりながらも、妥協はしたくない!と思って、リアルを追求しました。インスタで気になっていたイラストレーターさんにイラストを描いてもらえたMUSIC VIDEOも作ることができたし、「僕でいいじゃん」がたくさんの方に届いたら嬉しいです。
「僕でいいじゃん」MUSIC VIDEO
——もうね、<好きです>という直球な歌い出しからつかまれてしまっています。
もともとは<好きです>を最初に置いていなかったんですけど、告白のシーンから始めようと思って。ちなみに、「私を好きになってくれませんか」の最後のフレーズが<あなたが好きです>で、今回の「僕でいいじゃん」が<好きです>から始まるっていうのは、狙ったことではなく、偶然なんです。
——意図せずして、見事につながったと。ただ、「私を好きになってくれませんか」の<好きです>の先にはハッピーエンドがありそうな予感がしますが、「僕でいいじゃん」の<好きです>の先には……。
失恋があるんですよね、哀しいことに。「私を好きになってくれませんか」ではキラキラした恋愛、恋する女の子のワクワクドキドキを描きましたけど、どんなに相手を想っていても恋が実らないことだってあるわけで。自分にとって初めての失恋ソングでもある「僕でいいじゃん」は、聴いていて苦しくなってしまうんじゃないかなと思います。
——サビ頭の<消さないで>のエモーショナル歌声も刺さります。
歌詞がのる前は、もうちょっと軽い感じだったんですよ。でも、歌詞が入ると、どうしても感情移入してしまって。これまでたくさんの失恋ソングをカバーしてきた経験が、もしかしたら活きたのかもしれないです。
——<雪の匂い>というフレーズも印象的で。聴き手それぞれに思い浮かぶ情景があるのではないかなと思ったりもします。
これまでの『今日好き』は、サイパンやグアム、ハワイとか暖かい地域を旅することが多かったんですよ。でも今回の舞台は日本だったこともあって、<雪の匂い>というフレーズがパっと浮かんだんです。雪って匂いはしないけど、それぞれに想像したり、思い出を重ねたりして聴いていただけたらいいかなと思います。
——そして、どんなに傷ついても強がってしまうのが男の子。<幸せ願ってる>と言う主人公の優しさにもグっときてしまいます。
そう、男の子って強がってしまうところがあるんですよね。最後の<幸せ願ってる いつでも 僕は…>の<…>は、言葉とは裏腹に心残りがあるのかな?ということを感じさせるものでもあるんですけど、どうか主人公には幸せになってほしいです!
——それに、とことん想える人に出会えたという経験は主人公にとって宝となりますよね。
だと思います。そこまで人を好きになることって、そんなにない気がして。私はこんな苦しい恋をした経験はないですけど、恋が実らなくても大切にしたいと想える人に出会えたら、それはすごく素敵なことですよね。
——もし、好きになった人がほかの人に好意を寄せていたら、自分の想いがどうやっても届かないとしたら、三阪さんだったらどうするでしょう。
それは、ちょっと真剣に考えてもいいですか! 自分が好きになった人がほかの人を好きだったり、全然自分に振り向いてくれなかったりしたら……私は諦めちゃうタイプかもしれないです。そして、自分磨きを頑張ります。あと、どんなに好きな人でも相手に合わせすぎたらきっと自分がしんどくなるから、もし自分と合わないなら、ありのままの自分と合う人と出会えたほうが幸せなんじゃないかなって最近思うんですよ。
——恋をして盲目的になると、相手に全部合わせようと頑張りすぎて、振り回されてしまったりもしますけど……。
そうそう。たとえば、「ショートカットが好き」って好きな人が言うなら、自分も髪を切っちゃったりとか。自分がしたくてするならもちろんいいですけど、相手が望むからっていう理由だけでなにかをしちゃうと、自分がわからなくなっていっちゃうんじゃないかなって。お互いにありのままの姿を「好き」って言える相手との恋愛がやっぱり理想です。
三阪咲「僕でいいじゃん」ジャケット
——同感です! そして、ティーン向け女性ファッション誌『Seventeen』の、創刊以来初となるテーマソングの作詞・歌唱を担当されるということで、どんな仕上がりになっているのか気になるところです。
つい先日、レコーディングを終えまして。読者のみなさんから募集した友情エピソードや友情フレーズをもとに、“自分らしくいるときが一番素敵なんだ”って思えるような歌詞を書きました。s**t kingzさんによる振付で踊るモデルのみなさんと素敵な化学反応を起こして、『Seventeen』にぴったりな曲にできたと思います。
——楽しみにしております! 高校3年生となる2021年、チャレンジしたいことは?
SNSでの発信やファンのみなさんとの交流を続けつつ、緊急事態宣言が解除されていろいろな制約が緩和されたら、また以前のように路上ライブをしたいし、モールツアーにも挑戦してみたいなと思っていて。これまで応援してきてくれている人はもちろん、新しく私を知ってくれる人にも出会える機会をたくさん作っていきたいです。あとは、いろいろな学校におじゃまする学園祭ツアーも、高校生活最後の年にできたら楽しそう! 2021年は、閃いたことをどんどん行動する1年にしたいなと思っています。
——ひとりの女の子としては、2021年中にこれをしたい!ということはなにかあるのでしょうか。
ここ2年くらいのショート~ミディアムヘアに少し飽きてきたから、髪の毛を胸下くらいまで伸ばしたいっていうのと……ダンスをもう一度ちゃんと習いたいし、トレーニングをしてバッキバキの身体になりたいんですよね。
——バッキバキ!?
中学生まではガリガリだったくらいなんですけど、高校生になってきてから少し体つきが変わってきて。ふっくらしたぶんを全部、筋肉にしちゃおうと思っているんです。それに、ダンスもトレーニングもすればするほど、ステージでより思い通りのパフォーマンスができると思うので。今年は本気で頑張ります!
取材・文=杉江優花
リリース情報
(ABEMA『今日、好きになりました。』テーマソング)
2021.02.24(水)ON SALE
ストリーミング&DL URL:https://lnk.to/BokudeIijyan