『第93回アカデミー賞』ノミネート発表詳報 93年の歴史で初めて女性2名が監督賞候補に!アジア系俳優らの躍進も
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『ミナリ』左から、アラン・キム、スティーヴン・ユァン、ネイル・ケイト・チョー、ハン・イェリ (C)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
日本時間3月15日(月)、アカデミー賞公式サイトにて『第93回アカデミー賞』各部門の候補作が発表された。
ノミネートの発表は、俳優・プロデューサーのプリヤンカ・チョープラーと、シンガーソングライター・俳優のニック・ジョナスが担当。『Mank/マンク』が最優秀作品賞、主演男優賞、最優秀監督賞など10部門の最多ノミネートを受けた。そのほかには、『ファーザー』、『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』、『ミナリ』、『ノマドランド』、『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』『シカゴ7裁判』がそれぞれ6部門ノミネートされている。
『第93回アカデミー賞』ノミネート発表の様子
なお、『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督と『プロミシング・ヤング・ウーマン』のエメラルド・フェネル監督が最優秀監督賞の候補となったことで、アカデミー賞93年の歴史上はじめて女性監督2名が同部門にノミネートされることに。また、ジャオ監督はアジア系の女性としては初の同部門ノミネートとなった。
『ミナリ』メイキングより リー・アイザック・チョン監督 (右) (C)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
これまでにアカデミー賞の最優秀監督賞にノミネートされた女性は、1977年『セブン・ビューティーズ』のリナ・ウェルトミューラー監督、1994年『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督、2004年『ロスト・イン・トランスレーション』のソフィアコッポラ監督、2010年『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー監督、2018年『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督の5名。うち、ビグロー監督は女性として初の最優秀監督賞受賞者となっている。
そのほか、映画『ミナリ』のスティーヴン・ユアンがアジア系アメリカ人として主演男優賞に初ノミネート。同作のユン・ヨジョンも、韓国人女性として初の助演女優賞候補となっている。
『第93回アカデミー賞』ノミネート一覧(公式サイト掲載順)は以下のとおり。
作品賞
『ノマドランド』 (C) 2020 20th Century Studios. All rights reserved.
『ファーザー』
『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』
『Mank/マンク』
『ミナリ』
『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
『シカゴ7裁判』
主演男優賞
『ファーザー』(C)NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020
リズ・アーメッド『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
ゲイリー・オールドマン『Mank/マンク』
スティーヴン・ユアン『ミナリ』
助演男優賞
サシャ・バロン・コーエン『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
ダニエル・カルーヤ『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』
レスリー・オドム・ジュニア『あの夜、マイアミで』
ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
レイキース・スタンフィールド『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』
主演女優賞
『プロミシング・ヤング・ウーマン』 (C)Universal Pictures
ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
アンドラ・デイ『ジ・ユナイテッド・ステイツ vs. ビリー・ホリデイ(原題)』
ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』
キャリー・マリガン『プロミシング・ヤング・ウーマン』
助演女優賞
『ミナリ』左から、アラン・キム、ユン・ヨジョン (C)2020 A24 DISTRIBUTION, LLC All Rights Reserved.
マリア・バカローバ『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
グレン・クローズ『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
オリヴィア・コールマン『ファーザー』
アマンダ・セイフライド『Mank/マンク』
ユン・ヨジョン『ミナリ』
長編アニメ映画賞
『ソウルフルワールド』
『2分の1の魔法』
『フェイフェイと月の冒険』
『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
『ソウルフル・ワールド』
『ウルフウォーカー』
撮影賞
ショーン・ボビット『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』
エリック・メッサーシュミット『Mank/マンク』
ダリウス・ウォルスキー『この茫漠たる荒野で』
ジョシュア・ジェームス・リチャーズ『ノマドランド』
フェドン・パパマイケル『シカゴ7裁判』
衣装デザイン賞
アレクサンドラ・バーン『エマ(原題)』
アン・ロス『マ・レイニーのブラックボトム』
トリッシュ・サマービル『Mank/マンク』
ビナ・ダイヘレル『ムーラン』
マッシモ・カンティーニ・パリーニ『ピノキオ(原題)』
監督賞
映画『ANOTHER ROUND(英題)』 (C)2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.
トマス・ヴィンターベア『アナザー・ラウンド(原題)』
デヴィッド・フィンチャー『Mank/マンク』
リー・アイザック・チョン『ミナリ』
クロエ・ジャオ『ノマドランド』
エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
長編ドキュメンタリー賞
『コレクティヴ(原題)』
『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』
『老人スパイ』
『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』
『タイム』
短編ドキュメンタリー賞
『コレット(原題)』
『ア・コンチェルト・イズ・ア・カンヴァセーション(原題)』
『ドゥ・ノット・スプリット(原題)』
『ハンガー・ウォード(原題)』
『ラターシャに捧ぐ ~記憶で綴る15年の生涯~』
編集賞
Netflix映画『シカゴ7裁判』独占配信中
ヨルゴス・ランプリノス『ファーザー』
クロエ・ジャオ『ノマドランド』
フレデリック・トラヴァル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
ミッケル・E・G・ニールセン『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
アラン・ボームガーテン『シカゴ7裁判』
国際長編映画賞
映画『THE MAN WHO SOLD HIS SKIN(英題)』 (C)2020 – TANIT FILMS – CINETELEFILMS – TWENTY TWENTY VISION – KWASSA FILMS – LAIKA FILM & TELEVISION – METAFORA PRODUCTIONS - FILM I VAST - ISTIQLAL FILMS - A.R.T - VOO & BE TV
『アナザー・ラウンド(英題)』デンマーク
『少年の君』香港
『コレクティヴ(英題)』ルーマニア
『皮膚を売った男』チュニジア
『クオ・ヴァディス、アイダ?(原題)』ボスニア・ヘルツェゴビナ
メイク・ヘアスタイリング賞
マリーズ・ランガン、ローラ・アレン、クラウディア・シュトルツェ『エマ(原題)』
エリン・クルーガー・メカシュ、マシュー・W・マングル、パトリシア・デヘイニー『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
セルジオ・ロペス=リベラ、ミア・ニール、ジャミカ・ウィルソン『マ・レイニーのブラックボトム』
ジジ・ウィリアムズ、キンバリー・スピテリ、コーリン・ラバフ『Mank/マンク』
マーク・クーリエ、ダリア・コッリ、フランチェスコ・ペゴレッティ『ピノキオ(原題)』
作曲賞
テレンス・ブランチャード『ザ・ファイブ・ブラッズ』
トレント・レズナー、アッティカス・ロス『Mank/マンク』
エミール・モッセリ『ミナリ』
ジェームズ・ニュートン・ハワード『この茫漠たる荒野で』
トレント・レズナー、アッティカス・ロス、ジョン・バティステ『ソウルフル・ワールド』
歌曲賞
「Fight For You」『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』
「Hear My Voice」『シカゴ7裁判』
「Husavik」『ユーロビジョン歌合戦 ~ファイア・サーガ物語~』
「Io Sì (Seen)」『これからの人生』
「Speak Now」『あの夜、マイアミで』
美術賞
ピーター・フランシス、キャシー・フェザーストーン『ファーザー』
マーク・リッカー、カレン・オハラ、ダイアナ・ストウトン『マ・レイニーのブラックボトム』
ドナルド・グラハム・バート、ジャン・パスカル『Mank/マンク』
デヴィッド・クランク、エリザベス・キーナン『この茫漠たる荒野で』
ネイサン・クロウリー、キャシー・ルーカス『TENET テネット』
短編アニメ映画賞
『夢追いウサギ』 (C)2021 Disney/Pixar
『夢追いウサギ』
『ゲニウス・ロキ(原題)』
『愛してるって言っておくね』
『オペラ』
『Yes-People』
短編実写映画賞
『フィーリング・スルー(原題)』
『ザ・レター・ルーム(原題)』
『プレゼント』
『トゥー・ディスタント・ストレンジャーズ(原題)』
『白い自転車』
音響賞
ウォーレン・ショウ、マイケル・ミンクラー、ビュー・ボーダーズ、デイビット・ワイマン『グレイハウンド』
レン・クライス、ジェレミー・モロド、ネイサン・ナンス、ドリュー・カニン『Mank/マンク』
オリヴァー・ターニー、マイク・プレストウッド・スミス、ウィリアム・ミラー、ジョン・プリチェット『この茫漠たる荒野で』
レン・クライス、コヤ・エリオット、デイビッド・パーカー『ソウルフル・ワールド』
ニコラス・ベッカー、ハイメ・バクシュト、ミッチェル・コートレンツ、カルロス・コルテス、フィリップ・ブラッド『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
視覚効果賞
『ムーラン』 (C)2021 Disney
マット・スローン、ジュヌヴィエーヴ・カミレリ、マット・エバリット、ブライアン・コックス『ラヴ・アンド・モンスターズ(原題)』
マット・カスミル、クリストファー・ローレンス, マックス・ソロモン、デイビット・ワトキンス『ミッドナイト・スカイ』
シーン・ファデン、アンダース・ラングランズ、セス・モーリー、スティーブ・イングラム『ムーラン』
ニック・デイヴィス、グレッグ・フィッシャー、ベン・ジョーン、サンティアゴ・コロモ・マルティネス『ゴリラのアイヴァン』
アンドリュー・ジャクソン、デビッド・リー、アンドリュー・ロックリー、スコット・フィッシャー『TENET テネット』
脚色賞
サシャ・バロン・コーエン、アンソニー・ハインズ、ダン・スウィマー、ピーター・ベイナム、エリカ・リヴィノジャ、ダン・メイザー、ジーナ・フリードマン、リー・カーン、ニナ・ペドラド『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
クリストファー・ハンプトン、フローリアン・ゼレール『ファーザー』
クロエ・ジャオ『ノマドランド』
ケンプ・パワーズ『あの夜、マイアミで』
ラミン・バーラニ『ザ・ホワイトタイガー』
脚本賞
ウィル・ベルソン、シャカ・キング、ケニー・ルーカス、キース・ルーカス『ジューダス・アンド・ザ・ブラック・メサイア(原題)』
リー・アイザック・チョン『ミナリ』
エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』
ダリウス・マーダー、アブラハム・マーダー、デレク・シアンフランス『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』
アーロン・ソーキン『シカゴ7裁判』
『第93回アカデミー賞』授賞式は現地時間4月25日(日)に米ハリウッドのドルビーシアターで開催予定。授賞式の模様は、米ABCほかで225の国と地域に中継される。また、日本では4月26日(月)午前8時30分よりWOWOWにて独占生中継・配信される予定だ。