Noismが金森穣演出振付『春の祭典』を新潟・埼玉・札幌で上演~ストラヴィンスキー没後50年を迎えて

2021.4.30
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りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館専属舞踊団 Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)が、2021年7月、『春の祭典』など芸術監督の金森穣演出振付の4作品を、りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉(7月2日~4日)、彩の国さいたま芸術劇場〈大ホール〉(7月23日~25日)、札幌文化芸術劇場 hitaru(7月31日)にて上演する。このほど金森が令和3年春の褒章において紫綬褒章を受章したが、受章後初の公演となる。

Noism0+Nosim1+Noism2『春の祭典』(2020年) 撮影:村井勇

イーゴリ・ストラヴィンスキー作曲《春の祭典》は、1913年に初演された。ストラヴィンスキー一流の不協和音が奏でる強靭なエネルギーは、音楽・舞踊を始めとする多くの芸術に影響を及ぼしてきた。初演時のヴァーツラフ・ニジンスキー、金森の師でもある巨匠モーリス・ベジャール、鬼才ピナ・バウシュらによる舞台は一世を風靡し、今も踊り継がれる。

Noism0+Nosim1+Noism2『春の祭典』(2020年) 撮影:村井勇

そうした偉大な先人の業績を踏まえた先に生まれたのが、金森演出振付のNoism版『春の祭典』(出演:Noism0、Noism1、Noism2)だ。金森のインスピレーションの基となったのは、“もし《春の祭典》を演奏するオーケストラが踊り出したら?”。オーケストラの演奏者それぞれのパートをダンサーたちが担うことによって、「音楽の精神、人間という生物の精神的痙攣を表現できるかもしれない。21 世紀の生贄達を表現できるかもしれない。 これが、私が『春の祭典』創作に着手する動機である」と金森は明かしている。

Noism0+Nosim1+Noism2『春の祭典』(2020年) 撮影:村井勇

元々は2020年夏の本公演で《春の祭典》に挑む予定だった。だが、感染症対策のため規模を縮小して「プレビュー公演」という形で公開された。今年は奇しくもストラヴィンスキー没後50年、満を持して本公演に登場する。プロフェッショナル選抜メンバーによるNoism0(ノイズムゼロ)、プロフェッショナルカンパニーNoism1(ノイズムワン)、研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)の3つの集団の総力を結集して世に問う新たな『春の祭典』に刮目したい。

Noism0+Noism1『FratresⅢ』(2020年) 撮影:村井勇

『Fratres Ⅲ』(出演:Noism0、Noism1)の音楽はアルヴォ・ペルトの《Fratres》で、『春の祭典』と同様、昨年の「プレビュー公演」において初演された。Noismにおける集団性を追求した連作の最終章であり、金森のソロと群舞がせめぎ合う。金森は「個人の献身(祈り)と集団の献身(祈り)は融合する事なく拮抗し“続ける”。そう、続くということこそが本作における祈りの主題である」と述べる。精神性が高く研ぎ澄まされた踊りに圧倒されるだろう。

Noism0『夏の名残のバラ』(2019年) 撮影:篠山紀信

そして、芸術選奨文部科学大臣賞、日本ダンスフォーラム賞大賞受賞記念として、金森の『夏の名残のバラ』(出演:Noism0、2019年初演の『シネマトダンス–3 つの小品』より )を再演する。長年Noismの屋台骨を支え続け、金森の創造の源泉として活躍する井関佐和子(副芸術監督)に捧げられた佳作だ。今春、井関が芸術選奨文部科学大臣賞を、金森が日本ダンスフォーラム賞大賞を受賞したが、双方の授賞理由に挙げられており、この度受賞を記念しての再演が叶う。

映像舞踊『BOLERO 2020』より画像引用

さらに、映像舞踊『BOLERO 2020』(演出振付:金森穣 編集:遠藤龍)を上映。Noism初の「映像のための舞踊作品」として昨夏創作されオンライン上で公開中の作品を、劇場の大スクリーンで触れる得難い機会になるはずだ。

3つの異なる特性を持つ集団が協働する群舞から、ベテランの円熟した踊り、映像作品上映まで多彩な演目揃い。新潟発Noismの現在が熱く濃く凝縮された公演になるのは間違いあるまい。

文=高橋森彦

公演情報

ストラヴィンスキー没後50 年 Noism0+Noism1+Noism2『春の祭典』
 
『春の祭典』
演出振付:金森穣
音楽:I.ストラヴィンスキー《春の祭典》
衣裳:RATTA RATTARR
椅子:須長檀
出演:Noism0、Noism1、Noism2

『Fratres Ⅲ』
演出振付:金森穣
音楽:A.ペルト《Fratres》
衣裳:堂本教子
出演:Noism0、Noism1

『夏の名残のバラ』
演出振付:金森穣
音楽:F.V.フロトー 《Martha》より《Last Rose of Summer》
衣裳:堂本教子
出演:Noism0

映像舞踊『BOLERO 2020』
演出振付:金森穣
編集:遠藤龍
*映像舞踊『BOLERO 2020』はオンラインにて公開中 (200円/7日間レンタル)
https://filmuy.com/noism

新潟公演 Niigata
日時:2021年7月2日(金)19:00、3日(土)17:00、4日(日)15:00 *全3回
会場:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉 新潟市中央区一番堀通町3-2
入場料:全席指定 5,000 円、U25 3,000 円、高校生以下 1,000 円(税込)

埼玉公演 Saitama
日時:2021年7月23日(金・祝)19:00、24 日(土)17:00、25 日(日)15:00 *全3回
会場:彩の国さいたま芸術劇場〈大ホール〉 埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1
入場料:全席指定 6,000 円、U25 3,000 円(税込)

取扱:りゅーとぴあ(オンライン・電話・窓口)
‣オンライン・https://piagettii.e-get.jp/ryutopia/pt/ 
‣電話 025-224-5521(11:00~19:00/休館日除く)
‣窓口(りゅーとぴあ 2 階)
 彩の国さいたま芸術劇場センター(窓口・電話・オンライン) *埼玉公演のみ
‣電話 0570-064-939(10:00-19:00/休館日除く)
‣オンライン https://ticket.aserv.jp/saf/
埼玉会館(窓口のみ、10:00-19:00/休館日除く)*埼玉公演のみ

主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団
共催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(埼玉公演)
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会
製作:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

※この公演は国および新潟県、新潟市等のガイドラインに基づき、客席制限は行わずに開催します。
 
札幌公演 Sapporo
日時:2021年7月31日(土)18:00 *全1回
会場:札幌文化芸術劇場 hitaru 札幌市中央区北1条西1丁目
発売等の情報は、札幌市民交流プラザホームページにて随時ご案内いたします。
札幌市民交流プラザホームページ►https://www.sapporo-community-plaza.jp/
主催:札幌文化芸術劇場 hitaru(札幌市芸術文化財団)
 
◎新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、以下の点にご留意ください。
・平熱より 0.5 度以上高い発熱や咳、咽頭痛等の症状のある方は来館・入場しないでください。その場合、は払戻しいたしますのでお申し出ください。
・マスクの着用、手洗い、手指消毒の徹底と、社会的距離の確保をお願いします。
・次の行動はしないでください:
お客様同士の大声での会話、出演者への声掛け(掛け声、ブラボー等)、出演者への贈り物(お花、お手紙、プレゼント等)、出入り待ち、 楽屋訪問
・当面の間、ビュッフェ、クローク、サイン会、アフタートークは行いません。ブランケット等の物品貸出も休止しています。
・来場時、アンケート用紙に住所、氏名、緊急連絡先等の個人情報をご記入ください。万一、来場者から感染が確認された場合は、 情報を保健所等公的機関に提供いたしますのでご了承ください。
・社会情勢の変化により、公演内容を変更または中止する場合があります。最新の情報はりゅーとぴあホームページ (https://www.ryutopia.or.jp)、または Noism オフィシャルウェブサイト(www.noism.jp)にてご確認ください。
 
ご理解とご協力をお願いいたします。
 
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