コロナ禍だからこそ見たい! 心の底から元気になれる『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロレポート
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
歌やダンス、芝居やスケッチなどあらゆる要素を取り入れたエンターテイメントショー『CLUB SEVEN ZEROⅢ』が2021年6月6日(日)に日比谷シアタークリエで開幕した。
2003年に初演以降、公演回数を重ね、内容も変化させてきた『CLUB SEVEN』。“レジェンド・メンバー”が6年ぶりに集まったことで2017年に“ZERO”シリーズが始まり、今回で3作目となる。玉野和紀が脚本・構成・演出・振付・出演をし、吉野圭吾、東山義久、西村直人、大山真志といったおなじみのメンバーの出演はもちろん、凰稀かなめと妃海風ら元宝塚歌劇団の2人が初参加する。
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
初日を前にしたゲネプロ(舞台通し稽古)を見た。1幕・2幕構成で、上演時間は約3時間(途中休憩あり)。
1幕オープニングは、CLUB SEVENのテーマ曲。初演から変わらないというジャズダンスやタップダンスを取り入れた振付を、出演者全員が華麗に踊る。一気にCLUB SEVENの世界に引き込まれる瞬間だ。
その後は、数本のスケッチ(※ショートコントのような短編芝居)や、色気たっぷりのダンスを次々と披露。ネタバレになってしまうので詳細は書けないが、今回も、役者それぞれの個性がよく生かされた設定ばかり。あの人が銅像になったり、あの人が鳥になったり、ヴィジュアルの衣装を着たり……。一線で活躍する役者たちの「素」が時々垣間見られるのが、またCLUB SEVENの面白いところだろう。
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
2幕は、中世のとある国を舞台にしたショートミュージカル。王女を演じる凰稀と妃海が着るドレスなど本格的な衣装が印象的。ショートミュージカルとはいえ、最後まで展開のわからない予想外のストーリーで、一連のショーをより厚みがあるものにしている作品だった。
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
MCを挟んで(ちなみにゲネプロでは「ゲネプロの出来を点数で表すと?」というお題でトークが展開した)、ラストは、お待ちかねの名物の“50音順ヒットメドレー”!
誰もが耳にしたことがあるであろう歌謡曲やCMソングを50音順にノンストップで上演する名物コーナー。その数80曲以上。歌とダンスだけでも大変だろうに、早替えや出ハケを覚え、休む暇なくそれらをこなさなければならないので、かなりの集中力と技量が必要な演目だ。
過去に演じた50音順も取り入れつつ、新作もたっぷり。50音順は、見ているうちに、観客は出演者と一緒に走っているような気持ちになる。最後までやりきった後は、きっと観客も達成感と清々しい気持ちを感じることだろう。観劇は多少なりともカロリーを使うというけれど、他のどの作品よりもカロリー消費は大きい(もちろん、いい意味で!)。
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
今回初参加の凰稀かなめと妃海風。
2人ともさすが元トップスターと元トップ娘役という実力の持ち主で、舞台上を一気に華やかにする力があった。ダンスも歌も芝居もキメるところはキメてくれるので、安心感がある。ただ、CLUB SEVEN恒例の(?)アドリブや無茶ぶりはまだまだこれから対応していく模様。ぜひ本作を通じて、コメディエンヌとしての成長を期待したい。
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
『CLUB SEVEN ZEROⅢ』ゲネプロの様子
CLUB SEVENの舞台はいつも一生懸命だ。いい年した大人が全力で何かに取り組む姿に感動するし、元気をもらえる。これぞ生でしか味わえない舞台と言えるだろう。
CLUB SEVENファンにとってはいろいろと過去作品を思い起こしながら観劇するのも楽しいが、過去の作品を全く見たことがなくても十分楽しめる。コロナ禍でまだまだ苦しく先が見通せない状況が続くが、そんな状況だからこそ『CLUB SEVEN ZEROⅢ』を見て、大いに笑って、たくさんのパワーを受け取ってほしい。
最後に、初日を前にしたキャストコメントを紹介する。
◆玉野和紀
コロナ禍をぶっ飛ばすような『CLUB SEVEN ZEROⅢ』が出来上がりました~!
キャストが一丸となって皆さんに強力なパワーをお届けします!
CLUB SEVENで免疫力UP!!!明日のエネルギー充電!!!
◆凰稀かなめ
今回初めての参加となり、台詞、歌に振りなど覚える数の多さにビックリで(笑)。なかなかゴールが見えない日々でしたが、先輩達の優しいご指導がありやっと出来上がったって感じです。そして、一つの舞台で7人全員がぶつけ合うそのパワーは凄いに決まってますよね!私も、これがCLUB SEVENだーーー!って実感しました。
今回はコロナ禍により、残念な事に客席降りが無いですが、舞台上から更なるパワーをお届けします。
◆妃海風
舞台稽古オープニング、扉の奥で全員でスタンバイしている時に、普段では感じることのできない全員の緊張感、一体感を感じて、ああこれがCLUB SEVENなんだ。そして参加させて頂いているんだと実感し、ゾクゾクしました!
始まったらもう緊張を感じてられません!ノンストップでラストまでとにかく駆け抜けます!それがまた心地いいです!
公演情報
脚本・構成・演出・振付:玉野和紀
出演:玉野和紀、吉野圭吾、東山義久、西村直人、大山真志、妃海風、凰稀かなめ
【東京公演】
日時:2021年6月6日(日)〜25日(金)
会場:シアタークリエ
【愛知公演】
日時:2021年6月28日(月)
会場:日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
【大阪公演】
日時:2021年7月3日(土)、4日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ