THE MODS、デビュー40周年記念オンラインライブ『40th Anniversary ONLINE GIG at 鹿鳴館「EARLY ACTION」』でロックレジェンドが鳴らす初期衝動
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THE MODS
40th Anniversary ONLINE GIG at 鹿鳴館『EARLY ACTION』 2021.06.20(Sun) オンライン
6月20日(日)、THE MODSがデビュー40周年を記念し、Streaming+にて配信ライブ『40th Anniversary ONLINE GIG at 鹿鳴館「EARLY ACTION」』を開催した。会場は彼らが活動初期に数々のライブを行い、伝説を残してきたライブハウス・鹿鳴館。セットリストもバンドの初期の楽曲に限定されるなど、古くからのファンはもちろん、新しくバンドのファンになった人も、すべてのTHE MODSファンが満足できる内容に。
さらに今回は生配信ではなくオンデマンドでの配信ということもあり、作りこまれた迫力ある映像は見応えあるものばかり。今回のライブレポートではほんの一部だけをお届け。80年代から日本のロックシーンを牽引してきたバンドの、今もなお色褪せないどころか、最前線で活躍する姿をぜひとも目撃してほしい。
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映像が始まった途端、これまでのTHE MODSの過去のライブ写真やステージにバンドを呼びこむ観客の声が流れる。「WE ARE THE MODS!」の叫びと同時にライブがスタート。鹿鳴館のステージ、バンド名を配したフラッグの前にメンバーの姿が映る。ビシっとリーゼントを決めた森山達也(Vo.Gt)のギラついた目が画面に映り込むと、1曲目から早々に気分を高揚させるロックナンバーを打ち出していく。
配信ライブの良いところはメンバーそれぞれの表情や演奏する姿がぐっと近くで観ることができること。いつもなら楽曲に夢中になって、ついつい見逃してしまいがちな鬼気迫る表情に夢中になって魅入ってしまう。思わず拳を突き上げたくなるビートやリズム使いのプレイにも一切の錆を感じることはない。メンバーの円熟さはもちろん、卓越したプレイに画面に釘付けになってしまう。
それでも無観客での配信ライブには違いなくて、MCでは静かなライブハウスという違和感に苦笑いしてしまうメンバーたち。コロナ禍でライブができなくなってしまうなんて、40年と長いバンド史でも初めての出来事だろう。森山は「思い出の日、思い出の場所でライブをすることを決行して、デビュー時代に戻れる気がする。お茶の間でビールでも飲みながら楽しんでくれたら」と画面の向こうにいるファンに声をかける。
この日のセットリストについては詳しくは映像で確認してほしいのだが、先述した通りデビュー40周年を記念するライブということもあり、デビューアルバム『FIGHT OR FLIGHT』からなど初期中の初期といえる楽曲ばかりを披露。「ゴキゲンRADIO」、「激しい雨が」などの名曲はもちろん、あの伝説の「雨の野音」でも披露された曲、苣木寛之(Gt.Vo)と北里晃一(Ba.Vo)がそれぞれメインボーカルを取るあの曲やこの曲まで。ライブでは久々に演奏された楽曲もあり、新旧のファンはみな悶絶必至!! バンドの屋台骨を支える佐々木周(Dr.Vo)でさえもまだ生まれる前という……、改めてこのバンドが生きるレジェンドなんだと思い知らされる。
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ライブは熱量高いまま進んでいき、画面に映るメンバーの額には汗が流れる。たとえ目前に観客がいなくとも、一切の緩みは感じさせない。ライブDVDとはまた違う、鮮明で美しい映像もいい。使い込まれたギターのボディの傷や腕に刻まれたタトゥ、ふとした瞬間にギターに口づけする森山の姿もしっかりと目に焼き付けることができる。
「一日でも早く、あの声援、あのコール、あの熱を感じながらライブがしたい」と、改めてライブに懸ける思いを語る森山。ライブ後半はデビューから今も変わらぬ「初期衝動」をまんま音にしたロックナンバーを次々にぶつけていき、あっという間に本編が終了。
アンコールではそれまでの映像から一転、これまでのTHE MODSが作り上げてきた数々の伝説を思い起こさせるような特別感のある演出も展開。配信ライブの会場である鹿鳴館は本来なら決して大きなライブハウスではないはずなのに、そこに映る4人はものすごく大きくて、迫力があって、心をビリビリと震わせる、めちゃくちゃにカッコ良い姿だけが映っていた。ライブは約75分、濃厚すぎる時間はあっという間に終わりを迎えた。
デビュー40周年を祝うアニバーサリー・イヤーはまだ始まったばかり。出来ることなら日比谷野外音楽堂で生のライブを観たいが、今はひとまずお預け。7月7日(水)にはライブDVD『BRIGADE JAM』が発売予定。ほかにもYouTubeでバンド史をメンバー自らが語る番組も期間限定で配信中だ。
なお、この日のライブ配信のアーカイブ視聴は6月26日(土)まで配信されるので、一度観た人はおかわりを。まだ観ていないという人はぜひともこのライブ映像を体感してほしい。
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取材・文=黒田奈保子