劇団おぼんろ、オリジナル新作公演『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』の上演が決定
-
ポスト -
シェア - 送る
劇団おぼんろ第19回本公演『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』
2021年8月12日(木)~8月17日(火)Mixalive TOKYO Theater Mixaにて、劇団おぼんろ第19回本公演『瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった』が上演されることがわかった。
劇団おぼんろは大人のための寓話を紡ぎ出すことを特徴とし、普遍性の高い物語と独特な舞台演出技法によって注目を集めてきた。
主宰の末原拓馬の路上独り芝居に端を発し、現在は4000人近くの動員力を持つ劇団に成長。抽象舞台を巧みに用いるおぼんろは廃工場や屋形船、オリジナルの特設テントなど様々な場所でも公演を行い、どんな場所でもまるで絵本の中に潜り込んだようなエンターテインメントを紡ぎ出してきた。劇団おぼんろの公演は、語り部の息遣いが聞こえ、温度さえも伝わる迫力に参加者(観客)は胸を高鳴らせ、日常を忘れて物語の世界に浸ることができる。また、2019年にはサーカスパフォーマンスとの融合にも挑戦し、老若男女、国内外の観客から絶大なる人気を誇る。
前作の『メル・リルルの花火』は感染症予防対策のために上演形態を変更し、オンラインでの音声のみの配信での上演となったため、本公演は2年ぶりの有観客での待望のオリジナル新作の上演となる。
窓から入ってきた少年は、男の目の前に瓶を掲げて言った。
「海を盗んできた」
瓶の中に閉じ込められた海を見つめた初老の男性は、この少年に見覚えがある気がする。
「ベッドにつかまって」と少年は優しく叫んだものだから、男は慌てて従った。
瓶が床に叩きつけられ割られると、中から海は溢れ出し、ベッドは大海原に浮かんだ。少年は言う。
「お前を裁きの場に連れてゆかないといけない。 」
「俺が何をした?」
「夏休みの宿題をまだ提出していないだろう」
「……いつの話だ?」
「小学3年さ」
「バカ言うな、俺は今年で59歳だ」
「なんてこった! だったら早く提出しなければならないな。さ、シーツを帆にして風を受けるんだ」
男は困ってしまった。
「今夜は眠り薬をたらふく飲んだ。 せっかく、 死のうとしたのにな」
目の前に広がる海は、あまりに美しく輝いていた。
おぼんろ最新作は、夏の夜に繰り広げられる老人による不思議な海の冒険譚。
今を生きろ。今、ここにある美しさに目を凝らせ。それでダメなら想像するんだ。心の底からのしあわせ願いながらに。
末原拓馬 コメント
1年ぶりの新作です。幸せの権化みたいな物語を創るにはどうしたらいいのだろう、と日夜考え続けてます。
素敵で大切な1年でした。世界がどうであろうと、僕は愛する人を愛し続けたし、毎日を一生懸命過ごしました。
人には言えない悲しみや怒りをこっそりどこかで叫びたくて物語を創ることもあります。でもそれはとっても自分の心に余裕が残っている時のことで、本当のところ、いまのぼくには、 そんな余裕がない。神様は、泣いても許してくれない。嫌なことを本気で嫌だと言っても、淡々と時計の針を回し続ける。 ならばせめて、僕の大切だと思う人を笑わせることが、いま僕のしたいことだと思いました。
この文章を発表したこの瞬間から初日の8月12日までの間、僕にもあなたにもたくさんの出来事が起こります。それでも、 何が起きても、僕はこの作品をあなたに届けます。届けられるように、創り続けます。それが僕のお祈り。生きる手がかりだから。
僕は幸せなのです。僕を幸せにしようと命がけで戦ってくれた人たちのおかげです。だから僕は、いかに自分が幸せか、どれほどに幸せを願うことのできる僕になれたかを、ちゃんと伝えたい。2021年8月、ただただ、大笑いをしたい。この先いつか泣いても泣いても忘れないような、大笑いをしたい。
目を凝らす、この瞬間の世界の美しさに、過ごしてきた時間の美しさに。もしも何も見えなかったとしても、僕らには想像力がある。一番きれいな瞬間を想像する。
おぼんろ第19回本公演。お会いできることを心から願ってます。
キンキラキンのラブをあなたに。
あなたがくださったものだから、上等にしてお返しします。
公演情報
劇場:Mixalive TOKYO Theater Mixa
出演者:さひがしジュンペイ・塩崎こうせい・末原拓馬・高橋倫平・わかばやしめぐみ
発売日:2021年7月1日(木)12:00~
価格(全席指定席):
プレミアム特典:『リュズタンの夢』舞台裏の記憶
公演終了後、 撮影と編集が完了するや否や大急ぎで映像データをお送りします。物語の余韻とともにお楽しみいただければ幸いです。
・ひよっこ
・いいね
※13日(金)13:00/16日(月)13:00は40席限定でいいね
主催:劇団おぼんろ/株式会社講談社/株式会社ホリプロインターナショナル
おぼんろ公式Twitter:@obonro_new
公演に関するお問い合わせ: おぼんろ制作部 obonro.info@gmail.com
劇場に関するお問い合わせ: https://mixalive.jp/