藤山直美「春団治はチャーミングで嫌いになりきれないところがある」~『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』が開幕へ
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(左から)金子昇、西川忠志、藤山直美、西川きよし、田村亮
2021年7月3日(土)新橋演舞場にて、『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』が開幕する。この度、初日前会見・通し舞台稽古が開催され、オフィシャルレポートと写真が届いたので紹介する。
本公演は、上方落語の爆笑王の異名をとった桂春団治とその春団治の破天荒な人生を支えた姉・おあきの世にも不思議な縁の物語を、明治、大正、の大阪情緒を背景に描いた作品。おあきを演じる藤山直美をはじめ、西川忠志、田村亮、金子昇、大津嶺子、いま寛大、そして特別出演として西川きよしと豪華キャストが出演する。
初日前会見には、藤山直美、西川忠志、金子昇、田村亮、西川きよしが登壇し、挨拶を行った。
藤山:本日はお越しいただきまして誠にありがとうございます。明日、初日迎えさせていだきます。全国が大変な状況ですが、劇場に足を運んでくださる方がいらっしゃいましたら、完全な感染症対策で皆さまをお迎えさせていただきます。来ていただけたら嬉しいですし、喜んで帰ってい いただけると確信しております。
藤山直美
西川忠志:本日はありがとうございます。吉本新喜劇の西川忠志でございます。この度は、初代、春団治役を演じさせていただきます。通常は男女間の恋愛を軸に描かれている作品ですが、今回は姉弟愛を軸に描かれた新作でございます。おあき役を演じる藤山直美さんのお力をお借りしながら、楽しく、切なく演じて参ります。
そして!! 本日、私の父、西川きよしは75歳を迎えました!! 今日から、後期高齢者でございます。しかし、父が元気でこうして一緒に仕事をさせていただきますこと、新橋演舞場の舞台に立たせていただきますこと、本当に有難く思います。今まで支え、応援してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。今回、父は新橋演舞場初舞台でございます。75歳になっても“初”というお仕事ができる父を誇らしく思います。精一杯勤めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
西川忠志
金子:藤山直美さん演じるおあきに一目惚れをし、恋焦がれる、サーベル役を演じさせていただきます、金子昇と申します。本来ならば、5月に大阪松竹座で幕を開け、7月に新橋演舞場で上演する段取りだったのですが、このご時勢で大阪公演は中止となってしまいました。明日ようやく初日を迎えようやく初日を迎えられるられることが本当に幸せことが本当に幸せです。感染症対策に万全を尽くしておりますので劇場に足を運んでいただければと思います。大笑いし、大泣きできる作品になっておりますので、是非お越しください。
金子昇
田村:2代目桂文枝を演じさせていただきます田村亮です。私は去年の3月に大阪で舞台をやる予定だったのですが、あと3日で初日を迎えるという時に中止になりました。それ以来、予定していた舞台やテレビも中止と延期の繰り返しで、ずっと自粛の生活をしておりました。今こうして皆さまと一緒にいられることが 幸せでございます。一人でも多くの方に来ていただいて、芝居の面白さ、楽しさを早く思い出していただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
田村亮
西川きよし:おはようございます。本日はお足元の悪い中、お越しいただきましてありがとうございます。今日から75歳後期高齢者ですが、 私はほんとうに元気です。誕生日という日に新橋演舞場の舞台に立てるということが最高のプレゼントです。初心に帰り『おあきと春団治』一生懸命勉強させていただきます。藤山直美さん、田村のお兄さん(田村亮)にも日々色んなことをご指導いただいております。頑張りますので、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
西川きよし
挨拶の後、質疑応答が行われた。
ーー春団治の芝居には数多くご出演なさっていますが、今回が初の姉のおあき役ということで、お気持ちをお聞かせください。
藤山:今までは役柄で春団治という人物と恋愛もしてきましたし、えらい目にあわされてきましたが、今回 は姉のおあき役ということで、春団治に対してのものの見方、視野、周りに対しての思いやりが変わってきますので、難しいなと思います。忠志さんが演じる春団治が命がけで頑張ってくれてますので、なんとか支えていければと思っております。母親が亡くなって姉弟で苦労して生きてきた役なんですが、そういう時、役者は母親の顔を思い浮かべるんですよね。でも、どうしても西川ヘレンさんの顔が出てくるんですよね(笑)。心を引き締めて頑張って参ります。
ーー今回お父さまと共演されますが、西川忠志さんはどのような思いですか。
西川忠志:先程も申しましたように父が75歳になりまして、藤山直美さんから「現役で舞台に立つお父さまと、一緒にお仕事ができることは本当に素晴らしいことだし、私は羨ましい。この時間を大切にしなさい 」というお言葉を頂戴いたしました。このように一緒に舞台に立たせていただけることに感謝しております。
そして桂春団治の役ですけれども、この方は芸は一流ですけれども、破天荒な私生活を送っているという部分で、父と色々重なる部分がございます。そのような父の姿を見てきましたので、今回は東京公演ということで母と1か月離れますが、もし万が一のことがあってはいけないので、目を光らせていたいと思います。今回、桂春団治の浮気相手の方が訪ねてくるシーンがあるんですが、その逆バージョンで、母が父の浮気相手の家に乗り込んだという実話がございますので、それを参考に演技させていただきます(笑)。
『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』舞台写真 (右)西川忠志 /(C)松竹
西川きよし:今日は僕をいじめる会ということですか?(笑)
僕は忙しい毎日でしたから、あまり子供たちと接する機会がなかったのですが、息子(忠志)は本当に愚直で真面目な男です。
今日、75歳の誕生日を迎えましたが、本当に藤山直美さんには良い誕生日プレゼントをいただきました。約 1か月、千穐楽までどうぞよろしくお願いいたします。
ーー春団治の魅力はどのあたりにありますか?
藤山:とてもチャーミングな方なんでしょうね。どうしても嫌いになりきれないところがあると言いますか 。実際の写真を見せていただいたのですが、特別二枚目というわけではなく、それでも女性にはすごくモテたということですから、人間味があって、可愛らしくて、少年のようで、男気もあって、そうゆう母性をくすぐるところがたくさん あったんでしょうね。でも私は苦手です!! 私も父からえらい目にあってますから、ねえ? 忠志くんも!! もうそういう人は父だけで結構です(笑)。
ーー藤山直美さんと西川きよしさんは今回舞台初共演ということですが稽古を通していかがでしょうか?
西川きよし:私は藤山直美さんのお父さまに本当にお世話になりまして、楽屋に呼ばれてお食事を食べながら、たくさんの芸事のお話を聞かせていただきました。お嬢さんの藤山直美さんとは、セリフ合わせから、立ち稽古、舞台稽古を一緒に行って、いよいよ明日、初日を迎えるわけですけれども、たくさんの場面に登場するのにも関わらずスーパーコンピューターのようにお芝居の整理整頓ができる方だなと思います。
『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』舞台写真 西川きよし /(C)松竹
藤山:西川きよしさんは生きていらっしゃる歴史上人物です。劇中に「伝統があるさかい、今があるんや 」という田村亮さんの台詞があるんですが、ほんとうにその通りだと思います。 西川きよしさんから、富士山のように色々と活躍の幅を広げた芸人さんが増えたんですから。ですからやっぱり、やすしきよしと言ったら歴史上の人物になりますよね。 ご一緒できることが本当に嬉しく思っております。そしてまた、父とも仲良くしていただいたことも感謝いたします。
ーー今回の作品の姉弟の絆を描いた作品ですが、ご自身にとってどのようなどんな存在ですか。
藤山:私は女姉妹ばかりですが、歳を取った今でも女姉妹で良かったなと思います。母が95歳になった今 、つくづくそう思います。
『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』舞台写真 藤山直美 /(C)松竹
西川きよし:核家族と呼ばれている時代ですが、親子関係、兄弟関係を考え直さなければいけないなと思っ ている方がいれば、この舞台を観て、笑ったり泣いたりしていただければ幸いです。
田村:私は男の4人兄弟になるんですが、男同士というのは連絡を頻繁に取ったりはしないんですよね。お正月に会うぐらいで、その程度でございまして。なんやかんや思い出すことと言えば、子供の時に遊んで もらったことです。兄貴(田村正和)が亡くなって3か月になりますが、普段連絡も取っていなかったわけですから、最近兄貴の声を聞いていないなと思って、でもそうか、もういないんだと、そのような思いです 。子供の時は有難みなんてなかったですけど、今思うと、小さい小学生の僕を相手によく遊んでくれたなと 記憶が蘇ってきます。
『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』舞台写真 田村亮 /(C)松竹
ーーお客様へのメッセージ
藤山:もし舞台を見ていただけましたら、きっと心が爽やかに、また、悲しく、面白く、たくさんのお土産を持って帰っていただけると思います。 どうぞよろしくお願いいたします。
西川忠志:今まで数々の役者さんが演じて参りました初代桂春団治のお話ですが、今回新作として、こんな 側面があるんだとお客様に感じていただければ幸いです。感染症対策万全にて、皆さまのご来場、心よりお待ち申し上げております。
金子:1か月間、稽古をして参りまして、私は稽古場で毎日大笑いしておりました。何回来ても楽しめる 作品となっております。ぜひ、劇場にお越しください。
『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』舞台写真 金子昇 /(C)松竹
田村:劇場にお越しいただきまして、早くお芝居の楽しさ面白さをもう一度思い出していただければと思います。おおいに笑っていただける自身がありますので、このお芝居、ぜひ観に来てください。
西川きよし:いよいよ明日、初日を迎えます。日々の生活の中で不安な気持ち、寂しい気持ち色々あるかと 思いますが、新橋演舞場に来ていただいて笑っていただければと思います。ぜひご来場ください。
『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』舞台写真 (左から)西川きよし、西川忠志、藤山直美 /(C)松竹
なお、『おあきと春団治~お姉ちゃんにまかしとき~』は、7月3日(土)から26日(月)まで新橋演舞場で上演される。