陳内将の幼少期は「ちょっとわんぱく、ませた子」～『出張！うたってにこりん☆お遊戯会』キャストインタビュー〈Vol.3〉

【2.85次元】教育番組パロディショー『うたってにこりん☆』（以下「うたにこ」）に出演する“うたのおにいさん”たちによる『出張！うたってにこりん☆お遊戯会』が、2021年10月2日（土）に開催される。イベントに先駆け、うたのおにいさんを演じるキャスト5名に見どころや番組収録の振り返りをインタビュー。第3弾の今回は、愛宕金太郎役の陳内将に話を聞いた。

――「うたにこ」の番組収録を振り返って、感想をお願いします。

ちょうど昨年の今頃に撮影してたんです。雨が多い夏で、葉っぱが濡れている光景を見ると、今でも収録日のことを鮮明に思い出してしまうくらい。短期間であの分量を撮ったので、いい意味で密な時間を共有できました。おにいさん役だったほかの4人も、つるの（剛士）さんのこともいまだに「みんなどうしてるのかな？」って気になっています。このあいだも加藤将のSNSを見て「元気にしてるな～」って確認してました（笑）。

――あたごおにいさんは、完璧主義な元ナンバーワンホストというスマートさを持った役どころ。演じられていかがでしたか？

余裕のあるキャラクターを演じられたのは新しい経験でした。これまでも優雅な役をやったことはありましたが、敵の立場であることが多かったんです。今回は仲間を引っ張っていく距離感だったので新鮮でしたね。

――"うたのおにいさん″ を演じられた実感は？

「うたにこ」を見た2歳の甥っ子が、あたごおにいさんを真似して踊ってる姿を見たときに「俺、うたのおにいさんしてるわ～！」って急激に思いました。（童謡を現代風にアレンジした）ネオ・ナーサリーライムの「きんたろう」の“ハイドウ～”の部分でめちゃくちゃ足踏みしていて、かわいかった（笑）。教育番組パロディと銘打っているので、収録の時はあくまで“おにいさん風”だったんです。番組がYouTubeで配信されて、お客様がコメントしてくれたリアクションがあって、どんどん周りの方や子供たちに“うたのおにいさん”にしてもらった感覚です。

――子供たちとの収録はいかがでしたか？

やっぱり、子供はすごく素直だなと。まだ情緒の引き出しが少ない分、一つの感情に振り切っちゃうんだろうなって。本番前に一人がぐずってしまうと、ほかの子にも伝染しちゃうんです。そんな姿を見ながら「自分の子供の時もこうだったのかな？」って考えていました。いろんなハプニングもありましたね。ものすごく英語が得意な子が、収録中に一切英語を話してくれなかったことも（笑）。

――そうなると、アドリブもかなり多かったのでは？

子供とのシーンはほぼアドリブです！　むしろ、台本にあるおにいさんたちのセリフをどう言うか、締めまでの流れをどうもっていくかという挑戦の場でした。そり立つ壁、まさに（テレビ番組の）「SASUKE」状態でしたね（笑）。

――〈Vol.1〉で木津つばささんと加藤将さんが、陳内さんのことを「リアルあたごおにいさんだった」とお話されていたので、意外な感想でした。

そうなんですか？　全然意識していませんでした（笑）。意識して実践していたのは、付き添いで来ていたお母さんたちに、どういうお子さんなのかを聞いていたこと。性格や、習い事は何をしているのかとか……もしかしたら、そこを見てあたごおにいさんっぽいって言ってる？　口説いてると思われたのかな（笑）。共通の話題を増やして、少しでも子供に安心してもらいたかったんです。

――（笑）。共演を経て感じた、ほかのキャストの皆さんの印象は？

初共演だったのが加藤将。面白い人だということは周りから聞いていたんですけど、天然っぷりに衝撃を受けました。監督に「走らないでね」って言われて、フリだと思って走っちゃうとか（笑）。つばさは、一番若いのにしっかりしてる。現場での居方やクレバーさは頼りにしていましたし、仕事に対する考え方も似ている部分があるので、寄り添って甘えていたかもしれない。年上の和合（真一）くんには、一切その気持ちはなかったです（笑）。むしろ「そのままでいい！　和合くんらしくいてください！」って思ってました。佐奈ちゃん（佐奈宏紀）は収録当時、別の作品でも共演したばかりだったので、そのままずっと一緒にいた感覚。普通の友達のように過ごしていました。

――作品にちなんで、子供時代の思い出を教えてください。

わんぱくしていた記憶がありますね。保育園の頃、お昼寝の時間に抜け出して、遊具のある小屋でこっそり持ち込んだお菓子を食べたことがあります（笑）。友達と二人で隠れてたんですけど、先生が来たような物音が聞こえて、見つかりそうになって。僕、その時に「まずいな……」ってつぶやいたんです。5歳児が言うセリフじゃないですよね（笑）。たぶん、テレビに影響を受けていたんでしょうね。「お菓子おいしくないの？」って聞いてきた友達に「今言ったまずいっていうのは、ピンチって意味なんだよ」って説明した場面を、なぜか鮮明に覚えてます（笑）。ませた子でした。

――可愛らしいエピソードですね（笑）。さて、本日は新曲「これからの君たちへ」のレコーディングが行われます。デモを聞かれた印象は？

「うたにこ」じゃないと歌えない、押し切るようなパワーを持ったサビの部分は、お客様も聞いていて絶対楽しいはず。このあいだ、他の現場での休憩時間にうっかり口ずさんでしまったくらい（笑）。月曜から始まって日曜で終わらず、また月曜に戻る歌詞もすごくいい。担当曜日ごとに一人ずつ歌ってから、土日にみんなで向かうリレーションがドキュメンタリー風ドラマの展開を表現しているみたいで素敵です。

――10月には『出張！うたってにこりん☆お遊戯会』が控えています。どんなイベントになりそうですか？

まだ全貌が見えてはいませんが、バラエティっぽい部分もあり、ミュージックシーンもあり。またみんなで集まれるので、ある種一つの集大成のような楽しい場にしたいですね。バラエティパートは子供を置いてきぼりにしてしまう可能性が高いので、今の段階から気を付けておきます（笑）。

――最後に、イベントを楽しみにされている皆さん、子供たちへメッセージをお願いします。

おにいさんたちが出てきた瞬間、皆さんに盛り上がっていただけたらうれしいですね。配信されているこれまでの動画を見てもらって、子供たちには「こんなおにいさんになりたい！」って思ってもらえたら本望です。あたごおにいさんとしては女子たちの心も譲れないので、そのドキドキも忘れずにお届けできたら。なにより、皆さんに楽しんでもらって「次の月曜からもまた頑張っていこう」と思ってもらえたら幸せです。

取材・文＝潮田茗　撮影＝鈴木久美子