Saucy Dog『RUSH BALL 2021』ライブレポート ーー夏空にどこまでも響き渡るグッドメロディ
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Saucy Dog 撮影=瀧本JON…行秀
『RUSH BALL 2021』Saucy Dog
31度まで気温が上がった泉大津は、暑いが海風が心地よく吹いている。これ以上ない「夏」を感じさせてくれるシチュエーションの中、せとゆいか(Dr.Cho)、秋澤和貴(Ba)、石原慎也(Vo.Gt)の順でゆっくりとステージへ。「暑いなあ」と空を見上げる3人。
Saucy Dog
2017年から5年連続の出演となるSaucy Dogは、『RUSH BALL』常連組としての風格も漂っていて、夏を彩る輝きに満ちた「シーグラス」を演奏する表情からは、心からこのステージを楽しんでいることが伝わる。そんな笑顔が伝染して巻き起こるリズミカルなハンドクラップに石原も思わすグッドサイン。
Saucy Dog
夏フェスには欠かせない曲となっている「雀ノ欠伸」では、歌詞にある<オレンジの風>が見えるかのようで、誰もが音楽を全身に浴びる喜びをかみしめた。
Saucy Dog
「みなさん、体調は大丈夫ですか? 暑いね!」(せと)「でも「雀ノ欠伸」をやったらちょっと涼しくなったかも」(石原)「オレンジの風吹いたね」(せと)、そんなほんわかムードのMCに和み、「みんなの前でライブができて本当に嬉しく思っています! せっかくの夏の野外イベントなので、めちゃめちゃ楽しみます。みんなも暑さに気をつけて!」と、せとが喜びを爆発させ、8月25日(水)にリリースしたばかりの5thミニアルバム『レイジーサンデー』収録曲「君がいない」へ。未練たっぷりのせつない心情が天才的に表現されたメロディと情感溢れる石原の歌声が会場を満たしていく。
Saucy Dog
「ここにいるあなたに歌います!」(石原)リズミカルなリフに心躍る「ゴーストバスター」「バンドワゴンに乗って」では、せと・秋澤の繊細かつパワフルなビートも楽曲の物語に深みを与え後半へ。「あまり多くは喋らず、僕は歌で想いをみんなに届けたい」とラスト2曲に想いを繋げていく石原。最新アルバム収録の「シンデレラボーイ」の曲紹介で大きな拍手が起こる。石原が初めて女性目線で歌詞を書いたというこの曲。苦しくなってしまうほどのリアルな情景や鬼気迫る感情の爆発がライブでより鮮明となる。男女コーラスがノスタルジックに重なるラストの名曲「いつか」。石原の魂が宿る圧巻の歌声を静かに噛みしめるオーディエンスだった。
Saucy Dog
武道館ワンマンという節目を経て、音楽の届け方と向き合った1年をドラマチックに凝縮したステージ。演奏を終え、深く頭を下げる3人に惜しみない拍手が送られた。
取材・文=岡田あさみ 撮影=瀧本JON…行秀
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