劇団アレン座が設立5年目に突入 劇団の歴史を辿る脚本・演出家鈴木茉美の作品が配信決定
『空行』(2017年・初演)より
設立5年目に突入した劇団アレン座が、座付、脚本・演出家の鈴木茉美の特集上映を行うことが決定した。
鈴木と劇団アレン座の歩みは、従来の演劇の歴史を踏襲しつつも、常に鈴木が信じることができるリアリティと、現実とSFを掛け合わせたディストピア的空間作りにある。社会の側面を捉えながらも、リアリティだけに走らない独自の作品作りが観客に深い衝撃を与えてきた。
中でも「積チノカベ」、初期作「空行」などをはじめとする作品群は、ある現実世界をそのまま描かず、SFに落とし込むことにより、観客の心をえぐる作品に仕上げ、観客に裏切りと新鮮な驚きを与え続けコアファンを増やし続けている。
『空行』再演 ゲネプロ公演より
『積チノカベ』より
期間は、11月30日(火)までの期間限定。配信されるのは、劇団アレン座作品7作品に加え、大正浪漫探偵譚シリーズ3作品を含む計10作品となる。また60名を超える様々な俳優が参加しており、作品ごとに全く違う独特な世界観を見せ続けていること、それを飾る舞台美術、演出にも注目だ。
鈴木茉美コメント
鈴木茉美
劇団アレン座が始まってから4年で私が作・演出をした10作品を一気にお届けする機会をいただきました。
生で観ていただいた方は、当時を思い出したり気づかなかった部分に気付いたりするかもしれません。アレンを観たことない方は、どんな作品を作ってきたのかの導入として観ていただくのもいいかもしれません。
劇団立ち上げ公演の舞台『空行』から、再演の『空行』、『大正浪漫探偵譚』シリーズ、エネルギー問題を題材にした『積チノカベ』コロナ禍の中で初めて劇団員と共に世の中に前向きなメッセージを送った『秘密基地』などジャンルは様々ですが、宗教観と哲学、人との繋がりが、私のフィルターを通して滲み出ている作品たちだなと。
作品の感じ方は人それぞれです。皆様にとって何かを感じる物語になったら幸いです。