podcast番組『speakeasy podcast』1週間の海外ポップソングニュース【ジュース・ワールドとジャスティン・ビーバーのコラボ新曲、サブスクで今年最も聴かれた曲など】
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海外音楽情報専門podcast『speakeasy podcast』とSPICEの連動企画。毎週金曜日に海外でニューリリースになった楽曲やアルバムの中から、MCを務める竹内琢也がオススメの曲を紹介。Spotifyの『New Music Friday』のプレイリストやイギリスのOfficial UK Chartsなどでピックアップされているリストを独自に集計して選んだ楽曲をお届けする。
今週の気になるニューミュージック5選
●「Wandered To LA」/ ジュース・ワールド、ジャスティン・ビーバー
Juice WRLD & Justin Bieber - Wandered To LA (Official Audio)
2019年に亡くなったラッパー、ジュース・ワールド。命日の12月8日から2日後の12月10日(金)には、没後2作目となるアルバム『Fighting Demons』のリリースが発表されており、既にアルバムからは「Already Dead」が公開されています。そして今回、アルバムからの2作目で、ジャスティン・ビーバーとのコラボソングの新曲「Wandered To LA」が、12月3日(金)に配信開始となりました。ちなみにアメリカでは、12月16日(木)にドキュメンタリー『Juice WRLD: Into the Abyss』も公開されます。
●「Scenic Drive(feat.スミノ、アリ・レノックス)」/ カリード
Khalid - Scenic Drive (Lyric Video) ft. Ari Lennox, Smino
カリードが12月3日(金)に自身初のミックステープ『Scenic Drive』をリリースしました。当初は今年の秋にリリースを予定していた3rdアルバム『Everything Is Changing』が延期になっており、それに先駆けて、今回のミックステープをリリース。アリシア・キーズ、ラッキー・デイ、ブラック、マジッド・ジョーダンらが参加した、ファン待望の作品となります。ピックアップした「Scenic Drive」には、ラッパーでシンガーのスミノとアリ・レノックスが参加しています。
●「It’ll Be Okay」/ ショーン・メンデス
Shawn Mendes - It’ll Be Okay (Lyric Video)
ショーン・メンデスの新曲「It’ll Be Okay」が12月2日(木)、リリースになりました。ショーン・メンデスは11月30日(火)に自身のインスタグラムに<Are we gonna make it?/ Is this gonna hurt?(僕たち乗り越えられるかな?/これって痛むかな?)>とこの曲の一部を歌っている約12秒の動画公開し、リリースを予告。また2年間交際していたカミラ・カベロとの破局も2週間前に発表しており、その発表後初のシングルとなります。
●「Merry Christmas」/ エド・シーラン、エルトン・ジョン
Ed Sheeran & Elton John - Merry Christmas [Official Video]
エド・シーランとエルトン・ジョンのクリスマスコラボソング「Merry Christmas」が12月3日(金)にリリースされました。エド・シーランにとっては初のクリスマスソング、エルトン・ジョンにとっては1973年の「Step into Christmas」以来2曲目のクリスマスソングです。現地時間11月8日(月)にアメリカのTVトーク番組『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』に出演した際には、「クリスマスソングを3曲作っていて、そのうちの1曲が「Merry Christmas」というタイトルだ」と話しており、加えて「「Merry Christmas」という曲はたくさんあるから変更することになるだろうと思っていた。でもSpotifyで「Merry Christmas」と検索したら、「Merry Christmas, Everyone」や「Happy Xmas (War Is Over)」はあったけれど、「Merry Christmas」という曲はなかった。驚いたよ」とコメントしています。
●「Just Look Up」/ アリアナ・グランデ、キッド・カディ
Just Look Up (From Don’t Look Up)
12月3日(金)に、アリアナ・グランデとラッパーのキッド・カディの初コラボソング「Just Look Up」が到着。12月24日(金)にNetflixで配信開始となる新作映画『ドント・ルック・アップ』の公式サウンドトラック『Don’t Look Up (Soundtrack From the Netflix Film)』から先行配信されています。この『ドント・ルック・アップ』はレオナルド・ディカプリオやジェニファー・ローレンスを筆頭に、豪華俳優陣が集結しており、アリアナ・グランデとキッド・カディも出演しています。監督はアダム・マッケイ。さらに11月17日(水)に発表された『ハリウッドメディア音楽賞』のノミネート作品にこの「Just Look Up」もリストインしており、そこでいち早く楽曲の一部が公開され、SNSで拡散されていました。
●この1週間の海外ポップミュージックシーンの動き●
Olivia Rodrigo - drivers license (Official Video)
音楽配信サービスのApple MusicとSpotifyが2021年に最もストリーミングされた曲のランキングを発表、USビルボードも年間チャートを発表しました。2021年にApple Musicで最もストリーミングされた曲はBTSの「Dynamite」で、2位はオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」、3位はアリアナ・グランデの「positions」となりました。Spotifyで最も再生された曲はオリヴィア・ロドリゴの「drivers license」、2位はリル・ナズ・Xの「MONTERO(Call Me By Your Name)」、3位はザ・キッド・ラロイの「STAY」と続きます。今年は両サービスともオリヴィア・ロドリゴが人気で、特にSpotifyではグローバル、US、UKで「good 4 u」が最もストリーミングされた曲となり、アルバム『SOUR』もグローバル、US、UKで最もストリーミングされたアルバムとなりました。しかしアーティスト別となると、世界で最もストリーミングされたのはバッド・バニーで、US&UKで最もストリーミングされたのはドレイクとなっています。
Dua Lipa - Levitating (Official Lyrics Video)
ビルボードが発表した2021年の年間ソングチャートの1位に輝いたのはデュア・リパの「Levitating」。集計終了までの最高位は2位止まりで、週間チャートで1位になっていない曲が年間1位に輝いたのは2001年のライフハウスの「Hanging By A Moment」以来です。女性アーティストとして年間1位を獲得したのは、意外にも2000年のフェイス・ヒルの「Breathe」以来21年ぶりとなります。年間アルバムチャートはカントリー・シンガー、モーガン・ウォレンの『Dangerous:The Double Album』が1位を獲得。オリヴィア・ロドリゴ、ポップ・スモーク、テイラー・スウィフト、ドレイクらを抑えての年間首位でした。ちなみにモーガン・ウォレンは先日人種差別用語を使用している映像が報道され問題になっており、レーベルとの契約が無期限停止となっています。Apple Music、Spotify、ビルボードの主要年間ランキングは以下の通りです。
●2021年、世界で最もストリーミングされた曲
<Apple Music>
1. BTS「Dynamite」
2. オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」
3. アリアナ・グランデ「positions」
4. ポップ・スモーク「For The Night(feat.リル・ベイビー&ダベイビー)」
5. ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」
<Spotify>
1. オリヴィア・ロドリゴ「drivers license」
2. リル・ナズ・X「MONTERO (Call Me By Your Name)」
3. ザ・キッド・ラロイ、ジャスティン・ビーバー「STAY(with Justin Bieber)」
4. オリヴィア・ロドリゴ「good 4 u」
5. デュア・リパ「Levitating feat. ダベイビー」
●Spotify 世界で最もストリーミングされたアルバム
1. オリヴィア・ロドリゴ『SOUR』
2. デュア・リパ『Future Nostalgia』
3. ジャスティン・ビーバー『Justice』
4. エド・シーラン『=』
5. ドージャ・キャット『Planet Her』
●Spotify 世界で最もストリーミングされたアーティスト
1. バッド・バニー
2. テイラー・スウィフト
3. BTS
4. ドレイク
5. ジャスティン・ビーバー
●Billboard 200
1. モーガン・ウォレン『Dangerous:The Double Album』
2. オリヴィア・ロドリゴ『SOUR』
3. ポップ・スモーク『Shoot For The Stars Aim For The Moon』
4. テイラー・スウィフト『Evermore』
5. ドレイク『Certified Lover Boy』
●Billboard Hot 100
1.デュア・リパ「Levitating」
2.ザ・ウィークエンド&アリアナ・グランデ「Save Your Tears」
3.ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」
4.24kゴールデン「Mood ft.イアン・ディオール」
5.オリヴィア・ロドリゴ「good 4 u」
●Billboard - The Top Artists
1. ドレイク
2. オリヴィア・ロドリゴ
3. ザ・ウィークエンド
4. テイラー・スウィフト
5. モーガン・ウォレン
Holly Humberstone - Friendly Fire (Official Video)
また2022年2月8日(火)にイギリス・ロンドンのO2アリーナにて開催を予定している、イギリスを代表する音楽授賞式『ブリット・アワード』の新人賞の候補となる3組のアーティストが発表されました。ノミネーションは現地時間の12月18日(土)に発表されることが明らかになっていますが、例年授賞式に先駆けてライジングスター賞の候補がいち早く発表になります。候補者はホリー・ハンバーストーン、ブリー・ランウェイ、ローラ・ヤングの3名。
Bree Runway - HOT HOT
ちなみにライジング・スター賞は、2021年10月31日(日)までにUKチャートでアルバムやシングルが20位以内に入っていないアーティストが対象となり、2021年はグリフ、2020年はセレステが受賞しています。
Lola Young - Blind Love
LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)のメンズ・アーティスティック・デザイナーであり、ファッションブランド「OFF-WHITE C/O VIRGIL ABLOH™(オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー)」の創業者、ヴァージル・アブローが現地時間11月28日(木)に41歳という若さで亡くなりました。ファッションでの貢献に加え、DJとしても活躍し、カニエ・ウェストのクリエイティブ・ディレクターを長年務めたヴァージル・アブロー。ヒップホップのアルバムジャケットのデザインも多く手がけており、カニエ・ウェストだけでなく、エイサップ・ロッキー、リル・ウージー・ヴァート、ポップ・スモークなども担当していました。ファレル・ウィリアムス、タイラー・ザ・クリエイター、フランク・オーシャン、BTSなど音楽界からも様々なアーティストがヴァージル・アブローが追悼文を投稿しています。
Adele - Oh My God (Official Lyric Video)
それでは今週のチャートの動きです。USシングルチャートは先週首位を獲得したテイラー・スウィフトの「All Too Well(Taylor's Version)」が4位にランクダウン。アデルの「Easy On Me」が1位に返り咲きました。そしてアデルの新作アルバム『30』から「Oh My God」が初登場5位、さらにアルバムに収録されている12曲全てがHOT100にチャートインしています。その他大きな変動はありませんが、12月に入りマライア・キャリーの「All I Want For Christmas Is You」を筆頭に、クリスマスソングが多くチャートインしてきています。
Adele - Easy On Me (Official Video)
USアルバムチャートはアデルの『30』が2021年最大売り上げで1位に輝きました。11月19日(金)に発売され、11月21日(日)までに全米で50万枚以上のセールスを記録。先週お伝えしたように過去11か月間にリリースされた全アルバムの売上枚数を上回り、リリースから3日で2021年に最も売れたアルバムです。記録は更新され、たった1週間でアルバムセールスは約69万枚となり先週1位に初登場したテイラー・スウィフトの『Red(Taylor's Version)』が記録した36万9,000枚を2倍近く上回りました。『30』は今年最大の売り上げを更新しただけでなく、2017年12月2日付チャートで、テイラー・スウィフトの『reputation』が記録した週間セールス100万枚以来、過去4年間最大記録となっています。
Robert Plant & Alison Krauss - Searching For My Love (Live from Sound Emporium Studios)
また、ロバート・プラントとアリソン・クラウスによるジョイント・アルバム『Raise The Roof』が7位に初登場。2人のコラボレーションは、『Raising Sand』収録楽曲の「Please Read the Letter」で第51回『グラミー賞』のアルバム・オブ・ザ・イヤー、レコード・オブ・ザ・イヤーを受賞した2007年以来、約14年ぶりとなります。
D-Block Europe - Overseas ft. @Central Cee (Official Music Video)
UKシングルチャートもアデルの「Easy On Me」が首位。また初登場2位で「Oh My God」、同4位で「I Drink Wine」をチャートインさせており、トップ5にアデルの曲が3曲入ることとなりました。初登場8位にはイギリスのヒップホップ・コレクティブ、ディーブロック・ユーロップがセントラル・シーとコラボした「Overseas」がチャートインしています。Oasis - Live Forever (Live At Knebworth) Taken from the cinematic documentary 'Oasis Knebworth 1996'
UKアルバムチャートもアデルの『30』が制しました。USと同じく2021年最大の初週売り上げを記録しています。これによりアデルはデビューから『19』、『21』、『25』、『30』と4枚全てのアルバムでUK1位を獲得したことになります。その他オアシスのライヴ・アルバム『Knebworth 1996』が初登場4位、前述のロバート・プラントとアリソン・クラウスの『Raise The Roof』、ディーブロック・ユーロップのミックステープ『Home Alone 2』が初登場5位と6位を獲得。
elbow - Flying Dream 1 (Official Video)
UKのバンド、エルボーのアルバム『Flying Dream 1』が初登場7位、ジェイムス・ブラントの初のベスト盤『The Stars Beneath My Feet (2004-2021)』が初登場9位にチャートインしています。
James Blunt - Unstoppable (Official Music Video)
12月3日(金)配信の『speakeasy podcast』(#152)では、今週の様々な音楽ニュースを取り上げていますので、お時間ある時に聴いてみてください。
文=竹内琢也
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