次世代を担う若き才能たちが集結!『LIGHT UP THE FUTURE』ライブレポート
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LIGHT UP THE FUTURE
LIGHT UP THE FUTURE12月21日(火)@下北沢ReG
12月21日(火)下北沢ReGにて、Yang Homie、Chris&ChRiS、THIS VERY DAY の3組が出演するライブイベント『LIGHT UP THE FUTURE』が開催された。文化庁がコロナ禍を乗り越えるための文化芸術活動支援を目的に施行している「ARTS for the future!」の協力も受けて、開催されたこのイベント。コロナ禍を乗り越えた未来を明るい光で照らすべく、次世代を担う若き才能たちが集結! ジャンルの壁を越えて集まった3組は強烈な個性を放ち、音楽を通じて熱いメッセージを送り、明るい未来への希望を指し示した。
仄暗い照明の中、ささやくような歌声で静かに始まり、日本語とチベット語が入り交じる歌詞を感傷的に歌い上げる「鏡」でイベントの幕を開けたのは、チベット、モンゴル、日本(埼玉)出身のメンバーで構成された、日中混合バンドのYang Homie。
Yang Homie
ゆったりと力強い演奏に乗せたワンジュ(Vo)のチベット語ラップには新鮮さと驚きがあったが、感情や心象風景を丁寧に描く、息の合った歌と演奏に1曲目から釘付け。「このまま」「Replay」とライブが続き、歌心あるボーカルとグッドメロディで魅了しつつ、しっかりリズムキープしながら独創的なフレーズで聴かせるリズム隊、卓越したプレイで楽曲世界を熱く切なく彩るツインギターと、演奏面でも前半戦からたくさんの魅せ場を作る5人。いいバンドだなぁ! MCでは「今年は色んなことに挑戦出来て、来年に向けての楽しみが増えました」と前向きに一年を振り返ると、「ここからは盛り上がって行きましょう! 全ての話は曲の中にあります」と始まった、熱く激しいダンスロック・チューン「GAIN」でフロアの熱を急上昇させる。
Yang Homie
ポップで軽快なサウンドにワンジュの美しいファルセットが印象的だった「Time Travel」で踊らせると、ラストは「僕たちが初めて作った曲です」と曲紹介して始まったラブソング「この愛」を気持ちいっぱいの歌と演奏で披露し、熱い愛を届ける。音楽がジャンルも国境も超えることを体現する、素晴らしいライブだった。
The Beatles「Rock and Roll Music」をSEに登場したのは、Chris & ChRiS。60~70年代のロックを中心に、ファンクやジャズ、ワールドミュージックの要素を取り入れた“ニューレトロ・ロックバンド”を自称する彼ら。スーツ姿でセミアコのギターを背負ったTAKUMI(Vo&Gt)がガイコツマイクに立って、「West coast」で雰囲気たっぷりにライブが始まると、タイトなバンドサウンドとクールな中に甘く色気ある歌声で会場の空気を一変させる。
Chris & ChRiS
若手ながらロックンロール・バンドとしての矜持やそれを裏付けるバックボーンが見えるバンドスタイルや魅せ方、サウンドは、好感と興味が湧くばかり。ミラーボールの光がよく似合う痛快なロックンロールを聴かせた「Music presents」、TAKUMIの胸に迫る歌声が印象的だった「Radio blues」と続き、MCでは新メンバーとして加入したベースのKensupuを紹介。この日が新メンバー加入後初、かつ年内最後という大事なライブであることを告げると、「新曲を持ってきましたので、演っちゃいます」と、ブルージーな新曲「SMOKER」を披露。
Chris & ChRiS
新曲とは思えない堂々とした演奏や各パートのソロ、男臭さや哀愁と伸びやかさを併せ持つ魅力的なボーカルと見どころ満載だったこの曲に続く、ラストの曲は「Igg DoG」。勢いと疾走感ある歌と演奏で、賑やかに派手やかにステージを彩り、ライブを締めくくった。
『LIGHT UP THE FUTURE』の大トリを努めたのは、THIS VERY DAY。印象的なギターイントロから、ピアノを含むバンドサウンドが圧倒的音圧を放つ「VICTORY」でライブが始まると、Yuji(Piano&Vo)のタフで美しいボーカルが、ヘヴィで強靭なサウンドの中で強烈な存在感を放つ。お~、カッコいい! ピアノを弾きながら歌う姿もカッコよければ、ハンドマイクでシャウトする姿もカッコいいという隙のないステージングで魅せるYuji。激しい演奏に掛け声も勇ましい「Loser」ではフロアに手拍子や心の合唱を煽り、観客の心を完全掌握。
THIS VERY DAY
「今日集まってくれたみんなと配信のみんなと、思い切り楽しみたいと思います!」と、抜群の演奏力で心震わせた「夜宴」では観客が手を挙げ合わせて、一体感が生まれる。MCでは「今年はReGでたくさんライブをやらせていただきました。この素敵なライブハウスに出会えたこと、みなさんと出会えたことを誇りに思います。心を込めてありがとうございます!」と感謝を伝え、美しいイントロから「Little love」を披露。壮大な演奏に、胸締めつけるハイトーンボーカルが映えるこの曲でしっかり聴かせると、「辛いこともあったけど、いま思うとすごく幸せな一年だったかなと思います。来年はもっと素敵な一年をみなさんと作っていけるように、音楽と向き合っていきます」と来年への豊富を語り、ラストは熱くポジティブな気持ちを込めた「Stay With You」を披露。
THIS VERY DAY
「越えてみせようぜ!」とメッセージを送り、明るい未来を見据えるような凛々しい表情で歌うYuji。合唱パートにフロアから拳が上がり、みんなの気持ちがひとつになったあの瞬間、会場には間違いなく未来からの明るい光が射し込んでいた。
取材、文=フジジュン Photo by TAMA (@tm_livephoto)