ダニエル・バレンボイム&ウィーン・フィル 『ニューイヤー・コンサート2022』のデジタル配信がスタート
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ニューイヤー・コンサート2022/ダニエル・バレンボイム&ウィーン・フィル (C)Dieter Nagl
ダニエル・バレンボイム&ウィーン・フィル『ニューイヤー・コンサート2022』のデジタル配信が、本日1月7日(金)スタートした。
毎年1月1日に行なわれるウィーン・フィルのニューイヤー・コンサート。2022年は当初フルキャパシティの観客を入れての公演が予定されていたが、直前になってオーストリア政府の規制により1000人に限定しての開催となった。ちょうど元日の午前11時15分から開催された地元オーストリアでは、TVの視聴率が60%を超え、これは2014年以来の高視聴率となった。オーストリア国内だけで116万人が見た計算となる。
(C)Dieter Nagl
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ウィーンの地元紙『クーリエ』は、「芸術的に卓越した成果。今後語り継がれる記念碑的なコンサート。ダニエル・バレンボイムとウィーン・フィルはこのコンビならではの音楽を聴かせてくれた」と絶賛。『ウィーン新聞』紙は「この上なく贅沢な音の絵」、『ディ・ツァイト』紙は「ウィーン・フィルはワインのコルクの栓を軽やかに開けた」、『クローネン』紙は「ウィーン・フィルは人を魅了するサウンドを全開させた」と称賛の言葉を連ねている。
観客が半分になり、マスク着用とはいえ、客席には華やぎが戻り、定番の「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」などに加えて、ツィーラー没後100年メモリアル、ヨーゼフ・シュトラウス生誕195年など、2022年のさまざまなアニヴァーサリーなどテーマ性を織り込んだ多彩な作品で構成され、ニューイヤー・コンサート初登場曲も6曲含まれていた。2014年以来8年ぶりニューイヤー・コンサート3度目の登壇となるダニエル・バレンボイムは、ウィーン・フィルとは1965年以来半世紀以上の共演歴があり、気心の通じ合った表情豊かな演奏を繰り広げた。
(C)Dieter Nagl
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また「美しく青きドナウ」の演奏の前に行われる「新年の挨拶」では、通例の「明けましておめでとう」に加えて、バレンボイムが約2分間にわたって英語でスピーチを行った。「このコンサートでは、数多くの音楽家が一つの『共同体』になっています。このようなことが現在の規範になるべきなのです」と、コロナによって人と人とが離れていくことへの警鐘を鳴らし、つながりを持ち続けることの重要性を訴えた。続く「ラデツキー行進曲」では客席が一丸となった拍手を巧みにコントロールして、華やかにコンサートを締めくくった。また同時に2023年のニューイヤー・コンサートの指揮者がフランツ・ウェルザー=メストであることも発表された(2013年以来10年ぶり)。
(C)Dieter Nagl