『プリンスアイスワールド』が今シーズン最後の公演へ―― その見所をキャプテン小林宏一氏に聞いた
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『プリンスアイスワールド』の新たなシーズンとなる「Brand New Story Ⅱ」。その最終公演が2月25日(金)~27日(日)、ダイドードリンコアイスアリーナ(東京都)で開催される。
横浜公演、大分公演に続く開催となった今回の公演では、プリンスアイスワールドチームに加え、紀平梨花や本田真凜、田中刑事といったゲストスケーターが出演する予定となっている。その見所や注目のポイントについて、プリンスアイスワールドチーム 男性ラインキャプテンの小林宏一氏に話を伺った。
――2月25日から始まる「Brand New Story Ⅱ」東京公演の見所や注目点を教えてください。
小林:今までのプリンスアイスワールドショーにないような要素がたくさん含まれていて、年々パワーアップしています。布を使ったフライングなどエアリアル的な演目を、プリンスのキャストがやるのが初めてなので、ここは注目していただければと思います。とうとう僕たちもここまで来たかと思っています。
――フライングを含めたエアリアルな大技は評判になりましたよね。
小林:そうですね。今までリンクの下の空間しか使えていなかったものが、上の空間も僕たちキャストが使うことによって、本当に一歩、上に昇れたと思いますし、すごい迫力もあって今年は今までにないぐらいSNS上でも話題にしていただいたのは嬉しかったですね。
――アクロバティックというとちょっと違うかもしれないですが、華やかな大技は小林さんの得意とするところなのかなと思います。
小林:いえいえ、現役の選手の方たちのようなジャンプとかスケーティングスキルを求められると太刀打ちできませんが(笑)。現役選手たちは本当に技術が高くなっていて、見せ方も抜群だし、パワーもありますから、通常の試合では見られない現役選手たちの演技がこのプリンスアイスワールドで見られるのはひとつ大きな特徴だと思います。アイスショーにはルールがありませんし、「Brand New Story Ⅰ」から演出・構成に携わってくれているモモ(モモ ナガシマ)さんのお力もあって、お客さんにも喜んでいただいていると思います。一昨年、すでに「Brand New StoryⅡ」は作り上げられていて、それが緊急事態宣言でなくなってしまいましたが、その間にさらにブラッシュアップして、去年のゴールデンウィークにお客様に披露することができたんです。だからこそ今度の東京公演も、もっともっとすごいものをお見せできるんじゃないかと思います。
――ちなみに一昨年はコロナで中止になりましたが、そのことについて当時はどんなことを思われていましたか?
小林:2年前に中止になり、昨年、ようやく公演ができたんですけど、何とも言えない感情でした。当時は2か月家にずっといて、このままもう自分のモチベーションも保てなくなって、ショーも二度と開催できなくなっちゃうんじゃないか? と感じていました。だからこそ去年の新横浜公演では、本番直前に感極まってしまって、みんなの前で大号泣してしまいました。本番直前、モモさんがみんなを集めてとてもグッと来ることをおっしゃっていて、すでに込み上げてきていた僕に「一言何か言え」と振られて、マジかよと(笑)。みんなの前に立った瞬間、もう喋れる状態じゃなかったですね。でもやっぱりアイスショーっていいなと思えたし、モチベーションも上がってきて、ずっと続けていきたいという気持ちが強くなりました。お客さんに楽しんいただけて、勇気を感じていただくことができたらと思うので、身体がもつ限り、滑りたいと改めて思いました。
――ありがとうございます。今回ですが、特にここを見てほしいというところは?
小林:やはりエアリアルですけど、レクリエーションという演目の中にアイスタップという、去年もあった演目があるんですが、氷の上でタップダンスをするんです。エッジの音だけを響かせるのでかなりすごいものになります。プリンスだけしかやっていないんじゃないかと思う、新しい試みです。
――試合とは異なるパフォーマンスが魅力ですが、こういうことができるとか技や演目はどのように決めるんですか?
小林:僕たちキャストは25人いますが、キャストが発言したことが演目に入ることはほとんどないんです。以前はフィギュアスケート専門の方が振り付けをしていたんですが、今は芸能界でコンサートなどで演出・構成を手掛けていたり、映像を制作している方が携わってくださっています。ダンスも現役のプロのダンサーの振り付けでやっているので、そこも僕ら自身の楽しみのひとつです。床の上で作ったものを氷の上で実際にパフォーマンスする時には、もちろんこちらからより良くなるように提案したりはしますし、最終的にはスケーティングディレクターの佐藤紀子先生が作ってくださいます。僕らも新しいことに挑戦するのは楽しいですし、例え難しい技でもできないまま終わらせたくないですし、氷の上でお見せできるものはお客さんも必ず興味深く見てくださると思います。いつもは陸でやるダンスやタップやエアリアルを、フィギュアスケーターが氷の上で表現するのはポイントですね。
――特にこだわっている点は?
小林:演出的にもとてもこだわっています。エアリアルのフライングもそうなんですけど、「コンフィデント」というナンバーでは、中島将貴くんがザンボを運転しながら、ザンボと一緒にキャストが回るというすごく新しい演出もあります。今年は本田望結選手ががっつりキャストのナンバーにも携わってくれているところも、ぜひ見ていただきたいです。
――小林さんはチームリーダーとして25人を率いているんですよね。
小林:僕たちメンバーは一昨年のうちに作り上がっていた演目をすでに練習して、昨年も披露していたんですが、2021年に入った新人さんたちは右も左もわからない状態で練習しているんです。だから集合時間の数時間前に集まって、自分でやって見せた方が早いかなと思い、僕が知っている限りの振り付けを一緒にやっています。僕は言葉で伝えるのが得意ではないので(笑)、僕がそのショーに懸ける想い、熱意を伝えられたらいいなと思っています。
――演技する時に意識していることは?
小林:“舞台”から降りないようにすること。グループで端で滑っていても常にお客さんの視線を意識して、絶対に舞台から降りずにいる。はける時に、意外とみんな気が緩んでしまって、「まだお客さんから見えてるのに」っていうことがあるんです。
――では最後に公演に向けての意気込みをお願いします!
小林:今年は「Brand New Story Ⅲ」が始まるので、今回は最後の「Brand New Story Ⅱ」です。だから今まで以上に気合を入れて、最後の東京公演を思いっきり楽しんで盛り上げていきたいです! 「Ⅲ」もよりパワーアップすると思いますので、こちらも楽しみに待っていていただけたらと思います。
(文/熊谷真由子)
イベント情報
『プリンスアイスワールド2021-2022 東京公演「Brand New Story Ⅱ」~Moving On !~』
日時:2月25日(金)〜27日(日) 1回目 11:30〜/2回目 16:00〜
開場:ダイドードリンコアイスアリーナ (東京都)