俳優・演出家・劇作家のシライケイタが脚本・演出 結城座旗揚げ385周年記念公演第三弾『変身』上演決定

2022.1.31
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舞台

『変身』


2022年3月26日(土)~3月30日(水)「劇」小劇場にて、江戸糸あやつり人形結城座 旗揚げ385周年記念公演第三弾『変身』が上演される。

本作は、両川船遊(十二代目結城孫三郎)が40年来温めてきた企画で、脚本・演出のシライケイタ、人形美術の谷原菜摘子という気鋭の実力者と初タッグを組んで実現する新作公演となる。

シライケイタ コメント

『変身』を演出するにあたって

人間は、それまで当たり前だと思っていた事がひっくり返るような体験をした時、どうなるのか。

この作品は、主人公が虫になってしまうところから始まるが、虫になってしまったというショッキングな出来事そのものよりも、主人公が自分の身に起きた信じられない事柄とどう向き合い、どう思考し、どのような内的変化を起こすのか。そして、家族はどのように捉え、どう苦悩し、思考し、行動するか。センセーショナルな設定に振り回され表層的な面白さを追求するのではなく、想像もしなかった事態に直面した時の人間の本質をあぶり出し、抉り出す作品を作ろうと思う。
人形劇にする際、主人公の造形をどのようにするかということが最大の難関であるし、最も興味を引くところでもあろう。しかし、虫をどのように描くかということよりも、虫になった主人公の心理を描きたい。また、家族やその他登場人物も、類型に陥るのではなく、人間の心理の深淵を覗き見るような作品にしたいと思っている。

ポップなエンターテイメント作品に観客が集中する日本の演劇界において、人間の醜さや、苦しみを描き出す作品の存在意義はますます高まっていると感じている。人形だからこそできる表現の幅の広さや意外性を追求したい。そして人間にとって何よりも大切な想像力を最大限に刺激する、挑発的な作品を目指したいと思っている。

公演情報

江戸糸あやつり人形結城座 旗揚げ385周年記念公演第三弾
『変身』
 
原作:フランツ・カフカ
脚本・演出:シライケイタ
 
■公演日程:2022年3月26日(土)~3月30日(水)
■会場:「劇」小劇場
東京都 世田谷区北沢 2 6 6
小田急線下北沢駅東口より徒歩 3 分
京王井の頭線下北沢駅 中央口 より徒歩 3 分
 
■出演
十三代目結城孫三郎
三代目両川船遊
結城育子
湯本アキ
小貫泰明
大浦恵実
中村つぐみ
 
全席指定
一般:5,000円
一般(DM会員先行予約):4,500円
ペア券:8,500円
U30(30歳以下):3,000円
学生:2,000円
 
■あらすじ
洋服のセールスマン、グレゴール・ザムザはある朝目覚めると、ベッドの中で虫に変身していた。馴れない身体を動かしやっとのことで部屋から這い出ると、母親は悲鳴を上げ、父親にはステッキで追い立てられてしまう。
姿形だけでなく、味覚や聴覚、視覚までも変化していくグレゴールの世話を焼いてくれたのは妹のグレーテだった。しかしある日、父親の留守中にグレゴールが母親と鉢合わせ、グレゴールの姿を見た母親は気を失ってしまう。帰宅した父親はそれを聞くとグレゴールにリンゴを投げつけ、グレゴールは痛みに悶える。
そのうちに売り子として働き始めたグレーテは、仕事に忙殺されグレゴールの世話もおざなりになっていく。部屋は薄汚れ、グレゴールはほとんど何も口にしなくなっていた。リンゴはグレゴールの身体にめり込んだまま腐り、傷口は炎症を起こしていた。
暗い部屋の中で、グレゴールは自分が全く動けなくなったことに気付いた。もはや背中の傷の痛みも感じない。空虚で満ち足りたもの思いの中で、グレゴールは静かに息を引き取った。
グレゴールが死んだその日、父、母、グレーテの三人は郊外にピクニックに出かけ、明るい予感に満ちた新たな生活について語り合うのだった。
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