グッドディスタンスー風がつなげた物語ー 大岩真理、深井邦彦の2作品が回替わりで上演決定
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グッドディスタンスー風がつなげた物語ー『月と座る』『珠子が居なくなった』
2022年3月31日(木)〜4月6日(水) 新宿シアタートップスにて、グッドディスタンスー風がつなげた物語ー『月と座る』『珠子が居なくなった』が上演される。「グッドディスタンス」は、本多劇場グループのオーナー・本多一夫の娘である本多真弓が立ち上げた企画。
今回は大岩真理による2020年の11月、幡ヶ谷のバス停でホームレスの女性が殺害された事件をモチーフに描かれた『月と座る』と「生きづらい人」をテーマにした深井邦彦の新作『珠子が居なくなった』の2作品を回替わりで上演する。
大岩真理 コメント
2020年、寒くなってきた頃。幡ヶ谷のバス停で女性ホームレスが殺されたと報じられた。
防犯カメラに映る犯人の男が、暗がりの幹線道路沿いを何度も行ったり来たりする様子がニュースで流れた。けれども女性ホームレスの姿も、もちろんバス停での殺害場面も流れることはなかった。その映像がもし存在しても、公開されるはずもない。だからこそ頭の中には、想像の映像が映し出され、なかなか消えなかった。
何が書けるか分からなかったけれど、何か書きたくなった。何か訴えたいわけではなくて、ただ忘れずにいたかった。真夜中のバス停の小さな灯りを頼りにじっと座って夜明けを待っていた、家のない人のこと。その死を伝えるニュースを食い入るように見ていた自分のことも。
深井邦彦 コメント
この人ダメだよね、変だよねって言われながら生きてる個性の強い人達に向けた作品です。
その人自体が正義だとか悪だとかはどうでも良くて、例えば悪だとしても、その人なりの生活があって、コツコツ生きている。幸せになりたいと願って生きている。ダメでも、変でも、足りなくても、その人の生活を、その願いを、否定したくない、願いながら生きる事を肯定したい。自分もダメで変で足りなくて、幸せになりたくて、でも悪の瞬間もあって誰かを傷つける、そして僕の知らない誰かもそうで。だからこそ、全部包んで世の中って素晴らしいよねって、そういう作品を作ってみたいなと思いました。決して大それた作品ではないし、世界が変わる様な事象は起こりません。ただ、願いは込めました。ダメで変で足りない全ての人達にダメで変で足りなくていいじゃないかと、その生き方は素晴らしいと、誰か一人にでも届くといいなと、届けと、思っております。