劇場セミナー 〜次世代モデルの研究〜第6回 『都市と演劇 ふたりの演劇人の半世紀』開催/新たな演劇ムーヴメントの仕掛け人 佐藤信と串田和美が語る
佐藤信(左)と串田和美
計画設計コンサルティングから運営管理まで、劇場・ホールのトータルプロデュースを行なっている「株式会社シアターワークショップ」では、2020年10月から「劇場セミナー 〜次世代モデルの研究〜」と題して、さまざまなジャンルのゲストを迎えてトーク企画を開催している。今回は、演出家の佐藤信、俳優・演出家の串田和美をゲストに、演劇研究者の梅山いつきをモデレーターに迎える。
1960年代、日本は激動の時代であった。既成の権威や価値に対して若者たちが新たな活動を実践し、社会の改革を推し進めていった。その中心に演劇があり、若い演劇人がいた。
60年代演劇は「小劇場演劇」と呼ばれており、非劇場空間の劇場化やテント劇場など、街につながる新たな上演空間を獲得したことに大きな意味があり、現代につながっている。新たな演劇ムーヴメントの仕掛け人である佐藤信と串田和美。その後の50年の歳月の中で、演劇を通じた地域との関わりや次世代の育成など、文化、都市、社会、教育といった大きな広がりの中でさまざまな活動を展開してきたお二人に語っていただく「演劇と都市、そして未来」。
「言わずと知れた二人の演劇人。60年代から70年代の熱い時代に共に演劇で社会を揺さぶり、90年代から2000年代はそれぞれ渋谷近くの劇場の芸術監督として都市部の劇場から演劇を発信し、いま、地方と郊外で演劇に向かい合うふたり。共に過ごした熱い時代から、今につながる想いをたっぷり語っていただきます。ご期待ください!」(主催者)
■佐藤 信 (演出家)
1966年に劇団「自由劇場」結成に参加。小劇場運動(アングラ)第一世代を代表する演劇人のひとりとして活発な活動を開始。1970年から1990年までの20年間、「黒テント68/71」の中心的な劇作家、演出家として、全国120都市におよぶテント劇場による移動上演を継続。個性的な戯曲文体による劇作のほか、能楽、糸操り人形芝居、日本舞踊、現代舞踊、レビュー、オペラなど幅広い分野の演出に携わる。近年は中国若手昆劇俳優、独立系演劇人との交流を深めるなど、ワークショップと作品上演を重ねながら、アジア舞台芸術のプラットフォームづくりを目指している。現在、「若葉町ウォーフ」代表、「座・高円寺(杉並芸術会館)」芸術監督、個人劇団「鴎座」主宰、「劇団黒テント」演出部。
■串田 和美 (俳優、演出家、舞台美術家)
1966年、劇団・自由劇場(後にオンシアター自由劇場と改名)を結成。1985〜96年までBunkamuraシアターコクーン初代芸術監督を務め、コクーン歌舞伎やレパートリーシステムの導入で劇場運営の礎を築く。代表作に『上海バンスキング』『もっと泣いてよフラッパー』『夏祭浪花鑑』など。平成中村座での歌舞伎演出も多数。2003年4月、まつもと市民芸術館芸術監督に就任(現・総監督)。信州・まつもと大歌舞伎や、サーカスと音楽と演劇を散りばめた『空中キャバレー』など市民を巻き込んだイベントを発案し“街に溶け込む演劇” を根付かせてきた。2006年芸術選奨文部科学大臣賞、2007年第14回読売演劇大賞最優秀演出賞受賞。2008年紫綬褒章、2013年旭日小綬章を受章。
■梅山 いつき (演劇研究者)
早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。演劇博物館で現代演劇に関する企画展を手がけ、現在、近畿大学准教授。アングラ演劇をめぐる研究や、野外演劇集団にスポットを当てたフィールドワークを展開している。著書に『佐藤信と「運動」の演劇』(作品社、第26回AICT演劇評論賞受賞)、『アングラ演劇論』(作品社、第18回AICT演劇評論賞受賞)、『60年代演劇再考』(岡室美奈子との共編著、水声社)など。
イベント情報
第6回 『都市と演劇 ふたりの演劇人の半世紀』
■日時:2022年3月23日(水)開場18:00/開演18:30~
■会場:渋谷キャスト スペース
■料金:現地参加3,000円(税込) ※先着順・自由席
オンライン配信 :2,000円(税込)
※収益の一部は、劇場業界の発展のために還元します。
■問合せ:渋谷キャスト スペース事務所 Tel.03-5778-9172(9:00〜18:00)メールinfo@castspace.jp