三浦透子主演×詩森ろば書き下ろし 舞台『Secret War-ひみつせん-』本日開幕 舞台写真&コメントが到着
serial number07『Secret War~ひみつせん~』撮影:保坂萌
2022年6月9日(木)東京芸術劇場シアターウエストにてserial number07『Secret War-ひみつせん-』が開幕する。
本作は、第2次世界大戦時、731部隊における人体実験を含む戦時研究を行った登戸研究所をモデルにした研究所を舞台に、映画『ドライブ・マイ・カー』の女性ドライバー役が記憶に新しい三浦透子を主演に迎え、serial number(シリアルナンバー)座付き作家詩森ろばが書き下ろす新作。
serial number07『Secret War~ひみつせん~』撮影:保坂萌
serial number07『Secret War~ひみつせん~』撮影:保坂萌
新国立劇場のフルオーディション企画『エンゼルス・イン・アメリカ』で数千人の中からジョー役として出演が決定したばかりの坂本慶介、『ザ・ドクター』『マーキュリー・ファー』と大きな舞台が続く宮崎秋人が友情に結ばれつつ戦争の影に押しつぶされていく若き科学者を演じる他、松村武、北浦愛、森下亮、佐野功、ししどともこ等、実力派出演陣が出演。『All My Sons』で詩森と初タッグを組み、その演技が高く評価され、読売演劇大賞優秀男優賞を受賞した大谷亮介が、物語のカギを握る人物として出演する。
serial number07『Secret War~ひみつせん~』撮影:保坂萌
serial number07『Secret War~ひみつせん~』撮影:保坂萌
serial number07『Secret War~ひみつせん~』撮影:保坂萌
開幕に先駆け、主演の三浦、作・演出の詩森よりコメントならびに舞台写真が到着した。
三浦透子 コメント
三浦透子
約1ヶ月間、本当に素敵な稽古の時間を過ごさせていただきました。
世代をこえて集まったスタッフ・キャストが、忌憚なく、思ったこと感じたことを言い合える稽古場でした。そんな風通しの良い環境をつくってくださった皆さんおひとりおひとりに、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
そして、この物語のモデルになった登戸研究所にも、きっとそういう空気があったのではないでしょうか。80年前のその場所にあったそれぞれの人生に触れるため、とにかく沢山話しました。誰の価値観も否定することなく、丁寧に選んで、積みあげて育ったこの作品が、今すでに自分にとって特別な大切なものになっています。
とにかく観ていただきたい!劇場でお待ちしています。
詩森ろば コメント
詩森ろば
登戸研究所のことを教えてくれたのは、ある制作者さんでした。
「戦時研究をしていた研究所のタイピストが持ち返った複写部分が見つかったっていう事実があって・・・」と。
その瞬間、この題材はわたしが書くと勝手に決めて、小高い丘陵地にある登戸研究所を見学に行きました。丁度、その実在したタイピスト、関コトさんの展示が行われていました。終戦ですべてを焼いたという秘密の研究所から持ち返られた「雑書綴り」。
戦後50年を経ないと、これは世の中に出すことができなかった。そのことまで含めて、なんだかとても恐ろしくそして愛おしいと思いました。
今回の作品は事実にインスパイヤされたフィクションなので、それを持ち返った経緯やその後の人生はおそらく劇中の琴江さんとはまったく似ていない。わたしはわたしの雑書綴りとそれを巡る物語をある意味、傲慢に創り上げました。
でも、それでも、その瞬間、上司の方に、持ち返ってはいけませんか、とお願いした、まっすぐな気持ちを、わたしはありありと感じることができます。その感触を大切に創った作品でもあるのです。
人体実験まで含む過酷な研究を行っていた、登戸研究所。それは繰り返してはいけない人類の深い過ちです。しかしそんな場所にも、抱きしめたくなるようなたくさんの思いやひとが在ったということを、伝えられたらと思います。それが、おそらく、いまいるこの場所を戦地にしない演劇にできる方法ではないのかとも。
三浦透子さん、坂本慶介くん始めとする、素晴らしい俳優陣が、そんな場所に集い生きてくれます。劇場でお会いできたらと願います。
公演情報
◆日程:2022年6月9日(木)~6月19日(日)
◆会場:東京芸術劇場シアターウエスト
東京都豊島区池袋1-8-1 B1F
◆作・演出:詩森ろば
◆出演:
三浦透子/坂本慶介 宮崎秋人 松村武(カムカムミニキーナ) 北浦愛 森下亮(クロムモリブデン)
佐野功 ししどともこ(カムヰヤッセン)/大谷亮介
◆公式ホームページ:https://serialnumber.jp/
ものがたり
46年後、中国北京に暮らす王浩燃(大谷亮介)のところに、科学ライターを名乗る津島遥子(三浦 2役)が訪ねてくる。遥子は、登沢研究所について調べていると名乗り、男が第二次世界大戦当時、登沢に勤めていたのではないか、と切り出す。
ふたつの時間軸は交錯しあいながら、登沢研究所でいったい何が行われていたのか、そして、その後、そこに関わっていた人たちはどうやって暮らしていったのか、そして科学と人間の相克を炙りだす。