松竹大谷図書館、戦前の歌舞伎座筋書をデジタルアーカイブで公開
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大正期の歌舞伎座筋書
公益財団法人松竹大谷図書館が、2022年7月1日(金)より、歌舞伎座の戦前までの筋書(劇場プログラム)をWeb上で閲覧できるデジタルアーカイブを公開したことを発表した。
公益財団法人松竹大谷図書館は、昭和33(1958)年7月1日に開館し、本年で創立64年を迎える演劇・映画専門の私立図書館。歌舞伎やその他の演劇・映画に関する台本やプログラムなどの資料約49万点を無料で一般公開している。松竹が手掛けた興行関連資料から他社の資料までを幅広く収集・所蔵し、利用者へのサービスに努めている。
明治24(1891)年1月 歌舞伎座絵本番付表紙
明治24(1891)年1月 歌舞伎座筋書表紙
大正14(1925)年6月歌舞伎座筋書裏表紙
令和2(2020)年度のクラウドファンディングにて、明治22年に初開場した東京歌舞伎座の戦前までの筋書約1,180冊のデジタル撮影と保存のための資金調達プロジェクトを実施した。成立後から、アーカイブ構築等Web公開に向け準備を進めてきたが、この度、当館 HP内のデジタルアーカイブ「芝居番付検索閲覧システム」において公開を開始することとなった。この公開により、明治・大正期より戦前までの歌舞伎座の筋書をWeb上で検索・閲覧することができるようになった。
芝居番付検索閲覧システム サムネイル画像(明治24(1891)年1月歌舞伎座筋書)
「芝居番付検索閲覧システム」は、松竹大谷図書館所蔵の【芝居番付】(ポスターやチラシにあたる資料)をデジタル化し、公開しているデータベース。今回デジタル化した【筋書】、【絵本番付】が加わることで、所蔵の歌舞伎座開場当時から戦前までの番付全種類をWebで一覧できるようになり、演目名や劇場名、上演年月日などから資料を検索することができる、検索結果画面の見開きページごとのサムネイル画像をクリックすると、表紙から全てのページを拡大して閲覧することができ、より充実したデータベースになっている。
芝居番付検索閲覧システム サムネイル画像
松竹大谷図書館は、今後も貴重資料のデジタル化プロジェクトを進め、希少性や利用頻度の高いものから順次公開していく予定。
リリース情報
■問い合わせ先:(公財)松竹大谷図書館 03-5550-1694
※1) 松竹大谷図書館所蔵貴重資料デジタルアーカイブ「芝居番付検索閲覧システム」は、松竹大谷図書館と立命館大学アート・リサーチセンターとの間で結ばれた協定に基づき、システムの開発及び公開をアート・リサーチセンターが行っています。
※2) デジタルアーカイブ公開後は資料保護のため、原則として資料現物の閲覧はできなくなりますのでご了承ください。
現在の劇場プログラムにあたる資料。明治初期には新しい形式の番付として演目の挿絵と配役(役割)が掲載された木版刷の【絵本番付(絵本役割)】が発行されていたが、印刷技術が発達するにつれて、配役とあらすじが掲載された活版印刷の【筋書】も発行されるようになった。さらに大正期に入ると【筋書】には出演俳優の写真や談話などが掲載されるようになる。
また、劇場からのお知らせのほか、化粧品など様々な広告が掲載された【筋書】は、出版当時の社会や世相を反映した生活文化を物語る貴重な資料でもある。