『プリンスアイスワールド』東京公演に出演する本田真凜インタビュー! 今回の演技・衣装の見所から練習中の裏話まで
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7月15日に開幕する『プリンスアイスワールド2022-2023 東京公演 Brand New StoryⅢ~Our Compass~』にゲストスケーターとして登場する本田真凜さん。プロスケーターグループ「プリンスアイスワールドチーム(以下「PIWチーム」)」との共演が「本当に楽しい」と顔をほころばせていた彼女に、今回は練習でのエピソードや今シーズンがシリーズ最終章となる『Brand New Story』への思い入れなどを聞いた。
PIWでは「舞台裏の雰囲気がすごく好き」
――東京公演がもうすぐ始まりますね。
本田真凜:はい。とっても楽しみです。今回は今シーズンのショートプログラムで予定している「Assassin’s Tango」を演技させていただくと思います。私自身も好きなプログラムなので楽しみです。
横浜公演では宮本賢二先生振り付けの「Rich man's frug」を滑らせて頂きました。昭和なイメージのレトロな曲で、ここまで楽しい曲は今までになく滑っていても本当に楽しかったです。衣装についても自分でデザインしてみたり、素敵なデザインを提案していただいたりと、毎回楽しみなポイントですね。
――東京公演で特に注目してほしい衣装はありますか?
本田真凜:まだ決定していないんですが、新しいフリーを滑るとしたら新しい衣装になるので見ていただきたいですね。フィナーレではゲストのスケーターが着る衣装の色が毎年変わるんですが、今回は白なんです。白い衣装は何着も持っておられる方が多いので、皆さんの衣装も楽しみにしています。
――プリンスアイスワールドの現場の雰囲気はどんな感じですか?
本田真凜:私が初めて出たのが中学生の時なんですけど、その頃から本当にバックヤードというか、裏の雰囲気がすごく好きなんです。皆さん、本当に優しくて、出番が終わった後にソデに入ると、控えているプリンスチームの皆さんが「さっきのサルコウめっちゃ良かった」とか、毎回褒めてくださるんです。
そんなチームの雰囲気もすごく好きだし、出番のタイミングを知らせてくださるスタッフの方も本当に面白くて。私の出番の前に『パプリカ』が流れていた時は、ソデで一緒に歌ってそのままリンクに出て行ったり。皆さんいい雰囲気で、スタッフさんも交えてみんなでワイワイしている感じです。
――楽しそうですね(笑)。
本田真凜:そうなんですよ。この前の横浜公演はリハーサルも含めて、10日間くらい朝6時から練習がありました。朝早い時間に10日も連続で練習することはあまりないので、練習メンバーで“朝1回目のジャンプで何が飛べるのか”に、ゲームのような感覚で挑戦していましたね。
――朝早いと起きたばかりで身体もまだちゃんと動いてないから大変そうです。
本田真凜:朝早い1回目のジャンプは身体的に難しい状態なので、「ここで飛べたら本番飛べる」ってみんなで話していました(笑)。その中でも毎日、少しずつジャンプの難易度を上げていくんです。
――成功した中でも一番難易度が高かったのは、どんなジャンプでしたか?
本田真凜:最初はダブルアクセルくらいから始めて、トリプルループで精一杯でした(笑)。
――それは、すごいですね! メンバーの中でも一番の出来だったのでは?
本田真凜:いえいえ、そんなことはないです(笑)。一番すごかったのは(宇野)昌磨くんで、4回転→3回転の連続技を成功させていました。
チームを仲間に、観客との触れ合いも楽しむ!
――三部作シリーズ『Brand New World』が始まる前から出演されている本田さんにとって、プリンスアイスワールドはどんな場所ですか?
本田真凜:いろんなアイスショーに出させてもらっていますが、プリンスアイスワールドは“お客さんとしても観たいと思うアイスショー”ですね。PIWチームの方の演目も毎年本当に楽しみにしていて、選手みんなで裏から座って観ていています。自分の出番ギリギリまで魅入ってしまうような演技がたくさんあるので、私自身がいちファンですね。
――プリンスアイスワールドは他のアイスショーと何が違うのでしょうか?
本田真凜:全くスケートを知らないような友達が観に来てくれた時でも、決まって「めっちゃ面白かった」って感想をもらうのがプリンスアイスワールドなんです。チームが一斉にパフォーマンスする団体での演技で魅せてくれたり、すごいアクロバティックな技があったりと、わかりやすい迫力があって見応えがあるショーだと思います。フィギュアスケートについて何も知らなくても楽しめるんですよね。
――アイスショーにはシーズンの合間に出演されていますが、ご自身の中での気持ちの切り替えなどはあるのでしょうか?
本田真凜:私自身、アイスショーの場がすごく好きなんです。お客さんとの距離がすごく近いのもショーならではですよね。
私は普段からKOSE新横浜スケートセンターのリンクで練習しているので、プリンスアイスワールドの方たちの練習に参加させていただくことが多いんです。公演がない期間も皆さん練習されているのですが、バックフリップなどの競技では実施しない難易度の高い技を習得しようとしている様子を、いつもヒヤヒヤしながら見ています。新たなチームメンバーの方がバックフリップに挑戦している時などは、「ああ、すごいなぁ」って思わず応援していますね。
――皆さん、仲間という感じなんですね。
本田真凜:中学生くらいの頃に出演させてもらった時は全然知らない方も多かったのですが、最近だと引退した選手がPIWチームに入ることも多いので、現役時代に友達だったチームメンバーとは特に仲良く過ごしていますね。新横の練習だと小林宏一さんが、どんなジャンプを跳んでもすっごい大きい拍手をしてくれるので、こちらも嬉しくなります。私が小さい頃から知ってくださっているのもあるので、安心感がありますね。
――アイスショーではどんな演技を心掛けているのでしょう?
本田真凜:試合と違って採点ではなく、いかに観に来てくださっているお客さんに楽しんでもらえるかが大切だと思っています。ただ、私は小さい頃からジャッジさんに向けて演技するというよりは、反対側のお客さんに「楽しんでもらえたらいいな」と思いながら滑ってきたので、アイスショーはそれが発揮できる場所なんです。
後は、試合と違ってお客さんとの距離が近いので、一人一人の表情まで見えるのもすごく好きです。以前はふれあいタイムがあったし、今だったらフォトタイムがあるので、「ああ、何回も来て下さるお客さんだな」って分かるのは、プリンスアイスワールドならではですね。
――試合でも「反対側のお客さんに向けて」演技されているということですが、それはなぜなんですか?
本田真凜:特に心掛けて……というのではないのですが、どこから観ても「いいな」と思ってもらいたいという気持ちが、小さい頃からあるからかもしれません。
私がスケートを好きな理由のひとつが、“たくさんのお客さんがひとりだけを観てくれる”ところなんです。私は兄弟も多かったので、普段から目立つことができなかったのもあって(笑)。小さい頃は注目してもらえることが、スケートを続けている理由のひとつでした。
今までの演目で一番印象に残っているのは…
――『Brand New Story』の三部作には、一作目から出演されていますよね。
本田真凜:毎年本当に楽しみにしているんです。練習では皆さんの演技をできるだけ観ないように気を付けていて(笑)、リハーサルで「あぁ、今年はこんな感じなんだ」って新鮮な気持ちで観るのを楽しみにしています。
これまでの演目で言うと、個人的には太鼓の演目が印象に残っています。あんな大きな太鼓を見る機会ってあまりないですし、近くで聞くと音の迫力もすごいんです。スケートと太鼓ってかけ離れたイメージだったので、このふたつを合わせるというのも斬新で、特に楽しかったです。
――本田さんご自身はアクロバティックな演目をやってみたいという気持ちはありますか?
本田真凜:PIWチームの方たちを見ていて、「バックフリップができるようになりたい」と思ったことはありました。お兄ちゃん(本田太一)も同じことを考えていたようで、引退した後に宏一さんと(中野)耀司くんと体操教室で教えてもらって、リンクでバックフリップの練習をしていました。動画を送ってきたんですけど、「勇気あるなあ」と思いましたね(笑)。
――最後に7月15日から始まる東京公演の意気込みと、観に来て下さる方へのメッセージをお願いします。
本田真凜:全くスケートがわからない方でも絶対楽しんでいただけるショーになっています。新しいプログラムを披露される方もおられると思うので、いつも観に来てくださっている方でも新たな発見や楽しみがある思いますので、ぜひ来ていただけたら嬉しいです。
文:熊谷真由子 撮影:竹内けい子
イベント情報
『プリンスアイスワールド2022-2023 Brand New StoryIII ~Our Compass~』東京公演
日時:7月15日(金)~7月18日(月・祝)
1回目11:30~13:30/2回目 16:00~18:00
会場:ダイドードリンコアイスアリーナ(東京都)