注目の俊英ピアニスト阪田知樹×髙木竜馬が登場 東京芸術劇場リサイタル・シリーズ『VS』Vol.5 開催決定
(左から)阪田知樹、髙木竜馬
2022年11月10日(木)東京芸術劇場リサイタル・シリーズ『VS』Vol.5の開催が決定した。
2021年度からスタートしたリサイタル・シリーズ『VS』(ヴァーサス)。本シリーズは、「ピアノ・デュオ(2台のピアノ)演奏」によって、2人の異なる個性を持つピアニストが、それぞれの表現力や感性、技術がぶつかり合うことで生まれる、ライブでしか味わえない熱狂的な空間を創造する、新しい形のリサイタルだ。
Vol.5に登場するのは、今、世界が注目するピアニスト阪田知樹。2016年リスト国際ピアノコンクール第1位、2021年エリザベート王妃国際音楽コンクール第4位入賞など、国際的に華々しい活躍を見せている。
その阪田が今回の演奏会のパートナーとして指名したのは、2018年グリーグ国際ピアノコンクールで優勝及び聴衆賞を受賞し、一躍世界の脚光を浴び、躍進し続ける髙木竜馬。
阪田と髙木の『VS』(ヴァーサス)開催にあたって、阪田に依頼したテーマは、彼が得意とし、敬愛するリストと、リストと“ピアノ対決”を行った同時代のヴィルトゥオーゾタールベルクの音楽。それを受けて、阪田が編んだプログラムは、リストを知り尽くした彼ならではのものとなった。
第1部では、リストとタームベルクの独奏作品を紹介。“ピアノ対決”で演奏された楽曲も含めながら、阪田と髙木がそれぞれ、リストとタールベルクの作品を1曲ずつ演奏する。
阪田はタールベルク作曲《『2つのノクターン』より大夜想曲》、自身が得意とするリスト作曲《歌劇『ノルマ』の回想》を演奏。
髙木はタールベルクの知られざる名曲《歌劇『エジプトのモーゼ』の主題による幻想曲》と有名曲リスト作曲《『愛の夢』より第3番夜想曲》を取り上げる。
第2部では、当時人気を誇ったショパン、ツェルニー、エルツ、ピクシス、タールベルクそして、リスト6人のピアニスト・作曲家により合作され、演奏される機会があまりない《ヘクサメロン(2台ピアノ版)》とリストの数少ない2台ピアノ作品《2台ピアノの為の悲愴協奏曲》を演奏する。
2人のヴィルトゥオーゾの残した音楽が、阪田、髙木という同世代の2人のピアニストによって現代に蘇る。
阪田知樹 コメント
阪田知樹 (C)HIDEKI NAMAI
タールベルクは、今ではあまり認知されていない名前ではありますが、生前はリストと並んで当代随一のピアニストとして世界に名を轟かせており、クララ・シューマンなど多くのピアニストがその作品を演奏したりしていたと言われています。
また当時リストのライバルとも評されていたタールベルクは、1837年にパリでリストと歴史的なデュエルコンサートを行いました。コンサート後に主催者だった侯爵夫人が言ったとされる「タールベルクは世界一のピアニスト、リストは唯一のピアニスト」という言葉はあまりにも有名。そのタールベルク作品の生演奏という貴重な機会を聴き逃す手はありません!
今回タールベルク作品の演奏をして下さる友人ピアニストの髙木竜馬さんのソロ演奏、そして、共演を今からとても楽しみにしております。タールベルクとリストの時空を越えた共演(タールベルクは、はじめにリストとのジョイントコンサートの話が出た際に「私は『伴奏』と演奏することは好まない」と語った。)を想像しながら後半の2台ピアノ作品をお楽しみ頂けたら嬉しいです。
髙木竜馬コメント
髙木竜馬 (C)池上夢貢
東京芸術劇場が誇る「VS」シリーズに出演させていただけて、とても光栄です。共演する阪田知樹さんは、旧知の仲で、ピアニスト、そして芸術家としてとても尊敬している方です。そんな阪田さんとは、皆様をリストとタールベルクによる、めくるめくヴィルティオーゾの世界にお誘いします。
前半にリストとタールベルクの作品をそれぞれ演奏して、後半には2人で一緒にリストを演奏します。特にタールベルクの作品と、リストの2台ピアノの作品は、実演に触れることの出来る機会は稀有ですので、私自身もとても楽しみにしています。
仲の良い友人である阪田さんと「闘う」という意識はありませんが、共演者として競演し、豪華絢爛なステージに出来るように、そして皆様に華やかな舞台を楽しんでいただけるように、精一杯演奏いたします!
公演情報
【第1部】